2003年10月アーカイブ

cover以前ルペルト・フーバーの演奏を紹介しましたが、こちらはRIAS室内合唱団の演奏です。世界に数ある合唱団の中でも間違いなくトップクラスに属するこの合唱団の完璧なアンサンブルは合唱に多少詳しい方なら皆さんご存知かと思いますが、2台ピアノ、ハルモニウムという簡素な楽器編成との共演によってこのアンサンブルの素晴らしさはより際立っています。しかもこの演奏ではピアノ、ハルモニウムとも19世紀中ごろに制作された当時の楽器を使っていますが、特にピアノは現代のスタインウェイのようのような豊饒な音色の方向性とは全く違ったより慎ましい音色がとても生きています。

ロッシーニというとどうも軽薄で、などとお思いの方も沢山いらっしゃると思いますが、ヴェルディの音楽と同様、親しみやすさを持ちながらも、非常に深い音楽性も兼ね備えた一級の芸術作品だと思います。
特に晩年の宗教的な作品である、この「小荘厳ミサ」と「スターバト・マーテル」の素晴らしさはヴェルディの「レクイエム」と並ぶイタリア・ロマン派音楽の至宝だと思います。

coverファラオ・サンダースのスピリチュアルな側面が全開の名作にして大作です。ファラオというと後期コルトレーンのバンドでの壮絶な演奏が思い浮かびますが、あの激しい咆哮も神の領域へと近づいていこうとする試みだったに違いありません。
ここではそうしたフリーキーな要素はほとんどありませんが、あの壮絶な演奏を体験したあとだからこそ得られる本物のスピリチュアルな音楽がここにあります。
曲もいいし、メロディーの歌わせ方も絶品の一言ですが、なんといってもフラジオレットの美しさがすばらしいです。

1人でも多くの人に聞いて欲しい名盤だと思います。

coverこのアルバムは2枚組です。一枚にはブルックナーが生前に完成させた第1〜3楽章が収録されていて、もう一枚ではブルックナーが遺した第4楽章の未完のスケッチをアーノンクールのレクチャーをはさみながら何の手も加えずに聞かせるという興味深い試みです。
これを聴いて分かるのは、しばしばトルソーにしか過ぎないと様々な文献に書かれていたこの未完の第4楽章が、かなりの部分まで出来上がっていたということです。
もちろん、スケッチをそのまま演奏しているだけなので、音は薄っぺらいものですが、ブルックナーのアイデアはとてもよく分かりますし、これが完成していたらものすごい音楽になっていたであろうことも十分想像できます。

ところで、私はこの交響曲の第2楽章のスケルツォがとても好きです。
主部が地獄、2つの交替して表れるトリオが煉獄と天国をそれぞれ象徴しているように聞こえるのです。

シューベルトの未完成交響曲がでてきたついでですが、その他の「未完成もの」を思いつくままに並べてみましょう。

バッハ「フーガの技法」
モーツァルト「レクイエム」
ブルックナー「交響曲第9番」
マーラー「交響曲第10番」
プッチーニ「トゥーランドット」
シェーンベルク「ヤコブの梯子」
シェーンベルク「モーゼとアロン」
シェーンベルク「現代詩編第1番」
ベルク「ルル」
ブーレーズ「ピアノ・ソナタ第3番」
ビーチボーイズ「スマイル」
ビートルズ「レット・イット・ビー」
ジョン・レノン「ミルク・アンド・ハニー」
マイルス・デイヴィス「Doo Bop」

大半が死んでしまった事により作品を完成できなかった事が最も多いですが、シェーンベルクやブーレーズの例は音楽性の変化などの理由でそれ以上作曲出来なくなった例で(ブーレーズが第3ソナタを今後完成させる可能性は極めて低いと思います)未完成のまま作曲されなかった部分をなんとかして聴いて見たいという好奇心とともに、作曲された部分だけでなぜかそれなりの調和を持っている不思議さに妙に感動したりもします。

モーツァルトの「レクイエム」などジュスマイヤーを始めとして多くの補筆が試みられていますが、そうした作業によってできた「完成版」はやっと完成した、という安堵感をもたらすのではなく、かえってその作品の未完成である事実を強調させることにより、「未完成であること」の神秘性がより増してくるのはとても興味深いです。

coverネヴィル・マリナー指揮によるこのシューベルト交響曲全集には「未完成交響曲」完成版(!)を含むレアなアイテムが満載です。
完成版「未完成」以外に一時期「第7番」と呼ばれていたホ長調の交響曲のスケッチ、「第10番」と呼ばれる事の多い二長調の交響曲のスケッチをそれぞれ補筆したもの、さらに交響曲の断章が2つ収められています。

とにかく目を引くのが完成版「未完成」です。
オーケストレーションも含めたスケッチがある程度残っている第3楽章はいいとしても、作曲された形跡すらない第4楽章をどうしているか?調性、オーケストラの編成が同じ「ロザムンデ」からの音楽を借用する事によってこの問題を解決しています。

逆説的ですがこの完成版「未完成」を聴く事によって、シューベルトがこの曲の3楽章以降を作曲しなかった事が非常に賢明な選択であったことがよく理解できます。

ビル・ラズウェルなど先鋭的なアーティストと共演してきたDJ OLIVEの初フル・アルバム。
この手のものはとりあえず音を聞いてもらうしかないのですが、短めの曲がノン・ストップでどんどんと続いていきますが、ダブ的な風味の強い浮遊感溢れるユルくて気持ちいーいトラックがひたすら続いていくのでだんだん癖になってきます。
かなり凝った作りになっていますが、それほど前衛的にも聞こえず、かといってチープな感じにもならず、とにかく天国へ直結したサウンドの悦楽が印象的です。

詳しくはこちらをどうぞ。
http://theagriculture.com/distribution/

coverううん、ECMのアルバムはやはりジャケのデザイン・センスがものすごくいいですね。

タイトル通りオペラの殿堂ミラノのスカラ座でのキースのソロ・コンサートのライヴ録音です。普通はどういう曲をやってどういう構成で、などと事前に準備するものですが、キースが70年代以降ずっとやってきているスタイルは事前の準備一切なしの全くの白紙の状態でステージへ立つ、というものすごいコンセプトをもっています。したがって会場の雰囲気や音響、聴衆の雰囲気がダイレクトに演奏に影響すると思われますが、この演奏からはたしかにイタリアらしい解放された雰囲気が感じられます。

冒頭のトリルで始まるフレーズでいきなり昇天しそうになりますし、途中でのセシル・テイラーばりの無調のフリーな部分も深刻な感じではなく、むしろ軽やかな雰囲気を醸し出しています。

キースのソロ・コンサートというとどうしてもケルン・コンサートばかりが注目されますが、このスカラ座での演奏も、彼の数多くのソロ・コンサートの中でも一二を争う充実した出来栄えだと思います。

coverついにこの大ヒット作品のDVDが発売されました。ヲタク的な手の込んだ仕掛けがあちこちに仕組んであるので、やはりDVDで改めて見直すと気付かなかった細かい点を沢山発見しました。マトリックスの特集をしている雑誌があったので買ってよんでみると、そんなところあったの?というまだ気が付いてない点がありましたし、よく分からなかった設定上の細部が解説してあったりと、まだ見直してみる必要がありそうです。「アニマトリックス」や「Enter the Matrix」(ゲーム)にも本編に通ずる重要なサイドストーリーがあってその辺もよくチェックしなければいけないらしいのです。それにしてもゲーム用に同じ役者、セットを使って別シーンを撮影するとは、こだわりがすごいですよね。。

あの物理法則を無視したカンフーの動き(ヴァーチャルな世界でのことだから許されるのですが)やピンチが2重、3重と積み重なっていく「ありえない」カーチェイスなど何度見ても面白いですが、おまけDVDではその辺のメイキングが大量に収録されていてこちらも興味深いです。
ザイオンのシーンで1000人のエキストラを使ったとか、複雑なカーチェイスのシーンを入念に撮影するために2キロあまりの高速道路を作ってしまったとか、唖然としてしまうような事実が沢山収められています。

それにしても、このDVD発売のタイミングに合わせての完結編の公開。リローデッドがまさに「次回へつづく」的な欲求不満を残す終わり方だっただけに(そして長いエンドクレジットのあとにいやでも見たくなる完結編の予告編があります)、完結編のゆくえがものすごく気になります。
なかなか商売上手ですよね。。。。

そういえば映画の中で使われていた、飛び出してくる携帯電話はサムスンに作らせたらしいですが、日本でも売ってるのでしょうか?

cover1966年制作のこの映画はオーネット・コールマンがこの映画のためにCD2枚分の音楽を録音して(チャパカ組曲)、結局不採用になった、ということで、存在を知っていましたが、今回初めて映画本体を見る事が出来ました。

これは、大傑作です。マジでヤバイです。ヤバすぎな映画です。

主人公が重度のドラッグ中毒、アルコール中毒になって療養所へ入所するも、症状は良くなるどころかどんどんひどくなって、結局見放されて療養所を去る、というストーリーですが、随所にドラッグによる幻覚を思わせる映像が不意に挿入され、映画を見ていてもどれが現実でどれが幻覚か分からなくなってしまいますし、そんなことはどうでもよくなるイメージのインパクトがものすごいです。

http://www.annamariajopek.pl/pages/dyskografia/albumy/upojenie.html

このポーランド人歌手の名前を全く知りませんでしたが、このアルバムでパット・メセニーが全面参加しているということで聴いてみました。
ブックレットが最初から最後までポーランド語でよく詳細は分かりませんが、この人の声は神秘的な美しさを持っていて、それがパットのギターの音色と溶け合い得も言われぬ美しさを持った響きを作り出しています。

パット・メセニーのアルバムからのカバーも沢山あって、あらたにポーランド語の歌詞が付けられていますが、パット自身も演奏、アレンジに関わっていますから仕上がりも悪い訳がありません。

ということだそうです。
>>ソース
私も今のところ順調に更新していますが気を付けなくては。

Weblogにすれば更新の手間が飛躍的に省けてコンテンツに集中できるメリットがありますが、逆に言うと「これを書きたい」という積極的なモチベーションがなくなると三日坊主になる、ということでその点では道具は関係ない、ということになります。

covercovercover

ブルックナーの交響曲は山ほどCDが発売されていて熱狂的な「ブルヲタ」の人は交響曲全集を何種類も持っているのではないかと思いますが、ミサ曲のような教会音楽になると、かなり選択肢が狭くなってしまいますし、合唱の美しさを堪能できる録音のものを探そうとするともっと数が限られてしまいます。

そうしたミサ曲の個人的なお勧めは以下のようなものです。

ミサ曲第1番
The Monteverdi Choir, Wiener Philharmoniker
指揮:John Eliot Gardiner

ミサ曲第2番
La Chapelle Royale, Collegium Vocale
Ensemble Musique Oblique
指揮:Philippe Herreweghe

ミサ曲第3番
Mozart-Chor Linz
The London Philharmonie
指揮:Franz Welser-Möst

この3つの演奏に共通する所は、いかにもブルックナーらしい重厚なサウンドではなく、透明感溢れるすっきりとサウンドで昇天していきそうな雰囲気を持っている事です。そして、合唱のアンサンブルの緻密さと美しさも格別ですし、オーケストラもそれに負けじと透明でクリアーなサウンドを鳴らし、両者が完全に一体となっているのも大きな特徴です。

iPodに録音機能を付加するBelkin Voice Recorderが発売されるそうです。

Appleのサイトによると

「新しいボイスレコーディング機能により、iPodユーザはBelkin Voice Recorderを使って講義、インタビューや音声メモを40GBのiPodなら600時間以上録音することができ、すぐに再生できます。iPodをMacまたはWindows PCに接続すると、曲やプレイリストがiTunesのライブラリと同期されるのと同じように、音声メモが自動的にコンピュータと同期されます。録音したオーディオはWAVファイルフォーマットで保存され、手軽に編集し、電子メールで送信することもできます。」

ということだそうです。
ただし、iPodでも私が持っている古い機種では対応していないので、これを使おうとすると新しいものに買い替える必要があります。しかし、今後同種のデバイスが発売される事も予想されるので、とりあえずは様子見といったところでしょうか。

なぜMacで一般的なAIFFでなくWAVなのか、というのは少し気になります。

cover伝説の映画コヤニスカッツィがついにDVD化されました(詳しい商品情報は画像をクリックして下さい)
早速購入して見てみました。武満徹がけなしていたり、坂本龍一の「いかにも」なコメントがあったりと半信半疑で見始めましたが、これはとても面白い映画だと思いました。
大自然の映像も人間世界の映像も音声をはぎとられ、代わりにフィリップ・グラスの音楽が組み合わされ、映像の大部分は早回しや遅回しで再生される事により地球上の出来事を「神の視点」で極めて客観的に見る事が出来るようになっています。
その「神の視点」で見ると自然界のものであろうと人間の作ったものであろうとすべては「パターン」の集積にすぎず、そのことを同じくミニマルなパターンの集積によって構成されたフィリップ・グラスの音楽が強調していますが、一人一人の人間はライフゲームのひとつひとつのドットにしか過ぎない、ということを強く感じさせます。

coverビョークのVespertineツアーにも同行したマック・ヲタク二人組のユニットMatmosのこのアルバムは、外科手術の音をサンプリングした事で有名になりました。そうした突拍子もないアイデアが空回りする事なく音楽的にもとても面白いものになっています。手術室での様々な物音(もちろん他にも興味深い具体音が使用されていますが)が複雑にエディットされてエレクトロニック・ビートへと変容していったり、そのビートが再び手術室での出来事へと解体していったりと、音楽の性格がどんどん変わっていきますが、全体の通奏低音として流れているのが、アヴァンギャルドな要素も持ちながらポップでユーモラスな感覚を決して失わない軽妙なバランス感覚です。

coverパット・メセニー・グループのメンバーでもあるリチャード・ボナの新譜は、切ないほど美しいアルバムです。冒頭の多重録音によるア・カペラのコーラスがいきなり素晴らしいですが、続く作品もアフリカのリズムとジャズ/フュージョン的なリズムが絶妙に混ざり合った珠玉のトラックばかりです。
彼の声の美しさはパット・メセニーのアルバムでも非常に重要な位置を占めていますが、このアルバムではその声を全編にわたって堪能する事が出来ます。彼と同じアフリカのミュージシャン、サリフ・ケイタもいくつかのトラックでゲストとして参加していますが、二人の声のキャラクターの対比も面白いです。
アコギのカッティングとか絶妙なリズム隊などの演奏やミックスもそれぞれ素晴らしいです。
でも、このアルバムを貫く最も重要な要素はスピリチュアルであるということです。

一曲ケニー・ギャレットが参加したトラックがあって出来は決して悪くないのですが、このトラックだけ妙にジャズっぽくて全体のアルバムの流れから遊離しているように聞こえてしまうのが少し残念です。

このソフトはAiff, mp3などの音楽ファイルをレコード風に針音などのノイズを付け加えて再生するプレイヤーです。こうしたエフェクト自体は以前からよく見かけるものですが、面白いのはウィンドウが本物のターンテーブルの様になっていて、アームを動かして再生位置を変えたりと、本当にレコードをかけているような気分になれる所です。

プレイリストの機能もないし、一曲が一枚のレコードになるので、何曲も聴こうとするとレコードをその都度取り換えなければいけませんので、LPどころかSP並の使い勝手ですが、Macの世界にはこのような単機能だけれどもとても面白い小物アプリがたくさんあって、思わずどんどんインストールしてしまいます。
ちなみにフリーウェアでOS X, OS9の両方に対応しています。
ホームページはこちらです。

coverJez ColinとMatt Cooperの二人によるユニットThe Latin Projectのアルバム。 サルサなどのラテン音楽をハウス・ビートにのせて展開させるというコンセプトです。
この手のものっていわゆる「企画もの」ののりで単に足し算しただけでその結果はチープ極まりないものが多いですが、このアルバムはそのようなものとは次元が全く違います。
とにかく一曲目から信じがたいほどカッコいいリズムとフレーズがバシバシ表れます。

ハウスでお約束のキックドラムの音色がすばらしいのはもちろん、そのリズムの上に乗るラテン音楽風のフレーズの全てのセンスの良さにはただただ感動するしかありません。
時々表れるエレピのジャジーなアドリブもなかなかいい感じです。

coverバッハの「ゴールドベルク」といえばグールドでしたが、最近ECMより発売されたアンドラーシュ・シフの演奏はそうした私の認識を変化させるに足る素晴らしい仕上がりでした。

このアンドラーシュ・シフの演奏はグールドの演奏解釈からの影響が随所で見られますが、そこに彼独特の感性が加わっています。
装飾音の処理も洒落ていますし微妙なルバートの効果も絶妙です。
コンサートからの録音というのも関係あると思いますが、全体的に音楽の表情が非常に生き生きとしています。そしてECMならではの潤いのある録音もこのアルバムの価値を高めています。

ここ数日はこのアルバムを朝食をとりながら聴いていますが、寝ぼけた頭がすっきりとしてきて来る一日への良い頭の準備運動になります。

2001年にキュルテンでのシュトックハウゼン講習会で演奏した「ティアクライス」をようやく日本でも演奏する事になりました。
とりあえずは、来月11月14日京都の同志社大学でやります。
打楽器の小川真由子さんとのジョイント・リサイタルのような形になりますが彼女がシュトックハウゼンの「ツィクルス」をやります。
その他「龍安寺」などのケージ作品も演奏します。
お近くの方は是非ともどうぞ。

くわしくは以下のページをご覧下さい。
上の方の演奏会の基本情報に加えて、下の方にもう少し詳しい解説があります。
http://ilc.doshisha.ac.jp/event/bunka03b/bunka28.html

近日中にトップページからもリンクを張る予定です。

言わずとしれた、ドイツの生んだ最もクレイジーなバンドの最もクレイジーなアルバムですが、2003年最新デジタル・リマスターということで紙ジャケになって再発売です。
もともとローファイなサウンドなのでリマスターというのもそれほど関係なさそうですが、それなりにキメが細かくなっているように感じます。

このアルバムはバンドのメンバーがおクスリを一発キメた状態でだらだらと即興的なセッションを行いそれを細かく切り貼りしたりエフェクターを通す事によって音を変調したりと大胆に加工する事によってサイケデリック体験を音楽で表現しようとしたものです。

その結果はドコドコボコボコとプリミティヴなパーカッションのリズムに合わせてひずんだギターのコードや叫び声がかぶさり、それが無目的に延々と続いていくもので、これがベートーヴェンを生んだ国と同じ国の音楽なのか、と一瞬びっくりしますが、ドイツにはこの手の極度にいかれたバンドが多かったりします。
ドイツ人は論理的というイメージがありますが、それが度を超えると超論理から非論理へと変異してこのような異様な音楽が生まれるのでしょう。

cover

普通の感覚の人はビョークが宇宙人と中国人の合いの子のようにコンピュータ上で加工されたジャケットを見ただけで思わず引いてしまうと思いますが、サウンドもビョークの全アルバムの中でもっともハードな物だと思います。
基本的に弦楽八重奏とLFOのマーク・ベルによるエレクトロ・ビートのみという限定された音要素のみでアルバム全体が構成されていますが、一見水と油のようなアコースティックとエレクトリックの融合が非常にうまいバランスで達成されているのです。
マーク・ベルの作り出すサウンドはLFOの2枚のアルバムで見せていたそれよりもより先鋭的で、しばしば発振音風だったりホワイト・ノイズ風だったりする言ってみれば「粗い」音色がしばしば使われているのですが、その扱いが非常に巧みで、ローファイな感じは全くなく、全体のサウンドに力強さを与えるとともに、弦楽の美しい音色との絶妙なコントラストを生み出しています。

そこに、非常に倍音の豊かなビョークの歌声が乗る訳ですが、彼女も自分の声の美しさを生かすためにどういうサウンドと組み合わせればいいのか、というノウハウをきちんと心得ていて恐れ入ります。

LFO

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最近LFOのアルバムFrequenciesやAdvanceをよくiPodで聴いています。
どちらのアルバムも10年前のテクノの王道を行くスタイルですが、表面的な効果ばかりを追い求めない非常に高い音楽性によって作られているので古さやチープさを感じる事はありません。

シーケンスやビートの音色のプログラミングのセンスの良さが光っていますが、重過ぎず軽過ぎないポップで絶妙なグルーヴ感がもっとも印象的です。リズムのはね方やシンコペーションの使い方がうまいんですけど、この辺にビョークが目をつけて共演を申し込んだのでしょう。

ビョークのI Go HumbleとLFOのUltra Schallってタイトルは違いますが全く同じ曲です。ビョークのはLFOの曲にそのままヴォーカルを重ねただけ、逆に言うとLFOのはビョークのカラオケヴァージョンということになります。
この2つの曲の関係が象徴しているように、一時期ビョークの音楽とLFO(厳密に言うとマーク・ベル)の音楽が一体化していたということで、実は私がビョークのアルバムを聴いていて好きだなと思う所がLFOの音楽性に由来する事だったりすることが少なくなかったりします。

以前から「天使通信」というメルマガを購読しています。
といっても天使からメッセージが来る訳ではありませんが、すごいことでなくてもホッとするようなことが書かれていて配信回数も多からず、少なからず、と言う感じで結構長い間読んでいます。
さて、そのメルマガに以下のような記事がありましたので引用します。


> アメリカのとある大学病院でのこと。入院患者をグループにして、一つは
>祈ってもらうグループ。一つは祈ってもらわないグループ。

> 患者さんは大体同じような症状で、お互いに「祈ってもらっている、いない」
>ということは知らない。祈っている人は、その患者さんの知り合いではない。

> 要するに患者さんは、何も知らない状態だったそうです。にも関わらず
>祈ってもらったグループの方が症状が改善していたそうです。

> ということで、祈りが病気の治癒に効果がある・という研究結果となり、
>これを応用・利用できないかと研究が進められているのだそうです。

この記事のソースがのっていないのでこれ以上の情報を知りえないのですが
この研究が本当だとすると、なんだかすごいことですよね。

自分自身に対しては強い気持ちが行動へと駆り立てる、というのは何度も
体験してますし、その効果を積極的に利用していますが、
マインド・パワーが他人にも影響を及ぼすというのは、
オカルトチックな香りも感じますがなんだかとても神秘的に感じます。

ということはシュトックハウゼンの「祈り」の実演に接するというのは
ものすごいヒーリング効果があるということになりますね。。。

ちなみに「天使通信」の購読はこちら(まぐまぐ)からどうぞ。
http://www.bb.isas.ne.jp/yyseraph01/ang/05top.htm

出先で時間が余ったので、ヴァージンにおいてあるMac(利用は無料!)から書き込みをしてみることにしました。これって実は便利な機能なんですかね。

ロバート・ワイアットの久々のアルバムです。
いくつになっても子供のような純粋さを失わないあの声の美しさは相変わらずです。
特にシンセのプログラミングやアレンジ、ミックスなど、やや未整理な感じもして洗練されているとは決して言えないのですが、そうした所を敢えてそのままにしておくことによって、彼の音楽性の誠実さ、純粋さ、といったものがかえって赤裸々に表れる結果になっています。

ジャズ風のアレンジのものが多いのはとても楽しいですが、ジョビンのInsensatezなどもカバーしていて、見事にワイアットの音楽になっているところはさすが、だと思いました。

ヒロシマ、ナガサキ、コンニチハ、アリガトーという謎の歌詞の曲があるのはご愛嬌という事で(笑

オーネット・コールマンによるクラシック作品集です。
ずっと廃盤になったままなのですが、イギリスのアマゾンで中古を売っているのを発見し、早速取り寄せてみました。

管楽五重奏のForms and Sounds, 弦楽四重奏のSaints and Soldiers, Space Flightという3曲が収録されています。
正直、どの作品も終始ピンボケというのでしょうか、作曲上の焦点が不明確で、つかみどころのない抽象的な響きと変化に乏しいリズムが延々と続く感じですが、そこが逆に面白く感じたりもします。

Forms and Soundsは初演の録音を「クロイドン・コンサート」の中でも聴く事が出来ますが、ここでの録音では管楽五重奏による短いセクションの合間に(あとから付け加えられた)オーネット自身の演奏によるトランペットのインターリュードが挿入されていますから、管楽五重奏とトランペット・ソロ(無伴奏)が交互に繋がるような格好になっています。
オーネットのトランペットのプレイも、さすが本職はアルト・サックス奏者だけあって、音のきちんと鳴らない技術的に難のある、ヘタウマともいえないものなのですが、この下手くそ加減が妙に味があったりもするのです。

と言う訳で褒めてるんだかけなしてるんだか分からないような文章になってしまいましたが、単純につまらない、と切り捨てられないところにオーネットの音楽の不思議さがあります。

キリンジは、なんでも粗悪な規格であるCCCDにして売ってしまう「あの」極悪企業、東芝EMIの所属アーティストですが、椎名林檎をはじめ次々とCCCD化されてしまうアーティストの中でも、一貫してこの聴衆に背を向けた劣悪規格とは距離を置いている貴重な良心的なアーティストであります。
ビートルズの新譜の国内盤までもCCCD化が決定している状況で、今回のこの新譜ももしやCCCDでは、という心配がありましたが、CDエクストラ規格を採用する事によって見事CCCD化を回避しています。キリンジは以前から好きなアーティストだったので一安心でした。心からこの決定に拍手を送りたいと思います。

さて、この新譜の肝心の内容ですが、一曲目のミックスが不自然に低域を強調した感じで、一瞬あれ?、と思いましたがその後の曲にはそうした不自然感は感じられず、キリンジらしい良質な大人のポップスを堪能する事が出来ました。

キリンジってネーミングがいまいちだし(なんか相撲取りみたいですしね。。)、ルックスも二人とも地味な感じですが(汗)、冨田恵一のプロデュースが絶品で、非常に味わい深いサウンドを全編にわたって楽しむ事が出来ます。

私はある人に薦められて聴いてみて一発ではまった口ですが、未体験の方は一度聴いてみて下さい。
大人の味の分かる方なら絶対に好きになります。

デヴィッド・ボウイのこの新譜はビート、ギターのサウンド、歌声などどこをとってもパワフルでロック魂に満ちあふれています。
アレンジはロックの王道を行くシンプルなものですが、単調にならないように細かな工夫が随所に見られます。音数をやたらと増やして音圧で攻めるのではなく、ひとつひとつのサウンドがしっかりと主張できるようにアレンジしているので、重厚なイメージの割には実は音数は少なかったりするのもすごいです。
コード進行もいかにもロック的などの調性にも収まらないようでいて、どの調性にも属する事の出来る浮遊感に満ちたものになっています。
フィリップ・グラスがボウイの70年代のアルバムを素材にしてシンフォニーを作曲しているのは有名な話ですが、ハーモニーのセンスがグラスと似ている面もあると思います。

このアルバムの素晴らしさを引き立てているのはミックスだと思います。
パワフルなビートと力強いハーモニーを保ちつつ、全ての音が透明感を失わずクリアーに聞こえてくる絶妙な匙加減にはぶっとんでしまいます。

また運休だそうです(汗
http://www.asahi.com/national/update/1003/016.html

東京都民にとって中央線というのは本当にすぐ止まってしまう線だというのが常識になっていますが、その理由として線路に飛び込んで自殺する人が多いなどという話もよく聞きます。
方角が鬼門に当たるとかいった説もあるくらいですし、列車を機関車トーマスみたいなデザインにすれば自殺しようとする人がそれを見て思いとどまるのではないか、というおせっかいな提案が何かの雑誌に出ていたのも覚えています。

先日の大掛かりな工事の遅れでほとんど半日止まっていたり、その後にまた止まったりといったニュースを聞くにつけ、実は、自殺云々という話ではなく中央線に関連しているスタッフの人たちの様々な面での意識がものすごく甘いのではないか、という気がしてきました。

矢野顕子もカバーしたTHE BOOMの名曲「中央線」を聞くとものすごく素敵な路線という錯覚をしてしまいますけどね。

ちなみに私も一年ほど中央線沿線に住んでいた事があります。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
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