1966年制作のこの映画はオーネット・コールマンがこの映画のためにCD2枚分の音楽を録音して(チャパカ組曲)、結局不採用になった、ということで、存在を知っていましたが、今回初めて映画本体を見る事が出来ました。
これは、大傑作です。マジでヤバイです。ヤバすぎな映画です。
主人公が重度のドラッグ中毒、アルコール中毒になって療養所へ入所するも、症状は良くなるどころかどんどんひどくなって、結局見放されて療養所を去る、というストーリーですが、随所にドラッグによる幻覚を思わせる映像が不意に挿入され、映画を見ていてもどれが現実でどれが幻覚か分からなくなってしまいますし、そんなことはどうでもよくなるイメージのインパクトがものすごいです。
モノクロ映像が貴重となっているこの映画ですが、突然カラー映像が混入するインパクトもものすごいですし、時代を感じさせるチープな映像効果も最高です。
ウィリアム・バロウズが役者として出演しているのもものすごいですが、ほかにも伝説のミュージシャン、ムーンドッグなども一瞬だけですが出演しています。
オーネットの素晴らしい音楽をボツにして採用したのが、ラヴィ・シャンカールの音楽ですが、サイケデリックな映像とインド音楽の組み合わせという発想は実に素晴らしいです。
もし、オーネットのものをそのまま採用していたら、(オーネットの音楽の価値とは全然別の次元で)この映画の素晴らしさは半減したと思います。
幻覚のシーンでタブラの激しいリズムが鳴り響くところなど、見ているこちらもトリップしそうになります。
ちなみにラヴィ・シャンカールの音楽の写譜などのアシスタントをしていたのが若き日のフィリップ・グラス、おそらく彼のもっとも初期の公な仕事ではないかと思いますが、グラスも後に映画音楽のサントラで引っ張りだこになっているのも不思議な縁です。
そして、オーネットはこの映画の20年以上後にバロウズの「裸のランチ」の映画版のすばらしいサントラを提供していますが、これも実に不思議な因縁だと思います。


クレジットには音楽をボツにされたオーネット・コールマンが役者として出演していると、ありますが、一度見ただけではどこに出ているか全く分かりませんでした。
もう一度見てみるとほんの1秒ほどスクリーンの隅に2カットほどちらっと写っていました。
あれっと思った頃にはもう別のカットになっているので、巻き戻ししてもう一度確認しなければ分からないほどの一瞬です。
ここまでくると、ほとんど「ウォーリーを探せ」の世界です。。。