一般の人にとって、年末といえばベートーヴェンの「第九」ですが、わたしにとって「第九」は年末の風物詩には終わらない深遠な大傑作であり、そう軽々しく演奏するものではないと思っています。
私にとって年末といえばむしろヘンデルの「メサイア」です。私の母校では年末には第九ではなくメサイアを歌う伝統があったこともあり、この長大な曲の隅々までよく慣れ親しんでいるのです。様々な演奏スタイルによるメサイアを演奏したり聞いたりしましたが、ここではミンコフスキの演奏を紹介したいと思います。
かつて(もちろん今もですが)アーノンクールの演奏が過激と言われましたが、ミンコフスキはアーノンクールの過激さをさらに倍増させたような超過激でスリリングな演奏を聴かせます。
ごつごつしてとげとげしくて荒々しい、よくありがちな小奇麗で去勢されたような古楽器演奏のスタイルとは対極をなすエキサイティングな演奏で、その結果は現代的な感覚に満ちた「前衛的」なスタイルであるといっても過言ではないと思います。
テンポの設定一つ取っても有名な「ハレルヤ・コーラス」はまるで「かけっこ」が始まりそうな、過激なまでに速いテンポです。(実は楽譜にはAllegroと書いてあるので、重々しい演奏スタイルが恣意的ともいえますけど)
ミンコフスキはヘンデルのオペラもいくつか録音していますが、どれも非常に刺激的ですのでそちらの方も御一聴をお勧めします。


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