ジョー・ヘンダーソンによるジョビン追悼アルバムです。前半はブラジルのミュージシャン、後半はハービー・ハンコック、クリスチャン・マックブライド、ジャック・ディジョネットというジャズ界のスーパー・スター達によるユニットとの共演、という構図になっています。つまり、前半はジョビンのオリジナルに近いスタイル、後半は洗練されたジャズのスタイルでの演奏ということですが、ジョー・ヘンダーソンによる素晴らしいテナー・サックスの音色がうまく全体の雰囲気を統一しています。
音量を抑え、ヴィブラートを極力排した彼のメロディーの歌わせ方が実にクールで、このアルバムも「秋のボサノヴァ」と言っていいようなメランコリックなムードを醸し出しています。
前半の正統的なブラジル風のスタイルによる演奏ももちろん素晴らしいのですが、後半のジャズのスタイルへ解体された演奏もとても興味深いです。特にハービー・ハンコックの演奏がバッキング、ソロともに絶品で、タメの効いたフレージング、ビル・エヴァンスを思わせる耽美的なハーモニー、圧倒的なテクニックなど、彼の最良な部分が多いに発揮されています。
No More Bluesのピアノ・ソロのイントロなど実に美しいです。
超メジャーな作品ではないですが、個人的に大好きなLigiaが収録されているのも嬉しいです。


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