今年の仕事納めになります。ものすごく簡単に言うと私の今年の一年は公私共にダイナミックな動きのあった一年でした。多くの素晴らしい人に助けて頂いたり触発されたりもしました。月並みですが、来年もさらにダイナミックな展開を巻き起こせるように頑張っていきたいと思います。
2003年12月アーカイブ
ひさびさに本体のコンテンツを更新しました。11月に行った同志社大学でのシュトックハウゼンとケージ作品のコンサートのドキュメントを「シュトックハウゼン見聞録」にアップしています。
チャーリー・パーカーがヴァーヴ・レーベルに残した録音のマスター・テイクのみを集めた3枚組のボックスセットです。チャーリー・パーカーの今まで発売されていた多くのCDでは別テイクがマスター・テイクのあとにすぐ続いて収録されていたりして、同じ曲を何度も聴く事になってしまうという苦しい構成になっていました(さもなければ収録時間が極端に短くなってしまうという事情もありますけど)が、このようにマスター・テイクばかりを集めて多くのアルバムに分かれていた音源をまとめて聴ける、というのは非常に嬉しい企画です。
すべて1950年前後の録音ですがリマスタリングの素晴らしさもあって、チャーリー・パーカーのプレイはもちろん、ベースやドラムの細かい音までクリアーに聞こえるのも特筆すべきでしょう。
やや取り扱いにくいものの豪華な装丁もいいです。
ヴァーヴ・レーベルに遺した録音は小編成のコンボ、ビッグバンド、ストリングス、コーラスとの共演、ラテン・ジャズ風の演奏などと、様々なフォーマットが試みられていますが、これらの録音が適度にミックスされていることによって、通して聴くと適度に変化があり、この辺の演出も心憎いです。
個人的にはストリングスとの共演が気に入っています。
彼のバラードの演奏は本当に素晴らしいです。
「バード」と呼ばれた彼の素晴らしい演奏については多くの人が語り尽くしているので私がとやかく言う必要はありませんが、あのマイルス・デイヴィスが晩年まで尊敬し自伝にもさまざまなエピソードを綴っている(表面的な演奏スタイルではない)彼の音楽の精神はこれからも受け継いで行かなくてはなりません。
「マトリックス」の中でネオが手かざしで飛んでくる銃弾を止めてしまう非常に有名なシーンがありますが、このニュースは光を止めてしまったというものです。
もちろん手かざしで止めた訳ではありませんけど。。。(汗
ソースはこちら
この2枚組のアルバムはジョビンの60歳の誕生日を祝うために制作されました。彼のごく親しいミュージシャンとリラックスした雰囲気の中で録音された演奏なので気張った所が全くなく、彼の音楽の素晴らしさをストレートに楽しむことが出来ます。
ピアノ、ギター、フルート、チェロ、弦楽オーケストラ、女声コーラスといった彼の音楽の定番の音色がお約束通り揃っていて、超メジャーな曲から、レアな作品まで多彩な彼の作曲スタイルを味わうことが出来ます。
ジャケのデザインは全くいいとは思いませんし、変なボックス仕様のケースも扱いにくいこの上ない迷惑なつくりなのですが、ブックレットの写真はとても美しいです。
ジョビンの数あるアルバムの中ではあまり知られていないものだと思いますが、内容はとてもいいです。現在手に入りにくいようですが、ひとりでも多くの人に聴いてもらえればと思います。
ミニマル音楽の大家フィリップ・グラスもいまや何曲もの交響曲や映画のためのサントラを手がける売れっ子作曲家になってきました。初期の彼の作品に見られた音楽史的にも重要な役割を、彼の近作に見つけることは出来ませんが、何十年間もひたすらワンパターンなアルペジオ、スケール、コード進行(場合によっては作品そのもの)を様々な楽器編成、シチュエーションで使い倒すことによってのみ個々の作品の差異が形作られる、という状況はある意味究極のミニマリストといえるかもしれません。という訳で、作曲上のシチュエーション(どういう映画のために作曲するか、どのようなアンサンブルのために作曲するか)が彼の作品の出来、不出来を大きく作用することになっているのですが、このアルバムは彼の音楽にとって最高のシチュエーションだったといえます。
SF映画のサントラとして作曲されましたが、アンサンブルの編成はアナログ・シンセを中心としたものになっていて、そうした状況がこのアルバムのサウンドを非常に(人力ですが)テクノ的なものにしています。しばしば辟易してしまう彼特有のワンパターンなアルペジオなどの音形も、シンセが中心のアンサンブルになると非常にエキサイティングなものになりますし、浮遊感に富んだコード進行や複調的な響きもややワイルドなシンセの音色にマッチしています。
時折このアンサンブルに加わるソプラノ・ヴォイスもとても効果的で、まさに宇宙的といってもいい広がりを与えています。
銀座にオープンしたアップル・ストアへ行ってきました。
本当に銀座のど真ん中にでかでかと鎮座していました。
秋葉原のマック専門店などと違って客層もオシャレで洗練された人たちが多かったです。
もちろんアップル直営店だけあって店内もものすごくハイセンスな作りになっています。
4階にiMacが何十台も置いてあって自由にネットサーフィンやメールチェックできるようになっているのも良いです。
一番気に入ったのはエレベーターなんですが(笑)、近未来的な独特の作りになっていて思わず何度も乗りたくなります。
びっくりしたのは店内の活気です。
日曜の午後というのもあったのですが、本当に店内は人で溢れかえっていて、手厚く配置された店員が忙しそうに積極している姿が印象的でした。
外国人のお客さんもかなりいました。
ともかく、マックユーザーってこんなにたくさんいたのね、と再認識するほどの盛況でした。
チャーリー・ヘイデンとケニー・バロンのこの密やかで美しいアルバムを、私のように我が家の至宝にしている人はきっと多いことだと思います。もちろん、チャーリー・ヘイデンのデュオにハズレはないというのは定説になっていますが、このアルバムは数ある彼のデュオ・アルバムの中でもトップ・クラスの完成度を持っていると思います。ヘイデンのゆったりとしたビートにのってケニー・バロンのピアノが変幻自在の音色を操る様は魔法のようです。ビル・エヴァンスの有名なWaltz for Debbyのライヴ盤の様にまわりで微かに皿やグラスの音が鳴っているところもこのライヴの雰囲気をうまく伝えています。
昨年このデュオが東京のブルーノートに来たので行ってみましたが、このCDの世界が目の前に現れたような夢の世界が待っていました。しかも、私が座った席はチャーリー・ヘイデンの真っ正面、手を伸ばせば彼と握手できそうな勢いのかぶりつきの場所で彼の包み込むような暖かいベースの音色を堪能しました。
モンテヴェルディのマドリガルの中でもこの第4巻はもっとも感情表出の強い音楽でないかと私は考えます。ルネサンス風の5声のアカペラアンサンブルですが、至る所にバロック的な音形があらわれるなど、両者の時代の作風が錯綜しています。ジェズアルドのような強烈な転調はないものの、当時としては非常に大胆な和声が多用されていたりテクスチュアが急激に変化したりしていて、聴き所が本当に沢山あります。そしてConcerto Italianoの純度の高いハーモニーを維持しつつもこの曲集を貫く官能的な要素を大胆に表現する演奏は見事というしかありません。
このアルバムを聴いていると、うまく言葉で表現できないのですが、「天国と地上の中間の響き」というのはこんな感じかな、と思ったりします。おぼろげなイメージでこれ以上具体的に説明できないのが歯がゆいですけど。。。


