2004年5月アーカイブ

本日、御茶ノ水の某楽器店でなかなかいい音のなる小さなゴングを発見し、値段も手ごろだったのでゲットしました。打楽器のメーカーはそれほど詳しくありませんが、家に帰ってから調べてみると結構有名な会社のものだということが判明しました。歌い手であるのにもかかわらず、色々な小物系打楽器のコレクションが形成されつつあります。口琴、カリンバなどは複数個持っていたりします。フレクサトーン、ラチェットなどもある種の曲では「使える」素材になりうるのです。

シュトックハウゼン・ヲタクの私としてはゴングとなればいろいろな素材で叩いたりひっかいたりして「ミクロフォニーごっこ」に興じたりしています(汗

そして、お部屋のインテリアとしても最高。

シュトックハウゼン出版より「日曜日」の第2場「天使の行進 ENGEL-PROZESSIONEN」が発売されました。ア・カペラ合唱によるまさに天使的な美しさを湛えた曲です。
スケッチ(典型的なシュトックハウゼンのスケッチのスタイルです)をそのまま使った無骨なジャケがなかなかいいです。
HOCH-ZEITENはミキシングに時間がかかってまだまだのようなので、とりあえず今春のシュトックハウゼン新譜ラッシュはこれで一段落でしょう。

シュトックハウゼン出版>http://www.stockhausen.org/whats_new.html

coverまず、このジャケットがなかなかセクシーで良いですね。スーパーモデルだから当たり前といえば、当たり前ですが。。。それで肝心な内容ですが、とても良いです。イタリア人ですけど、歌は全部フランス語、ギターの弾き語りに若干の楽器を加えたシンプルなバッキングもとても美しいです。声はハスキー系の低めの声で、耳元でささやくような歌い方がなんともエロいです。この毒々しいエロの感覚はゲンスブールに通じる物があるな、と思っていたら彼の曲も1曲歌ってます。そして、この声がぐっと前に出てくるミキシングも絶妙です。ということで、ゲンスブール好きな人ならきっと気に入る1枚だと思います。

楽譜の作成ソフトとしては非常に有名かつ高機能で、シュトックハウゼン出版をはじめ様々な楽譜出版社でも使用されているFINALEがようやくMac OS Xに対応してヴァージョンアップしました。
今までは、カーボン化すらされていなかったのでクラシックモードでこのソフトを立ち上げる必要があったのですが、クラシックモードってはっきりいって見た目が統一感がないのでなんか気持ち悪いし、MIDI機能に制約があったりと、問題だらけだったのですが、ようやくまともな環境で楽譜の作成が出来ます。

以前はイラストレーターもフォトショップもOS Xに対応していなかったのが、次々と対応を果たし、最近ではクラシックモードを使うのはフィナーレを使う時のみ、という寂しい状況だったので、とても嬉しく思います。

早速インストールしてちょこっといじってみましたが、当たり前のことながらOS Xで使えるというのは便利です。ヒラギノなどの美しいフォントも使えるし、フィナーレを持っていない人のためにPDFにしてメールなどで送れる、というのはとても便利です。(以前はプリントアウトして現物を送るしかありませんでした)

公式サイト>http://www.cameo.co.jp/finale/

Sachiko M、中村としまる、大友良英、というこの3人の名前を知っている人なら、このアルバムの音がどのようなものになるか、おおよそ予想がつくと思います。
サイン波、接触不良のような断片的なノイズ、ターンテーブルの針音、などの微細な音が点描的に組み合わされていくのですが、バラバラに点在している、というよりは格子状に整然と並べられているような、でも周期的なリズムに基づいている訳ではない、非常に不思議な構成感を持っています。
非常に抽象的な音素材のみを使用しているのにもかかわらず、プチプチといったノイズの間の取り方が京都の庭園の構成感を想起させたり、重なり合うサイン波の音が笙の音色とのつながりを感じたりと妙に日本的(でも無意識でしょうけど)なのも興味深いです。そんなことを考えると秋の虫の声の電子音楽版、などという喩えも思い浮かんできます。

以下のサイトで試聴などができます。
http://www.erstwhilerecords.com/catalog/042.asp

先月の私のリサイタルの批評が「音楽の友」6月号187ページに載っています。畑中良輔氏によるかなり好意的な文章で大変光栄に思います。

ほんの少しだけ引用します。
「前衛作品の卓越した把握力と歌唱力、同時に演技力も加えて、独特のパーソナリティを持ったバリトンの登場を今後も注目したい。」

ご興味のある方は是非ご覧になって下さい。

ジャズの好きな人なら知らない人はいない、ジャズ・ドラムの巨匠エルヴィン・ジョーンズが亡くなったそうです。慎んでご冥福をお祈り致します。

>>ソース

以前このweblogで掲載していた「『光』の概要」を単独のhtmlファイルにまとめてアップロードし直しました。なお、その際に「日曜日」関連のCD情報なども最新のものに修正していますので興味のある方はチェックして下さい。

こちらからどうぞ。

以前からアナウンスのあった次のCDが出荷されています。

CD 69 DÜFTE – ZEICHEN / SCENTS – SIGNS (4th scene of SUNDAY from LIGHT)
for 7 vocalists, boy’s voice, synthesizer
25 €

CD 70 9 SCENTS OF THE WEEK (from SCENTS – SIGNS for 7 vocalists, boy’s
voice, synthesizer)
23 €

早速シュトックハウゼン出版に「シリウス」8枚組など最近出た新譜とまとめてオーダーのメールを出したら、来週には「天使の行進」も発売されるとの情報を得ました。

「日曜日」の楽曲はどれも非常に美しい音楽なので、CDが届くのが楽しみです。

>>シュトックハウゼン出版

公開当初から賛否両論の沸き起こる大きな反響を呼んだこの映画を見ました。
イエス・キリストの受難の物語は聖書を通じて多くの人の知る物語ですし、特に私自身はバッハの受難曲などの演奏を何度もやっていることもあり、この物語の詳細を以前からよく知っていました。
そういう訳で映画を見る前からストーリーが分かっているだけでなく、次にこの人がこういうセリフを言うな、ということまで分かってしまうほど内容をよく知っているのに、これほどのショックを受けてしまう映画であるとは思いもよりませんでした。

セリフは当時の人の話していたアラム語とラテン語で話されるというこだわり、登場人物の風貌、建物など徹底的に当時の雰囲気を忠実に再現し、物語も基本的に聖書のストーリーをそのまま追っています。そして、公開当初から物議を醸し出したのがイエスへの残虐な暴力シーンですが、これは本当に壮絶でした。捕まった途端にいきなりぼこぼこに殴られて片目が開かない状態になってますし(そのまま映画の最後までそのままです)、執拗に繰り返される鞭打ちのシーンも目を覆わんばかりの壮絶さです。ただの鞭だけでなく先に特殊な針のような物のついた鞭でも容赦なく繰り返し打ち続け、最終的に全身を埋め尽くす痛々しい傷の生々しさ、そうした状態で自分がかけられることになる重い十字架を担いでゴルゴタの丘へ登っていく苦しさが、ここまで厳しいものだったのかと、強く再認識させられました。
聖書の表現は非常に簡素ですし、当時の生活様式も分からないので、このように時代考証に徹底的にこだわって映像化することには大きな意味があると思います。
そして最後の十字架のシーン。。。。分かっているつもりでしたが磔刑というものがここまで残虐なものであるのか、と痛感しました。手に足に釘を打たれ、十字架を立てる前に表に裏に何度も倒され、ぼろぼろになった揚げ句に高い丘の上に醜い姿をさらされる屈辱と肉体的な苦痛のリアリティはあの映像を見ないと理解できないでしょう。
そして、そうしたリンチともいうべき残虐の限りを尽くした迫害者のために祈りましょう、という言葉をイエスが発する訳ですが、あの暴力的な映像を敢えて提示することによって、かえって彼の偽物でない深い愛が浮き立ってくるしかけになっています。

少なくとも私にとってこの受難の物語に対する理解が一気に深まったと思うし、今後受難曲のような作品を歌っていく時の姿勢というものも少なからず変わっていくと思います。

ほとんどの部分に関しては極めて卓越した作品だと思いますが、若干の不満もあります。
まず、ところどころに登場してくるサタン、なかなかそれっぽい雰囲気を醸し出していますが、この映画にこの役が必要だったのかやや疑問に残ります。
あと、イエスが死んで十字架から下ろされる感動的な場面のあとに、エピローグ風につづくイエスの復活のシーン、この1分ほどのシーンがこの映画の価値を大きく下げていると思います。受難の描写が本当に卓越していたために、この復活の描写の陳腐さにがっくりしていしまいます。
どうせやるならこの復活の場面も聖書のストーリーの通りに展開して欲しかったと思いますが、これはさすがに映像化は困難でしょうし、うまく映像化したとしてもB級SF映画のようになってしまうことでしょう。

公式サイトはこちら

本日は東京都現代美術館で開催中のオノ・ヨーコ展に行ってきました。オノ・ヨーコの音楽的な活動については多数のアルバムや生のライヴを体験することによってよく知っていましたが、より広い意味でのアーティストとしての側面は今日まで文献を通じて知るのみでしたから、今日の体験は非常に貴重なものとなりました。文献だけ読むと彼女の作品のコンセプチュアルな面ばかりがどうしてもクローズ・アップされがちですが、実際に作品に接してみるとどれも非常に詩的な雰囲気をたたえていて、心が真っ白になるような不思議な力を持っているのに驚きました。特に東京だけでの展示になる「モーニング・ビームズ」これは必見です。朝日の光をイメージしたような天井から床に張り巡らされた複数の白いロープだけで出来たシンプル且つ巨大な作品ですけど、ものすごく心に訴えかけるものがあります。沢山の棺から木が生えている「エクス・イット」も非常に感動的です。時々小さい棺があって子供用の棺なのかな、などとはっとさせる仕掛けもあります。こうした近作でも、作品自体は非常にシンプルな作りで、見る人がそこから様々なイマジネーションを喚起させるようにうまく考えてあって、これは初期のフルクサス的な作品からの一貫性を感じさせます。
ジョン・レノンの逸話もあって、伝説となった梯子に上って虫眼鏡をのぞくと「YES」と書いてある作品も展示されていましたが、こちらは作品が古くなっているという理由で実際に梯子へのぼることができなかったのが残念。
貴重だと思ったのが「カット・ピース」の実演の映像記録や「フライ」などの映像作品がじっくりと見られたことです。「フライ」は人の裸体の上を動き回るハエの様子を超クローズ・アップでひたすら捉える作品ですが、その映像に合わせてオノ・ヨーコ自身のア・カペラのヴォイス・パフォーマンスの録音が重ねられますが、この組み合わせが絶妙です。ずっと見てると、そのオノ・ヨーコの発する超音波ヴォイスがハエの鳴き声のように聞えてくるのです。これ、DVDとかでたら、私は絶対買います。

もちろん有名なWAR IS OVERもあります。
このメッセージが未だに有効であるのがちょっと悲しいですけど。。

実はそんなに期待してなかったのですが、めちゃくちゃ感動してしまいました。

公式サイトはこちらからどうぞ。

色々なことが中途半端なまま、コンテンツを増やすというのもいい加減な話なのですが「声の領域」(仮題)と称して、様々な特種唱法をリストアップしていくページを作ろうかな、と漠然と考えています。様々な声の音色の可能性を多くの人に知ってもらうことで、特に作曲家で何か声を使った作品を作ろうとしている人のための何かの参考になれば、そしてそのことによって私のような現代作品を歌っていきたい歌手のレパートリーの拡大につながれば、と考えこのような計画を思いついた次第です。個人的には、一部の作曲家を除いて、声の使い方の感覚はベルクの「ヴォツェック」や「ルル」からそれほど進化していないように感じます。
声ほど多様な音色、表情を表現できる楽器はないのに、そこにあまり着目されていないのはとてももったいないと思いこのような構想を思いつきました。

coverケント・ナガノによるシェーンベルクの「ヤコブの梯子」が出ました。カップリングは合唱の難曲「地に平和」ですが、オーケストラ版とオリジナルのア・カペラ合唱版の2種類を収録しているところが特徴です。この曲のオーケストラ版は、作曲当時の合唱団のレベルではこの難曲をア・カペラで歌うことが非常に困難だったので音程の補佐的な意味合いで合唱をサポートする目的で作曲された訳ですから、ここでの演奏のようにそのオーケストラ・パートのみを演奏することは作曲者の意図とは全く外れているのですが、これはこれでなかなか面白いです。合唱の方もかなり演奏レベルは高いと思いますが、合唱団としてのサウンドの透明度がやや足りないのが惜しいところです。
メインの「ヤコブの梯子」ですが、演奏をざっと聞いただけなので何とも言えませんが、こちらもかなり素晴らしい演奏と言っても良いと思います。実はケント・ナガノとシェーンベルクの相性はものすごくいいのでは、と思います。シェーンベルク作品特有の音色の繊細さと透明さが演奏、録音の両面からうまく出ているのも好感が持てます。
シェーンベルクの作品の中で、大曲の割にマイナーな位置にあると思っていたこの曲も、気が付けば、ブーレーズ、ギーレン、秋山、インバル、ナガノと録音の数も増えてきました。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

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