シュトックハウゼンの新譜CDを大量にオーダーしておいたものが先日届きました。異常に到着が遅いな(ほとんど2ヶ月)、と思っていたらエアメール料金も支払ったにも関わらず船便で送られていました。その旨カティンカにメールをしたら平謝り状態でしたが、この浮いた35ユーロをキュルテンの売店で買う時に割り引いてもらうようにお願いしました。
今回購入したものの内、特に「日曜日」からの2場面、「Engel-Prozessionen」「Düfte-Zeichen」のCDの音楽と録音の完成度の高さには大きな感銘を受けました。
ア・カペラの合唱のためのEngel-Prozessionenは演奏会場内を動き回る7群のコーラスと客席を取り囲むように配置されピアニシモで持続和音を歌うトゥッティ・コーラスで構成され、これをステレオでミックスするのはほとんど不可能ですが、通常の合唱曲の録音では非常識ともいえる独特のミックスを施しこの問題を解決しています。「水曜日」の「世界議会」での精緻きわまりない合唱書法も素晴らしかったですが、この作品ではそれを上回る複雑さと美しさを味わうことが出来ます。この作品で見られる全パートが細かい音形で軽やかに動き回りますが、その自由さは声楽の限界を越えて精密な器楽合奏を聞いているような感じになります。
ちなみに背景でかすかに演奏されるピアニシモのトゥッティ・コーラスはそれだけをよく聞くことが出来るように、このパートだけを抜き出したミックスがもう一枚のCDに収録されていますが、これも実に美しいです。
Düfte-Zeichenは全曲が名曲の「日曜日」の中でもとりわけ音楽の美しさと神秘性において群を抜く出来栄えだと思います。
7人の歌手とボーイソプラノ、シンセサイザーというシンプルな編成ですがそれぞれの歌手のソロやデュエットなどでの巧みなメロディーの取り扱い方、基本的に持続和音をのばすだけのシンセパートが時折奏する星の煌めきや流れ星を思わせるようなシンプルで且つ効果的な合いの手など円熟の境地に達した作曲家ならではの味わい深い音楽を堪能することが出来ます。
特にこの作品の後半になって登場するアルトとボーイ・ソプラノのデュオ、それをいろどる6人の歌手によるシュティムングなども思い起こさせるハーモニーは絶品です。