2004年7月アーカイブ

「シュトックハウゼン見聞録」にHoch-Zeitenの記事を追加しました。この記事を書くに当たって昨年のコンポジション・セミナーのテキストや20ユーロという破格値で販売されていたこの曲の巨大なスコアの学習用コピー(去年の時点では正規の楽譜がまだ出版されていなかったのです) を引っ張り出して改めてこの作品の素晴らしさを実感しました。キュルテンに行ってまずはこの曲のCDを買わなくてはなりません。

ともかくこれで昨年の講習会のレポートようやく完結です。そして一週間後には今年の講習会がスタートしているはずです。
それにしても締め切り効果ってすごいですね。
半年以上何も書けなかったものが、締め切りを意識した途端に1ヶ月弱で一気に完成させられるのですから。。。

シュトックハウゼンの新譜CDを大量にオーダーしておいたものが先日届きました。異常に到着が遅いな(ほとんど2ヶ月)、と思っていたらエアメール料金も支払ったにも関わらず船便で送られていました。その旨カティンカにメールをしたら平謝り状態でしたが、この浮いた35ユーロをキュルテンの売店で買う時に割り引いてもらうようにお願いしました。

今回購入したものの内、特に「日曜日」からの2場面、「Engel-Prozessionen」「Düfte-Zeichen」のCDの音楽と録音の完成度の高さには大きな感銘を受けました。

ア・カペラの合唱のためのEngel-Prozessionenは演奏会場内を動き回る7群のコーラスと客席を取り囲むように配置されピアニシモで持続和音を歌うトゥッティ・コーラスで構成され、これをステレオでミックスするのはほとんど不可能ですが、通常の合唱曲の録音では非常識ともいえる独特のミックスを施しこの問題を解決しています。「水曜日」の「世界議会」での精緻きわまりない合唱書法も素晴らしかったですが、この作品ではそれを上回る複雑さと美しさを味わうことが出来ます。この作品で見られる全パートが細かい音形で軽やかに動き回りますが、その自由さは声楽の限界を越えて精密な器楽合奏を聞いているような感じになります。
ちなみに背景でかすかに演奏されるピアニシモのトゥッティ・コーラスはそれだけをよく聞くことが出来るように、このパートだけを抜き出したミックスがもう一枚のCDに収録されていますが、これも実に美しいです。

Düfte-Zeichenは全曲が名曲の「日曜日」の中でもとりわけ音楽の美しさと神秘性において群を抜く出来栄えだと思います。
7人の歌手とボーイソプラノ、シンセサイザーというシンプルな編成ですがそれぞれの歌手のソロやデュエットなどでの巧みなメロディーの取り扱い方、基本的に持続和音をのばすだけのシンセパートが時折奏する星の煌めきや流れ星を思わせるようなシンプルで且つ効果的な合いの手など円熟の境地に達した作曲家ならではの味わい深い音楽を堪能することが出来ます。
特にこの作品の後半になって登場するアルトとボーイ・ソプラノのデュオ、それをいろどる6人の歌手によるシュティムングなども思い起こさせるハーモニーは絶品です。

この書店の本店がよく行く仕事場の近くにあったのでよく立ち寄ってました。アート関係の書籍が充実していてとても好きな書店だったのですが営業中止というのはとても残念です。

ソースはこちら

待望のHOCH-ZEITENのCDが発売されました。とりあえず合唱とオーケストラ両方が同時に演奏するヴァージョンからです。

あと、昨年のシュトックハウゼン講習会のレポートに「カレ」「祈り」を追加しました。「写真別館」にもこっそり新しい写真をアップしています。

macci.jpgこの名作オペラのの2枚目のアルバムがECMより発売されました。初演されてからそれほど立たない前衛的なオペラの録音がもはや2種類発売されるというのも驚きですが、大オーケストラも歌手も非常に特殊な演奏法を要求されるなど、演奏に対しての高いハードルを考えるとこの驚きもさらに増幅されます。今回のECMのアルバムにはTokyo Fassung 2000という注釈も付けられていますが、私も参加させて頂いた日本初演で試みられた演奏法がこの録音でも試みられています。この作品の中には「2つの感情」という独立した作品としても上演可能な語り手とアンサンブルのための作品が挿入されますが、日本初演にあたってレオナルド・ダ・ヴィンチのテキストを日本語に訳し俳優に朗読させながら、あたらしい音楽(とはいえ5つのフェルマータで演奏される断片的な音響ですが)がそこに加えられました。この録音では語りの部分はオリジナルの「2つの感情」のドイツ語をバラバラに分解したような「語り」がラッヘンマン自身によって演奏され、この5つのフェルマータが重ねて演奏されています。

そうした細部はともかく個人的には以前から出ていたKAIROSレーベルのものよりもこちらのECMの録音の方が格段に素晴らしいと思いました。KAIROSのものはライヴ録音なのでやはりこうした繊細で複雑な響きの音楽を録音するには限界があるし、実際音像もやや平面的な感じがしましたが、ECMの方はセッション録音で音質もよりクリアーで広がりの感じられる音場感も気持ちいいし実演で聴く感じにより近いと思います。
ラッヘンマンの音楽の最大の特徴である特殊唱法、特殊奏法は結果的には様々なホワイト・ノイズ的な音響を生み出すための手段として用いられていますが歌手の発する子音ノイズが楽器の特殊奏法で生み出されるノイズにつながったり、その逆になったりすることにより器楽と声楽、言葉と抽象的な音楽が相互浸透する興味深い効果を生み出します。
実はこうしたことって50年前にシュトックハウゼンが「少年の歌」で実現してしまってますが、ラッヘンマンの響きはよりノイズ的音響への偏愛が見られます。
したがって大オーケストラを使っている割には響きは意外にストイックですけれども、細やかなノイズ的音響の処理はとても興味深いです。そして、それがこの「マッチ売りの少女」の物語の基調となる非常に寒い気候を象徴してもいます。

個人的には、シュトックハウゼンの「光」の諸作の足下にも及ばないと感じますが、それでも20世紀後半のオペラの名曲であると言い切っても差し支えないと思います。

7月24日にいよいよiPod mini日本発売だそうです。
5GBだと私のニーズには全然足りませんけど、思わず買ってしまいたくなる秀逸なデザインはソニーは太刀打ちできませんね。
http://www.apple.co.jp/ipodmini/

音楽やっている人というのは基本的に朝が苦手で午前中は演奏どころか、ほとんど身動きも取れないという人は少なくありませんし、私も決して朝は得意ではないのですが、大学に出講する日は朝一の授業のためにものすごい早起きをしなくてはならないのと、最近6時を過ぎた頃から暑くなって寝てられない、というのもあって、勝手にサマータイムやってます。いつもより1時間早く寝ていつもより早く起きるというだけで社会生活はそのままの時間なのですが、やってみるとこれがなかなか良いのです。午後から仕事の時の午前中って結局だらだら過ごすことも多いのですが、一時間早く起きることでだらだらしているだけだと時間が余りすぎるので、知らず知らずのうちに午前中のうちにちょっとした雑用が片づいてしまうのです。今朝などもメールをチェックしたりネットでニュースを見たり、というだけでなく、依頼されていた原稿などを書いたりHPの更新までやり、さらに部屋の掃除を少しして歌の練習までやってまだ時間が余っているので、こうやってweblogを書いていたりするのです。日本もサマータイム導入するといいと思うんですけどどうなんでしょうね。

ところで、昨年のシュトックハウゼン講習会のレポート久々にアップしました。毎度のことですが、急がないと今年の講習会が始まってしまうので、否が応でも急ピッチで更新することになると思います。

シュトックハウゼン講習会2003年レポート:「ティアクライス」「カプリコーン」

2003.jpg

随分と遅くなってしまいましたが昨年の講習会での私の演奏写真、ニコラス・イシャーウッドやシュトックハウゼンとのリハーサル風景の写真をアップしました。上の写真がそのページへのリンクになっていますので写真をクリックしてみて下さい。

coverアンチCCCD宣言をしたことでも話題になったTHE BOOMの新譜です。THE BOOMの所属先がCCCD化を率先して進めている極悪企業東芝EMIだけにこうした姿勢はとても評価できると思います。もちろんこのアルバムも非CCCDの通常のCDです。ここに収められている曲はミディアム・テンポの楽曲が中心で、始め聴いた時はちょっと地味かも、と思いましたが、聞き込むほどに味わい深さが滲み出てくる好アルバムです。いわゆる「売れ線」を狙わない真摯な音楽作りにも好感が持てますし、宮沢和史の相変わらず「良い奴」度の高い詞も健在です。彼の書く詞って一歩間違うと偽善者になりそうな程、あまりにもピュアなのですがその詞を歌う彼の歌声を聴いていると、ああ、彼は本気でそう思ってるな、というのがよく分かります。THE BOOMというとどうしても「島唄」ばかりが話題になりますが、それ以外にも珠玉の名曲が沢山あるので、多くの人に聴いて欲しいと思います。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
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