ベルリオーズ = R.シュトラウス:管弦楽法

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kangengaku.jpgクラシックの作曲家の方々で、これを読んでいなければモグリであろう名著、ベルリオーズ、シュトラウスによる「管弦楽法」の邦訳が出版されました。この著作の存在はずっと前から知っていたものの、邦訳本出版を期に遅まきながら読んでみました。
この本は基本的にオーケストラの楽器の用法を説明したものですから、オーケストラ曲を書いてみようと思う作曲家の人のための「参考書」の意味合いが一番大きいとは思うのですが、深く音楽を楽しみたい愛好家の人にとっても非常に楽しめる本だと思います。
ワーグナーへの愛情がひしひしと感じられるシュトラウスの加筆部分も興味深いのですが、当時の楽器の機能(特に管楽器)や音楽事情が垣間見られるベルリオーズの書いた部分は非常に面白いです。
同時代の二流作曲家のひどいオーケストレーションを具体的な楽器法を挙げて非難している部分の辛辣さも面白いですが、無能な指揮者、オーケストラ奏者などを徹底的にこき下ろしている記述は痛快そのものです。
無能で年老いた合唱指揮者が速いテンポの曲を振ってもすぐに老化した体の血液の循環になじむ中庸のテンポに落ち込んでしまう、などの記述からは情景がありありと浮かんできます。
オペラでよくある舞台裏の合唱団への指揮は、現代ではTVモニターを使って簡単に出来ますが、そのようなもののなかった当時は特殊な機会でテンポを伝えようとしたという話などものっています。

特筆すべきは「声楽」という一章が設けてあるところでしょう。
音域や、フレーズと演奏しやすさの関係などの詳細な記述は、声楽家である私の目で読んでも非常に的を得ていて、大いに感心しました。
フランスやイタリアの合唱曲でソプラノを2声に分けアルトを欠く書法がありますが、その辺の事情もよく分かりました。

ちなみにI氏による昨日初演された新作オペラでは、やってはいけない、とこの本で釘を刺されている劣悪な声楽書法に満ち溢れていたりするのですが、、、(汗

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コメント(2)

>年老いた合唱指揮者が速いテンポの曲を振ってもすぐに老化した体の血液の循環になじむ中庸のテンポに落ち込んでしまう

カール・べームが晩年に振ったモツレクのもの凄く遅いテンポもその辺でしょうか。

ちなみに、バーンスタイン晩年のモツレクも激遅ですね。

演出家に言われたことが気に入らないという個人的な理由で、オペラの本番で突然とんでもないテンポで振って歌い手を苦しめるTという指揮者もいるようですが。

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