シェーンベルク「今日から明日へ」

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h-m.jpgシェーンベルクのオペラ「今日から明日へ」を映画化したもののDVDです。シェーンベルクのオペラといえばどうしても「モーゼとアロン」ばかりが注目されがちですが、このDVDを見ると「今日から明日へ」も中々捨てたものではないな、と思えるのではないでしょうか?1幕ものの1時間ほどのオペラで内容も夫婦のちょっとした喧嘩を取り扱った軽い内容ですが、音楽はシェーンベルクらしい充実したもので、最初はこうしたストーリーを12音技法を使って作曲する必要があるのか、とやや疑問だったのが、最後の4重唱では思わず唸ってしまうまでに音楽に引き込まれてしまいました。ちなみに演奏はギーレン指揮による非常にしっかりとしたものです。(同一演奏者によるCDも出ていますが、テイクは異なっていると思います。解説によると撮影しながら同時に演奏しているとの事。)
ストローブ=ユイレによるモノクロの映像も美しく、全編数台の固定したカメラのカットの交替だけで通すストイックな効果(つまり画面が動きません)が印象的です。カットが切り替わったら歌っている人ではなく椅子だけが写っているカットがあったり、4人で歌っているのに常に二人ずつしか映さなかったり、という、場面全体を見せない演出も、緊迫感を高めています。

付録として『アーノルト・シェーンベルクの《映画の一場面のための音楽》入門』という短篇がついていて、シェーンベルクをとりまく反ユダヤ主義との関わりが赤裸々につづられますが、「映画の一場面のための音楽」にどんな映像がついているか、という興味で見ると期待外れになるでしょう。この音楽も使われていますが、BGM以上の役割は果たしていません。

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コメント(3)

その『今日から明日へ』は数年前に東京国際映画祭で上映された時に見ました。ストローブ=ユイレの演出は一切の無駄なく、必要なものだけを過不足なく提示する、という姿勢で、普段の彼らの姿勢と全く同じでしたね。彼らはシェーンベルクには思い入れが強いようです。

CDはハンス・ロスバウト指揮の1958年オランダ・フェスティバルの実況(伊stradivarius)を中古店で見たことがありますが、音が悪そうだったのと、歌詞の意味がわからないという理由で見送りました。したがってご紹介くださったこのDVDには興味があります。

鈴木さん>
同じシェーンベルクの「モーゼとアロン」もDVDになっているようなので、こちらも是非見て見たいと思います。

nakanoさん>
CDだと本文中にもリンクをはっているギーレンのものが録音も新しくお薦め(というか、選択肢が他にはほとんどない)です。
DVDの音声は高音質なもののモノラルなので、音楽だけを聴きたくなればこのCDも必要になるかと思います。

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2012年2月29日19:00-
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中川俊郎(ピアノ)
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