Paul Motian on Broadway vol. 4

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broadway4.jpgポール・モチアンの"On Broadway"シリーズの第4作です。
第3作まではビル・フリーゼル(ギター)、ジョー・ロヴァーノ(サックス)、チャーリー・ヘイデン(ベース)による編成で浮遊感溢れる演奏を繰り広げていましたが、最新作の今作では一変して、クリス・ポッター(サックス)、ラリー・グレナディア(ベース)によるトリオを核とした編成になっています。アーティストのクレジットが「Paul Motian Trio 2000+One」となっていますが、このトリオに、曲によってレベッカ・マーティン(ヴォーカル)、菊地雅章(ピアノ)が交替で加わっての2種のカルテットによる演奏が交替する構成になっています。

スタンダードの名曲を高水準で独創的な演奏で聴かせるコンセプトは同じですが、編成が変わった分アルバムのカラーはこれまでのシリーズからガラッと変わりました。ピアノレスのトリオをバックにレベッカ・マーティンが歌う組み合わせは一見奇妙に感じられるものの、50〜60年代のモダン・ジャズを感じさせる正統的且つ創造的な演奏が秀逸です。クリス・ポッターの演奏も風格に満ちた充実したものですし、レベッカ・マーティンのクールな味わいのヴォーカルも心地よいです。(ポール・モチアンのリーダー作でヴォーカル入りなのは、私の記憶が正しければ今回が初だと思います)


一方、菊地雅章が加わったカルテットの演奏では、スタンダード・ナンバーのメロディーが抽象的に解体され、耽美的に歪んだハーモニーの中を漂う、レベッカ・マーティンの加わったトラックとは全く異なる雰囲気を醸し出しています。
菊地のピアノの枯れた音色と独特の「間」が相変わらず素晴らしいですが(そして例のうなり声もかなり入っています)、クリス・ポッターがこちらではフリー・ジャズ以降の現在進行形のスタイルで演奏しています。

ポール・モチアンの精密なモノクロ写真を思わせるドラムが素晴らしいのはもちろんですが、ラリー・グレナディアの重厚なベースがこのアルバムの価値を高める事に貢献しています。チャーリー・ヘイデンとは全く違った重厚さが、このブロードウェイ・シリーズに新たな彩りを添えています。

収録曲の作品の一部を以下に紹介しておきます。

The Last Dance
Tea For Two
Never Let Me Go
Everything Happens To Me
I Loves You Porgy
etc.

ちなみに「Trio 2000」というユニットのクレジットは「Trio 2000+One」というアルバムで既に使用されています。
ポール・モチアン(ドラム)、クリス・ポッター(サックス)、スティーヴ・スワロウ(ベース)というエレクトリック・ビバップ・バンドのメンバーによるトリオに、曲によってゲストの菊地雅章(ピアノ)、ラリー・グレナディア(ベース)のどちらかが加わる、今作と類似した編成でした(今回のアルバムで、スティーヴ・スワロウに代わってラリー・グレナディアが正メンバーに「昇格」したことになります)。
菊地とはゲイリー・ピーコックを加えたトリオ「テザード・ムーン」でも共演が長いですが、複数のプロジェクトが入り組む様は、ポール・モチアンの織物のような緻密で複雑なドラミングと相似形を成しているようです。

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コメント(2)

近年のクリス・ポッターの成長ぶりは、目を見張るものがありますね。

そうですね。
クリス・ポッターにしてもジョー・ロヴァーノにしても、ポール・モチアンは彼らの名前があまり知られていない頃から自分のバンドに起用してますよね。彼の先見の明には感心します。

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2012年2月29日19:00-
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出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
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■タリス:40声のモテット
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■松平敬 1stアルバム
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