7つのオペラからなる超大作『LICHT 光』を完成させたシュトックハウゼンの現在作曲中のプロジェクトは1日の24時間を音楽で表現した『KLANG 音』(2004-)である。24の作品から構成される予定であるが、現時点で判明している内容は以下のようになっている。
「1時間目:昇天 HIMMELFAHRT」(2004/05)ソプラノ、テノール、オルガンのために
(2005年5月ミラノ大聖堂で初演)
オルガン・パートは左右の手で同時に異なるテンポで演奏しなくてはならない。
オルガン・パートをシンセサイザーで置き換えた版もある。
リンク:公式ページ上の簡単な解説
「2時間目:喜び FREUDE」(2005) 2台のハープのために
(2006年6月ミラノ大聖堂で初演)
2人のハーピストは演奏しながら歌も歌う。歌詞は24行のVeni Creator Spiritusで各行がこの作品の24の音楽的モメントに対応している。
リンク:公式ページ上の簡単な解説
「3時間目:自然の持続時間 NATÜRLICHE DAUERN」(2005/06)ピアノのために
(2006年2月NYにて1曲目、2006年7月ドイツ、キュルテンにて2-15曲目を初演。
2007年7月リスボンにて16-24曲目を初演。)
ピアノの持続音の自然な減衰時間やピアニストの呼吸の長さなどに基づいた非メトロノーム的テンポでリズムが決められ、それ自体が24の作品から構成される。
「4時間目:天国への扉 HIMMELS-TÜR」(2005)打楽器奏者と子供のために
(2006年6月イタリア、ルーゴで初演)
6つの異なる素材でできた木のドアを打楽器奏者が様々な方法で叩き続ける異色作。
「5時間目:ハーモニー HARMONIEN」フルートまたはバス・クラリネットのために
(2007年7月ドイツ、キュルテンにて初演)
管楽器の広音域にまたがる素早いアルペッジョの加速や減速によってメロディーとハーモニーの領域をつなぐ。
「6時間目:宇宙の脈動 COSMIC PULSES」電子音楽
(2007年5月ローマにて初演)
24層のパルス風(ただししばしばテンポの変化を伴う)のメロディーのループが8チャンネルの空間で複雑に重なりうごめく強烈な電子音楽。
「7時間目:バランス BALANCE」バス・クラリネット、イングリッシュ・ホルン、フルートのために
(2008年8月ケルンにて初演予定)
「10時間目:輝き GLANZ」ファゴット、ヴィオラ、クラリネット、トランペット、トロンボーン、オーボエ、チューバのために
(2008年アムステルダムにて初演予定)
私がシュトックハウゼンから直接聞いた話によると「楽園の窓」「天国への階段」といったタイトルの作品を予定しているとのこと。
「シリウス」(1年の12ヶ月)、「光」(1週間の7日)、「KLANG」(1日の24時間)と作曲してきたシュトックハウゼンの来たるべきプロジェクトは「1時間」に関する作品となる予定である。それも完成したら題材が「1分」「1秒」と瞬間に向かってどんどん小さくなっていくのだとか。
[リンク]
KLANGについての作曲者自身のコメント
2006年のシュトックハウゼン講習会での1時間目〜4時間目の演奏について