2006年10月アーカイブ

先日注文したFREUDEのCDが到着しました。
現金をエアメールに忍び込ませるのも成功した模様です。

2台ハープのこの美しい作品ですが、美しい録音でまさに至福の時間が過ごせます。
キュルテンで聴いた時よりもリバーブが深めにミックスされていますが、初演されたミラノの大聖堂の響きをイメージしているのでしょう。
弦の1本1本の響きまでもクリアーに捉えられていてアルペッジョやグリッサンドで音が広がる感じが絶品です。

この曲のみの収録なので40分と短めの収録時間になっていますが、長くて無内容なアルバムよりははるかに価値があるといえるでしょう。

idea319.jpg雑誌「アイデア」最新号は、我が故郷宇和島が誇る世界的な奇才アーティスト大竹伸朗の特集です。
とはいえ、宇和島の人がどれだけこの人の存在を認識しているかはよく分かりません(宇和島で個展をやったというような話は少なくとも聞きません)。東京生れなのに、わざわざ宇和島という芸術の中心地とは決していえない(「世界の中心」ではあったらしいですが。。)場所へ引越して作品を作りそれを世界に発信するというのもなかなか「パンク」なものがありますが、作品自体も非常にパンクなものです。

今回の「アイデア」での特集は彼の「切り張り」作品を集めたものですが100ページを超える充実したものでこれ自体が彼の作品である、ともいえるような壮絶な内容になっています。偏狭的なまでの切り張り作業の末に完成された作品をさらにコラージュしたような内容ですが、情報過多にして猥雑な香りの立ちこめる彼の作品についてあれこれ言う文章力は私にはありません。

puzzoo.jpgこれまた奇才のボアダムズのEYEと組んだデュオPUZZOOのCDもついでに紹介しておきましょう。
美術の分野で行っていた切り張り作業を音楽でやったような内容ですが、全く関係のない雑多な音響やリズムが無造作に重ね合わされているのにも関わらず、曼荼羅を思わせるような宇宙的な調和が取れていて、同時にポップでユル〜イ感じも併せ持っています。

遂にシュトックハウゼンの新プロジェクト「KLANG」からの音源が発売です。
今回出たのは2時間目の「FREUDE 喜び」です。
2台ハープのためのシュトックハウゼンにしては異色の編成の作品ですが、この美しい作品がどのように録音されているのか興味津々です。

http://www.stockhausen.org/whats_new.html

このCD番号は84ですが、「モメンテ」新録音が80、「プンクテ」新録音が81、おそらくKLANG1時間目が83だと思われるので欠けている82に何が来るのか気になるところです。
MIXTUR 2003か「グルッペン」や「カレ」の新録音あたりではと予測していますが。。。
(最近別会社より発売された「グルッペン」のライヴ録音以外にも何種類かの作曲者監修の演奏による良好なライヴ録音が存在していますし、「カレ」も旧録音では省略されていたパートも含んだ完全版による同様のライヴ録音が存在しています)

[追記]
カティンカにCDリリースの予定を問い合わせてみました。

11月中 CD86 HIMMELS-TÜR(まさに今ミキシング中だそうです)
12月中 CD83 HIMMELFAHRT(来週の週末よりミキシングを開始するそうです)
来年2月 CD82 ミキシングは12月になるようです。
収録曲は
QUITT, BASSETTSU, KOMET (Stuart Gerber版12月録音予定), TRUMPETENT,
MICHAELs RUF, SYNTHI-FOU (Antonio版)
と多彩な小品が収められるとのことです。

mileskike.jpg私がまだまだマイルス・デイヴィス初心者だったころこの本の「初期ヴァージョン」を参考にアルバムをコツコツと集めていたものですが、強烈な表紙に魅かれて久々にこの本を手に取ってみると内容のあまりの変貌ぶりにびっくりしました。
私がお世話になっていたのは多分Ver.2かVer.3だと思いますが、その頃と違い今や辞典級の分厚さへと成長しています。

収録アルバム数473枚というヴォリュームがものすごいですが、そのうち公式盤は100枚程度、残りはすべてブート盤という異常な比率もこの新ヴァージョンの価値を高めています。

よく知られているようにプロデューサーのテオ・マセロが巧みに膨大なスタジオ、ライヴ音源を編集し一つのアルバム・パッケージへまとめていて、それはそれ自体で1つの芸術品なのですが、マイルスの真骨頂はライヴにあるといえます。
特に60年代半ば以降、全ての曲をはっきり完結させずメドレー形式で繋いでいくようになってからは、一回のライヴ全体が一つの大きな作品のように扱われている訳で、それを無編集の状態で丸ごと聴くというのは大きな意味があります。
ライヴにこそ彼の音楽の本質があるとも言えます。

特に70年代は演奏される曲のテーマがメロディーというよりはモチーフ的断片までに制約されていて、それがロックやファンクを下敷きにした曼荼羅状のリズムの上で抽象的に展開されるので、公式盤での大幅に編集された状態だと、なぜそこでそういうフレーズになるのかという音楽の連関が分かりにくくなっているのです。

当時のLPフォーマットの制約もあり、そうした長大なライヴを全部収めるのは無理だったのですが、現在に至っても本来のライヴのスタイルで聴けるのはほんの少し、マイルスの半世紀にわたる多彩な活動を考えるとお寒い限りです。

そこでブート盤の登場となる訳ですが、種類が本当に多く音質、演奏内容も玉石混交、どれから聴いていいのやら全く分かりませんが、そこでこの「マイルスを聴け!」が出番となる訳です。
それぞれの盤の曲目、演奏メンバーはもちろん、音質や演奏内容に関しても分かりやすく記述されているので、どれから聴けばいいか当たりをつけるのに非常に便利ですし、すでに持っているものに関しても、中山氏はこういう風に考えているんだ、などと自分の感覚との共通点、相違点を比べるのも楽しいです。

最近のブート盤を聴いて思うのですが、公式盤なみの高音質なものも多くパッケージも洗練されてきて以前のいかがわしい雰囲気が少なくなってきています。
中山氏も本書のなかで書いているように、ブート盤のクオリティがどんどん上がっているのに対して、オフィシャル盤として出される各種ボックスセットの内容があまりにも貧弱、というのはうなずけます。
未発表ライヴをまとめてボックス化したようなものは嬉しいのですが、バラ売りで手に入るアルバムの音源に申し訳程度に別テイクや未発表トラックを足しただけのボックス・セットも多いのです。

imagine_yoko.jpgこの本はオノ・ヨーコの様々な作品の写真や短文を収めたもので装丁も奇麗でそれ自身楽しめるものですが、むしろポイントはおまけのDVDです。

オノ・ヨーコの映像作品の収められたこのDVDの内容は以下の通りです。

Film No. 4 (Bottoms)
Film No. 13 Fly

どちらも7分間の抜粋ですが非常に面白い映像で、このために本体の本を買っても良いくらいです。

Film No. 4 (Bottoms)は多くの人のお尻のアップ映像ばかりをひたすら繋ぎ足したものですが、どアップにすることによってよく分からない物体がゆらゆら動くユーモラスな作品になっています。

特にオススメなのがFilm No. 13 Flyです。
女性の裸体の表面を動き回る蝿をやはりどアップで撮影したものですが、蝿が画面に大きく映し出されるほどのアップなので女性の体はもはや皮膚や体毛ではなく、砂漠や森のように見えます。そしてサウンド・トラックはオノ・ヨーコのヴォイス・パフォーマンスですが、彼女の声があたかも蝿の鳴き声のように聞こえる効果があまりにも絶品です。
これは是非とも全編見てみたいものです。

私はこの商品を表参道のナディッフで購入しましたが、以下の出版元から直接購入することも可能です。
BAKHALL

[注意:上品な方向けのネタではありません]

カルトな方面で非常に有名なつボイノリオの2作品がiTunes Storeに登場しました。
「インカ帝国の成立」は放送禁止処分を受けた実績もあり、(多分)CD化すらされていない幻の迷曲です。
なぜレアなのかは下のリンクで試聴をすればすぐ分かるかと思いますが・・・

もう一曲は「金太の大冒険」を始めとする、つボイ氏の名作をチープなディスコ風メドレーにまとめたものです。

インカ帝国の成立
つボイノリオ - インカ帝国の成立 - Single - インカ帝国の成立

KINTA-MA XIM-MIX
つボイノリオ - KINTA-MA XIM-MIX - Single - KINTA MA-XIM MIX

ま、お下品といってしまえばそれまでなのですが、この手の物は私が4月に演奏したモーツァルトのカノンなどにもある訳で、音楽にそうした言葉が組み合わされることによる奇妙な効果は時代を超えた普遍性を持っているのでしょう。そしてそうした方向性は湯浅譲二氏の言葉と音響、コミュニケーションの繋がりについて追求した一連の作品にも結びつくのではないか、と自己を正当化しておきます。

そういえば「インカ帝国」でも連呼されているあの言葉を多国語だけでひたすら歌い続ける、タン・ドゥンの声楽曲がNHK FMで訂正無しで放送された、という話を思い出しました(私は未聴なのですが)。
曲名は失念しました。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
amazon.co.jp
iTunes

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