ONE9(1991) 笙ソロ
TWO3(1991) 笙と巻き貝の貝殻
TWO4(1991) 笙とヴァイオリン
これらの作品は上のCD及びDVD-Audio(ジャケットをクリックするとamazonに飛びます)で聴くことができますが、作品間の関係が少し複雑です。
ONE9とTWO3の笙パートは同一です。TWO3はONE9の笙パートに水を入れた巻き貝の貝殻のパートを加えたもので、巻き貝を動かすことによって意図せず生じる水のゴボッという音が本当に忘れた頃に(10分に一度くらい)笙のハーモニーに一瞬だけ加わります。そしてこの二つの作品は10のパートから構成されていて、全部を演奏すると2時間かかります。
非常に長い演奏時間ですが、沈黙の中から立ち上がる笙の時間を超越した無意図的で神秘的なハーモニーを聞くのは案外楽しいものです。
ONE9はさらに、オーケストラ作品である「108」(1991)と同時演奏が可能となっています(さらにこの「108」は特殊なチェロ独奏のためのONE8との同時演奏も可能です)。「108」の演奏時間は43分30秒(「4分33秒」のパロディだと思います)なのでONE9のパートの一部のみを演奏するのでしょう(スコアを見たことがないので厳密にチェックはしていません)。
「108」は108人のオーケストラ奏者が指揮者の代わりに設置されたテレビ・モニターの時計を見ながらそれぞれのパートを勝手に演奏する作品ですが、音素材としては弱音の長い持続音が中心(時折短い、より強い音も加わります)でこれが108個重なることによって得も言われぬ繊細なハーモニーが立ち上がるのですが、ここに笙ソロのONE9が加わると、笙のハーモニーがオーケストラのハーモニーへ滲み出るような効果が生まれます。この同時演奏による版は上の左の方のCDで聴けます。
TWO4は笙のハーモニーにヴァイオリンの弱音の持続音が重なる作品で、ヴァイオリン・パートは微分音も含みます。ヴァイオリンと笙は一見何の繋がりも無いように見えますが、ヴァイオリンが弱音の持続音で演奏することで、これら二つの楽器の音色が絶妙に重なり合います。ちなみにこの作品の笙のパートはピアノでも演奏可能です。
右のアルバムはDVD AudioでTWO3、TWO4と巻き貝の貝殻を複数使ったInlets(1977)を加えて、笙と貝殻の2つを主人公とした作品集となっていますが、こちらはiTunes Storeでもわずか1500円で購入可能です(以下バナーがリンクとなっています)。この他、ケージのナンバー・ピースはさりげなくiTunes Storeでたくさん発売されたりしています。
![]()




コメントする