「お正月」アナリーゼ

| コメント(2)

あけましておめでとうございます。
さて、お正月らしい話題から。

昨日のエントリーでも紹介したレゲエ風「お正月」ですが、どんな曲でもレゲエのリズムを乗せれば様になる訳ではないのです。そういう意味でも「お正月」とレゲエがピッタリと合うのは奇跡的といっても良いと思います。

一応もう一度、恥ずかしくて自分で失笑してしまう録音のリンクを張っておきます。
http://matsudaira-takashi.jp/sounds/oshogatsu.mp3

その原因を考えてみると、お正月のフレーズ構造、リズム構造に秘密がありそうだということが分かりました。
まず、レゲエのリズムにフィットするためには、あの刻みのリズムとコントラストを成す周期のフレーズが必要で、簡単に言うとフレーズのあまりに短い曲はこのリズムに合いません。
かといって、フレーズ構造が単純すぎてもつまらないので、時折フレーズが伸び縮みすることによる変化も重要です。

それで、この「お正月」ですが、童謡で典型的な同じリズム、フレーズの繰り返しに留まらない工夫が感じられます。

まず初めの「もういくつねると お正月」のリズム構造は8分音符を単位とすると4-2-1-1-2-2-4-2-2-2-2-6となっていて4小節のフレーズを作ります。4分の4拍子で4小節というのは童謡というジャンルではかなり長い部類に入ります。そして前半2小節の4-2-1-1-2-2-4(もういくつねると)というリズム構造はほぼシンメトリーになっていて、その結果として出てくる音価の収縮、拡大の変化が、続くフレーズの4分音符の繰り返し(お正月)と対比を形作ります。この部分だけでもレゲエのリズムに合う要素を持っているのですが、さらにその次のフレーズがレゲエ的に「おいしい」構造になっています。

次の「お正月には凧上げて」のリズム構造は1-1-1-1-1-1-2-1-1-1-1-2となりフレーズは2小節に縮まります。4分音符が支配的だった初めのフレーズに比べて、ここではその半分の音価の8分音符が支配的となり、フレーズも4小節から2小節へ半減します。つまり、やや大袈裟に言えばフレーズごとテープの早回しのように圧縮された、ということになります。さらに、8分音符で喋るようなメロディーのパターンはレゲエでもよく見られるもので相性は抜群です。

そしてこの2小節のフレーズとほぼ同じ構造がもう一度繰り返され、最後に初めの4小節フレーズが戻ってくることによって、A4-B2-B2-A4(数字は小節数)という全体の構成が完成されます。
ちなみに、本題からそれますが、A-B-B-Aという構成はちょっと珍しいと思います。A-A-B-AとかA-A-B-Cといった「起承転結」的な構成が一般的だからです。

そして、メロディー構造ですが、多くの童謡と同様、ペンタトニックで出来ていて、これもレゲエの音楽性とぴったりです。
ついでにメロディーのラインも分析してみると、初めと最後のフレーズはほぼ同一のメロディーで、主音から第5音に上行し再び主音に戻ってくる構造、真ん中の2つのフレーズは、どちらも、下行→上行というラインを描きますが、2つ合わせて主音から第5音へ下行しオクターヴ上の第5音へ上行していくラインを描き、両側のフレーズの山型のメロディー・ラインとうまくコントラストを作っています。

ちなみに和声進行は原曲のままではレゲエのリズムにうまく合わないので、録音に際して若干のリハモナイズをしています。
後で気が付いたのですが、ベース・パートはかなり低い音域の倍音の少ない音色を使っているため、パソコンの小さなスピーカーではそのパートは再生できないかもしれません。我が家のPowerBookの内蔵スピーカーではベース・パートを削ったリミックスのように聞こえました。

←前の記事:レゲエなお正月
→次の記事:シュトックハウゼンCDガイド更新

コメント(2)

あけましておめでとうございます♪

お正月とレゲエ、合ってますね笑

ダラダラ感もピッタリだと思います。

大学では少しずつですが、自分の成長を実感できています。

今こうして勉強できるのも、先生のおかげです。

これからも頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

シバテルさん>
あけましておめでとうございます。

正月くらいはあの録音のように「ダラダラ」したいものです。
(第二の)大学生活を謳歌しているのは、いつもの日記からよく伝わってきます。
本当の勝負は大学を卒業してから。
その時のために今は沢山のことを吸収して下さい。

コメントする

アーカイブ

OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 4.26

2012年2月

Sun   Mon   Tue   Wed   Thu   Fri   Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29      

その他のブログ記事

おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
amazon.co.jp
iTunes

サイト内リンク