2008年9月アーカイブ

昨日の演奏会、「バベルの声」は満席のお客様をお迎えして無事に終わることが出来ました。ご来場ありがとうございます。

ケージとルシエ作品では、音響をお願いした有馬さんの豊富な経験、技術力、アイデアのお陰で、とても立体的な音響をお聞かせ出来たのではないかと自負しています。

日本における音響詩演奏の第一人者、足立智美氏が最前列中央に鎮座している状況でursonateを演奏するのは冷や汗ものでしたが(笑)、その状況が演奏のテンションを引き上げる結果になったかもしれません。
ちなみに足立氏の企画によるケージ作品演奏の企画も10月に予定されていますので、そちらもご来場頂ければと思います。

音楽の複数次元2008~ケージとウォルフ~ vol.1 『凶暴なるケージ』

早速、演奏会の感想を書いて下さっている方もいらっしゃいますが、以下のサイトでの詳細な記事は演奏者としてもとても興味深いものですので紹介しておきます。

闇に響くノクターン「声による表現の最先端を聴く」

昨日は、明日の本番(WINDS CAFE)で音響を担当して頂く有馬氏と、打ち合わせや簡単なリハーサルをしました。

こちらは、生演奏と同時に演奏する録音音源の音量や音色バランスを客観的に取ってもらう程度のつもりでしたが、様々なこだわりやアイデアを提示してもらったので、きっと素晴らしい音響が期待できるのではないでしょうか。

それが影響してか、起床前に見ていた夢は、Dの付近で鳴り続けるサイン波に自分の声を重ねて、うまく唸るとか唸らないとか試行錯誤している夢でした。
正確には、視覚的印象の全くない夢なので「聴いた夢」というのが正確な表現ですが。

ちなみになぜD音かというと、今回演奏するルシエのサイン波の音源はD音のユニゾンから始まり、最後にD音へ収束して行くからです。

ということで明日の本番ご来場をお待ちしております。

参考記事:曲目の紹介

ちょっと前のニュースですが、サンシャインの水族館からコアリクイが脱走したニュースをきっかけにコアリクイが軽くマイブームになっています。

好物のアボガドを仕掛けておいたら、そこに寄ってきて、見つけた所名前を呼んだら反応した、という顛末も微笑ましいです。

という訳でコアリクイをグーグルでイメージ検索したらなかなか素敵なことになっていました。
こちら(↓)をクリック
http://images.google.com/images?client=safari&rls=ja-jp&q=コアリクイ&ie=UTF-8&oe=UTF-8&um=1&sa=N&tab=wi

ついでにコアリクイが近づくナマケモノに威嚇の仕草をする動画も見つけましたが、コアリクイVSナマケモノ、脱力系の組み合わせですね。

本番まであと1週間を切ったWINDS CAFE。
そこで演奏する曲目について簡単に紹介しておきたいと思います。

まずは、コンサートの基本情報から。

WINDS CAFE 141《バベルの声》
2008年9月28日(日)13:30開演16:00〜パーティ+オークション
@四谷・カノンホール
入場無料(投げ銭方式)
声:松平 敬、音響:有馬 純寿

主催者website: WINDS CAFE

一部の作品での音響関係を急遽、有馬純寿氏にお手伝い頂くことになりました。
実は私がご一緒するのは初めてですが、この分野での名手ですので楽しみにしています。

以下、曲目紹介です。

・グレゴリオ聖歌「Ave Maria」「Ave maris stella」「Salve Regina」

聖母マリアを讚える3つの有名な聖歌です。
本来は合唱で演奏されるべきですが、あえて無伴奏独唱曲として演奏します。
1000年を越えて歌い継がれる名旋律は、歌い込めば歌い込むほど味が出てきます。

・カーゲル「バベルへの塔」

旧約聖書のバベルの塔のエピソードを描いた歌詞に曲をつけた無伴奏のメロディーです。
18の異なる言語への翻訳に18の異なるメロディーを付けることにより、バベルの塔での言語の混乱を音楽的に表現しています。言語の選択、順序は演奏家に委ねられていますが、今回は、ヘブライ語、英語、日本語、スワヒリ語、ハンガリー語、イタリア語を歌います。
奇しくも追悼演奏となってしまいました。

・ケージ「FOUR6

ケージ最晩年の作品です。いわゆるナンバー・ピースと呼ばれる一連の作品群の一曲ですが、この作品の大きな特徴は楽器編成が全く指定されていないことです。
4人の各演奏者は12のサウンドを選び、指定された時間枠でこれらのサウンドを演奏します。五線譜によるピッチの指定はなくサウンドの番号をあらわす1〜12のみの数字が記譜されています。
第1奏者はライヴで演奏しますが、第2〜4奏者のパートは録音音源の再生となります。
それぞれ12種類の、サイン波、クラシック曲のSP時代の録音、環境音を選択しました。

・ルシエ「バリトンと正弦波のための音楽」

CDに録音されたゆっくりとピッチを変化させる2声のサイン波とバリトンの唸りがテーマとなった作品です。数年前にも演奏しましたが、より完成度の高い演奏を目指したいと思います。

・シュヴィッターズ「ursonate」

言わずとしれた、音響詩の古典的名作。演奏時間30分ほどの大作の全曲演奏に初めてチャレンジします。
延々と早口言葉が続くような箇所も慣れてくると快感になってきます。


コンサートの後にパーティー、オークションも開催されます。
飲み物や食べ物など、パーティー用の差し入れ大歓迎です。

作曲家のマウリシオ・カーゲル氏が昨日76歳で亡くなったようです。
ソース

カーゲルの作品は、今月28日のWINDS CAFEで「バベルへの塔」を演奏予定でした。
奇しくもこれが追悼演奏となってしまいます。

もうすぐ(イタリア時間の今晩)、ボローニャでシュトックハウゼンの遺作TIERKREISのオーケストラ版が世界初演されます。
(オリヴァー・ナッセン指揮、Orchestra Mozart at the Teatro Manzoni in Bologna)
厳密に言うと、この中の天秤座から山羊座の「5つの星座」(2003)はすでに世界各地で再演を重ねているので、完全に世界初演となるのは水瓶座から双子座までを含む「続・5つの星座」(2007)となります(蟹座と獅子座は未作曲の模様)。
以前にもお知らせしていますが、この中の「双子座」はシュトックハウゼンの亡くなる前夜に完成したまさに「辞世の句」となります。

先日のシュトックハウゼン追悼演奏会のプログラムや写真をカティンカに送ったところ、そのお礼のメールとともに今回の世界初演のリハなどの模様についても教えてもらったので、ここでも紹介します。

様々な国籍をもつ極めて若いメンバーによるオーケストラによる仕上がりは非常によく(カティンカの表現では「exceptionally good」)、一緒にリハーサルをやるのが彼女にとってもとても楽しいようです。
今回世界初演となる「続・5つの星座」の部分は非常に美しく感動的な音楽に仕上がっているとのことです(この5曲だけで20分の演奏時間(通常のヴァージョンだと12曲全曲で26〜30分)というのが個人的に興味をひきます)。
特に「牡牛座」でテューバ・ソロが大活躍するところが(カティンカの表現では「like a tuba concertino」)聞き物のようです。
作品表によると同時期に「牡牛座」のみのファゴット・ソロ版(おそらく未初演)というのがあるので、このアレンジと関連があるのかもしれません。

本日のゲネプロと本番を録音し、おそらくそれが正式なCDのための音源として使える見込みとのことです。
カティンカには珍しい興奮気味の文面から、相当に仕上がりが良いことが期待されます。発売が楽しみです。

jacojaco.jpg私の地元宇和島にこんな迷曲があるとは不覚にも知りませんでした。

その名も宇和島の名産品「じゃこ天」を歌った「宇和島じゃこ天の歌」。
宇和島には、市内でもっとも大きなお祭の和霊大祭の時の盆踊りソングとしての「宇和島音頭」や若者向けの「ガイヤ・オン・ザ・ロード」(作詞・作曲:宇崎竜童)などが知られていますが、この曲は完全にノーマークでした。

愛好家の方が作った曲、ということですが、それ故の脱力具合、良い意味でのチープさがかなりツボに入りました。
「およげたいやきくん」をパクったようなジャケット(左)のセンスも秀逸です。

ラテン風の浮ついた曲調にあわせて「じゃっこ、じゃっこー」という絶妙に力の抜けた掛け声がブレンドする様が最高です。

音源(部分)はこちらをどうぞ。
歌詞はこちらにあります。

CDの注文方法などはこちらをご覧下さい。

12日金曜日の「シュトックハウゼン追悼演奏会」お陰様で沢山の皆様にご予約頂いております。
座席数50名の会場ですが、残席が少なくなっております。
立ち見も若干可能なようですが、50名のご予約を越えた場合は座席に座れない可能性がありますので、お早めのご予約をお薦めします。

ご予約はこちらのフォームよりどうぞ。

プログラム等、演奏会の詳細はこちらをご覧下さい。

ケルンでシュトックハウゼンの遺作KLANG9時間目《希望 HOFFNUNG》が初演されましたが、その演奏に先立ってカティンカ・パスヴェールによって行われた講演の様子が公式HPにアップされています。

http://www.stockhausen.org/intro_HOFFNUNG_kathinka.pdf

KLANGに関していくつか興味深い内容のものがあったので、(補足も加え)簡単に列挙しておきます。

・KLANGのテーマである1日の24時間は、日常生活での24時間というよりは、むしろ精神的な象徴として描かれる。

・KLANGの24曲が完成した時には、24曲が同時に異なる場所(同じ建物でなくてもよい)で演奏されることが可能だ(地球レベルで見れば1日の24時間は同時に存在している)。

・4時間目《天国への扉》の最後で、天国への扉が開いた後、この連作は新しい領域に入る。
KLANGのための24音セリーの転回形を基礎として5時間目《ハーモニー》が作曲され、その素材をもとに6〜12時間目が作曲された。これらはすべて異なる編成の三重奏のために作曲されている(10時間目のみ三重奏に加えて、挿入句的に4人の補助的な奏者が加わる)。これらの三重奏のキャラクターの違いが、「コントラスト」ではなく「類似性」によって描かれる。これらのタイトルはすべて高貴なことばから取られている(天国への扉が開いたままなので)。
13時間目《宇宙の脈動》で24層の電子音楽が登場することで連作に新しい展開が生じる。
ここではセリーは再び原形に戻る。
14〜21時間目はこの13時間目の電子音楽に基づく作品で、だんだん音域が上昇するように並んでいる。
21時間目はフルートと電子音楽のための《楽園》。
このグループを宇宙旅行に喩えれば、《楽園》が旅の目的地と言えるだろう。
この「昇天」のような展開は、すでに1時間目《昇天》で予告されている。

・KLANGの完成されなかった22〜24時間目に関する具体的なスケッチは存在していないが、21というフィボナッチ数列に含まれている数字で終わっている点(偶然であるが《祈り》のフォルメルは21の部分に分かれている)、現時点で完成している部分でのまとまりの良さから、完成された連作と見なしても良い(とカティンカは考えている)。

・シュトックハウゼンは、花火大会で最後に大量の花火が打ち上げられるような展開ではなく、高貴で本質的なものに収束するような終わり方を好んでいた。
KLANGの初期のスケッチでは、この連作の各作品が1〜3名の小編成+電子音楽のための作品になることが書かれていた。実際、10時間目以外はそのような編成になっている。

12日の演奏会の曲順が決まりましたのでお知らせします。
ご参考までにおおよその演奏時間もお知らせしておきます。

シュピラールでの短波ラジオの音声に基づく即興演奏も、かなり勘を取り戻してきました。
即興演奏といっても、かなり「縛り」があるので、指示の通りに演奏するのはかなり大変なのです。
あとは、当日の受信状況が良いかどうかです。

予約もまだ可能ですが、門仲天井ホールは座席数50の小さな会場ですので、お早めにどうぞ。
ご予約はこちらからお願いします。


7つの日の歌【日本初演】(9分)
バリトン:松平 敬

友情に(15分)
サクソフォーン:白井 奈緒美


ティアクライス (十二宮) より 天秤座・蠍座・射手座(8分)
ソプラノ:工藤 あかね


舌先の踊り (9分)
ピッコロ:井原 和子、ダンサー:森川 次朗


〜〜〜〜〜休憩〜〜〜〜〜

シュピラール (15分)
声、短波ラジオ:松平 敬


ピアノ曲 X (27分)
  ピアノ:保都 玲子

katarimono.jpg作曲家・鈴木治行氏の新作CDです。鈴木氏の作品は昨年の双子座三重奏団のライヴで《蛇行》という異様な作品を初演させてもらいました。バリトンの歌う歌詞が、作曲のコンセプトを解説する自己言及的な面白さを狙っていましたが、このCDで収められている作品は歌ではなく語りがメインで、そこに2〜4人の器楽アンサンブル(声を含むものもあり)や様々な(リュック・フェラーリの影響を思わせる)録音音源が絡みます。

器楽アンサンブルが、語られる内容を音楽化したようなパッセージを演奏したかと思うと、アンサンブルの演奏する部分の楽曲解説を語りが行ったり、と意味性の図と地が絶えず揺れ動くような不思議なコンセプトが、作品ごとに異なるアイデアのもので展開されます。
演奏の背景のように環境音の録音が再生されていたかと思うと、そのピッチがグリッサンドで上下し、その変化を楽器が模倣し始めるなど、異なった要素の図と地の反転が不意に起こるのもスリリングですし、語られる言葉と音楽の関連・無関連の遊びにも様々な仕掛けが施されています。

徹底的に無表情に語られる語りの声色と隙間だらけのアンサンブル部のテクスチュア、その隙間に「映写」される様々な環境音の全体が醸し出す音の雰囲気はラジオ・ドラマを思わせます。もともとはコンサートなどでの生演奏で演奏されていた作品も、このようにCDにまとめられると、はじめから「録音されたもの」として聴かれる前提で作曲されたように聴こえる効果が興味深いです。
iPodに入れて出先で聴くと、耳元に「変態的」な語りがささやきかけるのがとても気持ちよいです。

現代音楽界も、このような才能がもっと活躍できる雰囲気になると、もっと刺激的なものになるでしょう。

お薦めのアルバムです(ジャケット画像がamazonへのリンクになっています)。

anatatowa.jpgこのタイトルを見ただけで分かる人にはオチが分かってしまうと思いますが、疑似ライヒ効果は簡単にできるので、ちょちょちょいと作ってみました。

スティーヴ・ヲイヒ作曲:あなたとは違うんです

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
amazon.co.jp
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