圧倒的な情報量がぎっしりとおさめられた「日本の電子音楽」の増補改訂版が出版されました。もともと百科事典なみに分厚かったこの本が、さらに500ページ増やして1100ページを超える超大作となっています。
資料としてもっとも貴重なのは、日本の電子音楽の黎明期で中心的な役割を担った諸井誠氏へのインタビューが追加されたことでしょう。平石博一、三輪眞弘、鈴木治行各氏のインタビュー追加も嬉しいです。
個人的に興味深かったのが、鈴木治行氏がはじめて聴きにいった現代音楽のコンサートが国立劇場でのシュトックハウゼン《シリウス》日本初演の演奏会だったということです。
鈴木氏とは何度かご一緒していますが、そのような話を聞いた事がなかったのでちょっとびっくりしました。
ちなみにこの《シリウス》が日本で演奏されたときは、一番キャッチーなARIESの部分がまだ未完成だったり、スピーカーの品質の問題で作曲者の意図したとおりの音響が実現できなかったりと、不完全な部分が多かったようなので、いつか完全な形で再演されてほしいと思います。

