2009年6月アーカイブ

世間ではマイケル・ジャクソン死亡のニュースでもちきりですが、私にとってもっとショックだったのは〈東京の夏〉音楽祭が今年を最後に終了するというニュースです。

主催のアリオン音楽財団からのお知らせは以下のリンクをご覧下さい。

数々の先進的で視野の広い企画の中でも、私にとっては何と言っても、2005年のシュトックハウゼンの一連の来日公演の企画が思い出深いものでした。

今年も、日本の電子音楽の名作の数々をまとめて上演するなどの意欲的な企画があり、これから先の展開も期待していたのですが、今回のニュースは残念でなりません。

関係者の皆さまのご尽力に、拙文をもって心より感謝申し上げます。



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余談ですが、本日フランスより到着したリュック・フェラーリの10枚組CD、しっかりと梱包しているのはいいのですが、アンパンのように膨らんだいびつな包み方に思わず失笑しました。フランス人のセンスって。。。
サイトの引越しに伴い、当サイトの内容を少しずつ整理しています。
野暮ったいデザインでずっと気になっていたトップページのデザインをようやく直す事が出来ました。シンプルですが、すっきりとしたと思います。

トップページはこちらよりどうぞ。

これだけだと何なので、ついでに大坂城の写真もどうぞ。

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先日、いずみシンフォニエッタによって日本初演されたシュトックハウゼンの遺作《ティアクライス》オーケストラ版のプログラムノートを私が執筆したことは、すでにお知らせ済みですが、当日お越しになれなかった方のために、その時の原稿を以下に転載します。

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 20世紀後半を代表する作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンは、前衛音楽の旗手としてセリー音楽、電子音楽などの革新的な音楽概念を提示し続けた。その先鋭性とは裏腹に、一貫して神や宇宙との精神的つながりを意識し続けた彼の創作態度には、師のメシアンをはじめ、バッハやベートーヴェンらの伝統との連続性が感じられる。

 1974~75年に作曲された《ティアクライス(十二宮)》は、黄道十二宮をなす12の星座を、12のメロディーという「音のかたち」で表現した作品である。オルゴールで演奏されることを前提として作曲されたが、他のいかなる楽器、声の組み合わせでも演奏可能である。演奏時間約30秒の各メロディーはオルゴールさながら3~4回繰り返し演奏され、繰り返しの際、これらの旋律を様々な方法で提示することが演奏者に求められる。
 作曲者自身による版もいくつか作成されているが、本日演奏されるのは、最晩年に作曲されたオーケストラ版である。まず、2004年に〈乙女座〉から〈やぎ座〉までの5曲が作曲され《5つの星座》として初演された。2007年には〈水瓶座〉以降の残る7曲の作曲が進められていたが、同年12月、作曲者の突然の死により、5曲のみが遺された(この5曲は単独で《続・5つの星座》、10曲連続上演される時には《ティアクライス・オーケストラ版》というタイトルになる)。ちなみに、〈双子座〉はシュトックハウゼンが亡くなる前日の夜に完成された、まさに白鳥の歌だ。

 それぞれの星座のキャラクターの違いが、各メロディーの様々な属性と呼応するように作曲されているが、例えば、12のメロディーそれぞれの中心音は、上昇する半音階をなし、さらに各々が12の異なるテンポを持つように構想されている。そして、それぞれのメロディーは独自の12音の音高のセリーを骨格として作曲されている。この構造はあたかも、12の星からなる様々な形の星座が、円環状に12個並んでいるかのようだ。
 12音列と中心音の共存によって、これらのメロディーは調性でも無調でもない独特な響きを持ち、そこには「前衛作曲家シュトックハウゼン」の難解なイメージからかけ離れた親しみやすさが感じられる。

 2004年に書かれた部分は、オリジナルの構想に忠実に作曲され、オーケストラの扱いも一見保守的に感じられるが、メロディーの骨格音ごとに異なる楽器が点描的に重なり、かすかに音色を変化させるなど、旋律の構造を聞き取りやすくする工夫がみられる。5曲を通じて、すべての楽器が均等にメロディーを演奏できるように周到に計画され、1管編成という限定された音色のパレットから、楽器本来の持つ美しい音色の多彩な組み合わせを引き出すことがもくろまれている。一つの音響有機体として構成された、メロディーそのものの造形の面白さにも耳を傾けたい。

乙女座:フィボナッチ数列(≒黄金比)をリズム、和声構造に適用し、均整のとれた美をあらわす叙情的なメロディー。
天秤座:中心音のまわりを上下するメロディー・ラインは、天秤が揺れ動くようだ。
さそり座:サソリの動きを急速なグリッサンドと休符で表現する。
射手座:半人半馬のケンタウルスが天から駆け降り、また天に昇っていくようなリズミックな旋律。
やぎ座:全曲を貫く執拗な音程の繰り返しは、星の瞬きのようだ。


 2007年に書かれた後半5曲は、自ら定めた演奏指示から大きく逸脱する大胆なアプローチが特徴的であるが、あくまでも、それらのアイデアが星座のキャラクターに由来している所も重要である。
 ちなみに、前方に管楽器、後方に弦楽器を配する特殊な楽器配置もスコアに指定されている。
 
水瓶座:冬の寒さを表現したかのような神秘的な旋律が、リズムやテンポの「ずれ」を伴いつつ多層的に演奏される。
魚座:もともと2匹の小魚が並んで泳ぐかのような2声構造で作曲されているが、本版では異なる4つのテンポで同時に演奏されることにより、様々な大きさの8匹の魚が入り乱れるかのような8声の対位法へと拡大される。
おひつじ座:この星座の奔放な性格を表すかのように、オリジナルのメロディーの特定の部分の突然の極端な圧縮や拡大、短いフレーズの機械的な繰り返し、各フレーズの垂直的な重ね合わせによる入り組んだテクスチュアの形成、などの多彩なアイデアが目まぐるしく展開される。
おうし座:突如登場するソリストが奏でる重厚なサウンドは、まさに牡牛の様だ。名技的なソロ・パートだけでなく、管楽器群の極度に入り組んだテクスチュアも聴きどころ。
双子座:浮遊感のある軽やかなメロディーが、2つの楽器群で、フレーズごとに双子のように繰り返されながら演奏される。その背後に広がる弦楽器の静謐な持続和音の響きはシュトックハウゼンの死を予感させるようだ。
先日の低音デュオ2nd LIVEで初演をした拙作《¿æ?》の楽譜と初演の録音をアップしました。

楽譜(PDF)はこちら、音源(mp3)はこちらより、それぞれどうぞ。

アップした楽譜は自由に演奏して下さって結構ですが、万が一コンサートなどで演奏される場合はご一報頂けると幸いです。

以後、著作権で問題のないものの楽譜は折りをみてアップする予定です。
独自ドメイン取得にあたり、KLANG weblogは今後こちらのサーバで運営されます。
引き続き宜しくお願いします。

拙サイトTierkreisもこちらへ全面的に移転予定です。

昨日は、いずみシンフォニエッタによって日本初演の行われたシュトックハウゼンの遺作《ティアクライス》オーケストラ版を聴きに大阪まで行ってきました。

いずみホールの最寄り駅を降りると、駅周辺に「チケット買います」という紙をもってたっている若い女性がたくさんいて、シュトックハウゼンもこんなにポピュラーになったのか!と思ったら、近くの大坂城ホールで行われていた東方神起のファンでした(汗

今回はこの作品のプログラム・ノートを書いていたこともあり、ほとんど日本では知られていないシュトックハウゼンの晩年の作品がどのように演奏され、どのように聴衆に受け入れられるのか、とても不安でしたが、結果から言えば、極上とは言えないまでも、良心的な演奏によって作品のよさが聴衆に伝わったように感じました。私の解説文も作品理解にそれなりに役立っていたとしたら光栄です。

それはともかく、この未知の作品を思いきって取り上げて下さったいずみシンフォニエッタの意欲に、まずは拍手を送りたいです。

解説文を書くにあたってスコアを入念に研究しましたし、作曲者遺族の監修による演奏2種(放送音源)も何度も聴いて作品の事は知り尽くしていたので、演奏の細部でうまくいった場所も、うまくいかなかった場所も手に取るように分かりましたが、少なくとも作品のフォルムはかなりクリアーに再現され、様々な演奏指示(楽器配置など)もほぼスコア通りに再現されていました。

チラシを見た時に前半5曲と後半5曲が、プログラムの冒頭と最後に分かれて演奏されるように書いてあったのですが、これはおかしいと思い、いずみシンフォニエッタのプログラム・アドヴァイザーでもある川島素晴氏にも相談しつつ、最終的に、作曲者が意図したとおりの10曲とおして演奏する曲順に変更してもらいました。
そしてやはり、つなげて演奏する事により、作品としてのまとまりが感じられたと思います。

ちなみにこの日はNHKの収録が入っていました。8月上旬にNHK-FMで放送予定だそうです。


以下は、基本的に素晴らしい演奏だったことを前提としての、私なりの「かなり」細かい感想を、備忘録替わりに記しておきます。

昨晩の低音デュオ2ndライヴ、お陰様で満席のお客様をお迎えしての演奏となりました。
ご来場ありがとうございます。
(途中急病人が発生し、演奏が中断するアクシデントがありましたが、大事には至らなかったとの報告を受けています)
今回のライヴのために書き下ろしてもらった2曲の委嘱新作の反応も上々、とてもうれしく思います。

以下、もろもろ告知を。

早速ですが、明日は大阪にて、いずみシンフォニエッタによる、シュトックハウゼンの遺作《ティアクライス》(オーケストラ版)の演奏があります。

いずみシンフォニエッタ大阪第22回定期演奏会 
「星の彼方へ――追悼ドイツの2人の巨匠、シュトックハウゼンとカーゲル」
2009年6月13日(土)16:00
飯森範親(指揮)安藤史子(フルート)
いずみシンフォニエッタ大阪
■演奏曲目:
山根明季子:Dots Collection Ⅳ〔委嘱新作/世界初演〕
カーゲル:ザ・協奏曲〔日本初演〕
シュトックハウゼン:「ティアクライス」(オーケストラ版)〔日本初演〕

http://www.izumihall.co.jp/sin_shusai/kouen_n.html

私は、もちろん演奏には関係ありませんが、この日のコンサートのプログラム・ノートで、《ティアクライス》の曲目解説を担当しています。この晩年の美しい作品を、関西方面、そしてそれ以外の地方の方にも少しでも多く聴いて頂ければ、と思います。
私も、大阪へ出没予定です。

シュトックハウゼンといえば、8月末にNHK交響楽団によって演奏される《グルッペン》が話題になっていますが、その企画に関連して、昨秋私もパネリストをつとめたシンポジウム「シュトックハウゼン再考」の模様が同オケの機関誌「フィルハーモニー」に掲載されています。私の発言が収められているのは6月号になります。
5月号の内容は、この公演の企画をしているサントリー音楽財団のウェブサイトにすでにアップされています。6月号も追ってアップされると思います。
リンク:サントリー音楽財団 サマーフェスティバル


そして、来週6月17日、昨年参加した、高木正勝氏のプロジェクト「タイ・レイ・タイ・リオ」のライヴ音源をもとに制作された同名のCD(+文庫本)が発売されます。詳細は、以下の特設サイトをご覧下さい。記録写真、試聴音源など情報満載です。
リンク:Tai Rei Tei Rio特設サイト


月末6月27日には私の指導しているアマチュア合唱団の演奏会で、バッハ《マニフィカト》、ストラヴィンスキー《ミサ曲》のソリストとして歌います。

高津市民合唱団第17回定期演奏会
2009年6月27日(土)午後2時開演
ミューザ川崎シンフォニーホール
全席自由2000円(当日券2500円)
ストラヴィンスキー《ミサ曲》
バッハ《マニフィカト》
ペルト《ソルフェッジョ》
木下牧子《鴎》ほか

独唱:工藤あかね(ソプラノ)、加賀ひとみ(アルト)、鈴木准(テノール)、松平敬(バス)
管弦楽:横浜シンフォニエッタ ピアノ:藤井美紀
合唱:高津市民合唱団

チケット申込みは私の方でも受け付けています。こちらのフォームよりメールをどうぞ。


少し先の話になりますが、8月12日に80歳の誕生日を迎えられる湯浅譲二氏をお祝いするコンサートに出演します。

湯浅譲二バースデーコンサート
東京オペラシティ・リサイタルホール
2009/08/12(水)午後7時開演
出演:
大久保彩子(フルート)、佐藤佳子(ヴィオラ)、鈴木俊哉(リコーダー)、橋本晋哉(チューバ)、
藤田朗子(ピアノ)、松平敬(声)、山根孝司(クラリネット)、吉村七重(箏)、
ジョージ・ヴァン・ダム(ヴァイオリン)

曲目等詳細未定ですが、新しい情報は橋本晋哉氏のサイトをチェックして下さい。
昨日のプログラムにこの情報を記載していたのですが、曜日が間違っているとのご指摘がありましたので慎んで訂正します。

いよいよ、明日は低音デュオの本番です。

今回は、共演の橋本晋哉氏が5月下旬までラッヘンマンの難曲と格闘、その大舞台が終わって一気に低音デュオ・モードになると思いきや、橋本邸敷地内にて捨てられた小猫を発見、体調が良くないので世話に追われて、というハプニングがあったり、今回のライヴのために委嘱した新曲がどちらも予想を上回る力作で、短期間での譜読み&合わせが難航したりと冷や汗ものでしたが、気合いで何とか本番まで持ち込めそうです。

(あまりのピンチっぷりに、一週間前はパニック直前でした。。。)

何げに私の新作も演奏が難しかったりもしますが、簡単にネタバラシをしておきます。

今回は橋本氏がテューバ独奏でカーゲルの「Mirum」を演奏しますが、このタイトルはレクイエムのDier irae(怒りの日)の中の一節Tuba mirumから取られています。モーツァルトの「レクイエム」のバス独唱がトロンボーンに導かれる部分を思い起こす人も多いかと思います。
その演奏の前奏曲として作曲したのですが、内容を関連付けるために「dies irae」をテキストに用いた作品としました。ただし使われるテキストは「dies irae」のみ、このテキストを音素に解体し、カノン仕立てにしましたが、唱法にちょっとした仕掛けを施したり、シンプルなリズムからポリリズムが生まれるような構造をとっているので、楽譜の見た目に反して演奏はなかなか大変です。
ちなみにタイトルの「¿æ?」はdies iraeの最後のシラブルと、作品がシンメトリー構造になっていることを表すスペイン語風の疑問符を組み合わせたものです。

ついでに、今回の委嘱新作の簡単な紹介もしておきます。

田中吉史氏の「科学論文の形式によるデュオ」は、その名の通り(架空の)科学論文をテキストにしていて、バリトンとテューバの二人がその論文を発表する、というアイデアですが、とにかくリズムが大変で、アンサンブルの精度も求められる超難曲、演奏がうまくいくことを祈ります。

鈴木治行氏の「沼地の水」は、以前双子座三重奏団で委嘱した「蛇行」と共通する部分も多いです。そこでも見られた自己言及的なテキスト、音色やリズム構造などの瞬時の交替などがここでも見られますが、「蛇行」からもう一歩ひねった内容になっています。

神長貞行氏のDIGITAL BOXは松尾芭蕉の複数の俳句をテキストにした作品で、2年前に橋本氏と私で初演をしています。
今年80歳の誕生日を迎える湯浅譲二氏の「天気予報所見」は、橋本氏とはもう何度も演奏していますし、トランペットとのオリジナル版も曽我部清典氏との演奏を重ね、今回が(おそらく)9度目の演奏となります。感情表現とはおよそ無関係のサンフランシスコ地方の天気予報の記事に、無関係な音楽、感情表現、肉体表現を組み合わせた奇作、初めての方も何度かごらんになった方もそれぞれの視線で楽しんでいただければと思います。

ご予約はライヴ当日の午前7時まで受け付けます。
ご予約希望の方はteion2@me.comまでお名前、人数を明記の上メールをお送り下さい。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

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ご購入は以下まで:
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