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先日の『松平頼暁80歳の肖像』多くの方にご来場いただきありがとうございました。
柄にもなく緊張してしまった4拍5連満載の《It's gonna be a hardcore!》も無事に終了、今回で4回目となる《Rotation I》も、より完成度が上がってきたのではないかと思います。
上の写真は、演奏会最後の出演者全員によるカーテンコールですが、中央にいるのは80歳にしていまだパワーみなぎる松平頼暁先生、歳を重ねても音楽に対する新鮮な気持ちを失わない姿勢を見習いたいものです。


さて、4拍5連の次は4台ピアノとの共演です。
数年前にも演奏したストラヴィンスキーの《結婚》をまた演奏します。
頼暁作品のとてつもなく複雑なポリリズムから比べると、ストラヴィンスキーの変拍子なぞ子どもの遊びのようなものですが、20世紀の古典的名曲の割には演奏機会の少ない(とはいえそれなりに日本でも演奏はされているともいえます)作品ですので、興味のある方は是非お越しください。
私は歌いませんが、シェーンベルクの合唱作品の傑作『地には平和を』も聴きどころだと思いますので、こちらも要チェックです。

東京工業大学混声合唱団コール・クライネス第46回演奏会
2011.12.27(火)19:00開演(開場18:30)
すみだトリフォニーホール 大ホール

三善晃『地球へのバラード』より
マルタン『ミサ』より「クレド」
シェーンベルク『地には平和を』
ストラヴィンスキー『結婚』

指揮:大谷研二

ソプラノ:岩下晶子 アルト:北條加奈
テノール:志田雄啓 バス:松平敬
ピアノ:山部陽子、岩本晃子、伊藤友香、櫻井郁里
打楽器:永曽重光、阿部剛、小松玲子、長屋綾乃、畑中暢行、和田光世
合唱:東京工業大学混声合唱団コール・クライネス

入場料
全席指定 当日券 1,000円 前売り 900円

詳細はこちら


合唱といえば、私は全く関係ありませんが、明日23日の成蹊大学混声合唱団の演奏会も必聴です。1971年に作曲され、作曲直後の初演以降、先月までの30年間(!)再演の機会がなかった湯浅譲二の合唱曲の傑作《アタランス》が、同じ合唱団によって、再度演奏されます。
《アタランス》は言葉になる前の声そのもののうめきのようなものをテーマとし、様々な特殊唱法に埋め尽くされ、合唱ならではの人数感を生かした音響のうねりが様々に提示される名作です。
再演機会が最近までなかったのは、演奏がとても大変ということもありますが、私が先月聴いた成蹊大学混声合唱団(指揮:西川竜太)の演奏は、市販されている東京混声合唱団の録音を軽く超える圧倒的なもので、作曲者ご本人もその演奏を絶賛していました。
特殊唱法が多いだけに、発声法に変なしがらみのないアマチュアの人の方がうまく適性を示したのかもしれません。
次の再演まで何十年待たされるのか分かりませんので、未聴の方は是非ともどうぞ。


成蹊大学混声合唱団<創団50周年記念>第47回定期演奏会

2011年12月23日(金) 開演;19:00(開場;18:30)

国立オリンピック記念青少年総合センター
カルチャー棟大ホール
小田急線・参宮橋駅徒歩7分
入場料:無料


松平頼暁 (b.1931)「Prelude」(2011 委嘱新作 初演) 
湯浅譲二 (b.1929)「アタランス」 (1971) 
         「息」(2004) 
         「歌 A song」(2009 委嘱再演)
指揮:西川竜太 

北川昇 (b.1983) 「まだ見ぬあなたへ」
指揮:細田詩織 ピアノ:前田裕佳 


遂に、恐怖の4拍5連に埋め尽くされた、松平頼暁氏の《It's gonna be a hardcore!》明日が本番となりました(演奏会の詳細は、前の記事をどうぞ)。

いまさらですが、4拍5連を演奏するメトロノームのパッチを作ってみましたので、動画を紹介します。
このパッチは右側の比率を変えるだけで3:7とか6:11とか、どんな複雑な連符も任意のテンポで演奏させることができます。

これを聴いて思ったのが、じっさいはこのポリリズムがさらに3連符などで細分化されるので、4:5だけ聴くと意外にシンプルに聞こえて少し悔しい気がします。

それはともかくメトロノームとお友達状態で練習を重ねたので、今や《大きな古時計》の3番のような気持ちですが、晴れ舞台を見たい方は、どうぞ明日オペラシティ・リサイタルホールへお越しください。
(前売扱いは本日23:59受付分までです。お早めに!)


ちなみに、もう一曲演奏する《ローテーション I》にはさりげなく7:8のリズムなどもありますので、リズム・マニアのかたは是非ともチェックを。


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この楽譜は、今必死で練習している松平頼暁氏の《It's gonna be a hardcore!》の楽譜の一部を書きだしたものです(クリックで拡大)。
上がバリトン、下がピアノのリズム・パターンです。

ただでさえ、4拍5連音符を正確に演奏するのは簡単ではないのに、ひとつのリズム・パターン("It's gonna be a hardcore!"という歌詞のまとまりがひとつのパターン)が5連4分音符6つ分なので、このパターンを繰り返していくと、フレーズの頭が4/4拍子とだんだんずれてくることになります。冒頭ではこのフレーズの頭の音で歌と同時に手拍子も演奏するので(×印が手拍子)、そのずれが聴覚的にも強調されます。この手拍子は、曲が進むに連れて、だんだん叩く場所が増えてくるので、演奏していると、どんどん頭が混乱してきます。
さらにいじわるなのが、この5連符に2種類の3連符が入れ子になっていることです。特に2拍3連は、5連符の中で正確に演奏するのはものすごく大変です。

(我こそはと思わんリズム・フェチの皆さんは、上の楽譜を練習してみてはいかがでしょう?)

そして、究極の嫌がらせとしか思えないのが、途中で挿入される一連のセリフです。
この直前でピアノと同時に演奏をストップするのですが、どうせ複雑なリズムだから適当にやっていても分からない、などとなめてかかっていると、ここで演奏のズレがバレてしまうという仕掛け、曲の始めから最後までひたすらこのリズムパターンを繰り返さなくてはならないのは、気が滅入りそうなほどに大変ですが、このポリリズムがぴったりと決まったらかなり気持ちいい音楽になるはずです。

この曲を演奏するのは、以下の演奏会、80歳を迎えてもなお前衛の道を突き進む松平頼暁氏の作品ばかりを集めた演奏会です。

私は、この曲に加え、テューバの橋本晋哉氏とのユニット、低音デュオの委嘱作品になる《Rotation I》も演奏します。
声とテューバというビミョーな編成から、予想のつかない音響が次々と表れるとても面白い作品です。

他の出演者の豪華な顔ぶれも魅力的、是非ともご来場頂ければと思います。

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「松平頼暁-80歳の肖像-」
12月20日(火)19:00~@東京オペラシティリサイタルホール 

プログラム:
シミュレーション (1974-75) [橋本晋哉/tub]
セレブレーション (1980) [河合拓始/pf]
イッツ・ゴナ・ビー・ア・ハードコア! (1980/2005) [松平敬/bar、藤田朗子/pf]
レプレースメント (1987) [溝入敬三/cb]
連星 (1990) [中村和枝/pf、河合拓始/pf]
モルフォジェネシスII, III (1992) [中村和枝/pf]
井上郷子のための名簿 (1997) [井上郷子/pf]
ローテーションI (2010) [低音デュオ/bar, tub]
(当日の演奏順は未定です)

*演奏会の前後、休憩時間にロビーにて「朝の音楽」(1970) [有馬純寿/音響]

チケットは前売一般3000円、前売学生1500円、当日3500円
ローソンチケット 0570-000-407(オペレーター対応) http://l-tike.com/
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999 
「松平頼曉80 歳記念演奏会実行委員会」tel:080 5496 6854( 石塚)、email:concert1220@gmail.com 

ご予約は、本記事へのコメント、私のメルアド una_voce[at]me.com ([at]をアットマークに変えて下さい)へのメールでも受け付けています。

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木曜日の低音デュオ・ライヴ、お陰さまで無事に終了しました。

ご来場の皆様、心より感謝申し上げます。


重量級の委嘱作3作に加えて、モンテヌス写本から5曲が演奏されましたが、その正体が演奏後に明かされました。作品を提供していただいた若手作曲家の皆さんに敬意を表し、以下にその作者をお知らせします。


Bichemeus: Summa Monténuss(モンテヌスの主)→山本哲也

Pineus Parallelius: Totus floreo(花咲き乱れ)→松平敬

Machaut/Liberpons d'ageous: 

   Phyton, le mervilleus serpent(不可思議の蛇フィトン)→橋本晋哉

作者不詳:Astra polorum(天上の星)→田口和行

Gouci Fosso-quivar: Volui obviam.→細木原豪紀


《Volui obviam.》がなぜか、大きな話題を呼びましたが、プログラムに掲載したものよりもより鮮明な「ファクシミリ画像」をこちらから見ることができます(禁断のあの3文字も確認可能。。)。


それぞれ、大変こったネタ、設定を考えてもらいましたが、各氏のツイッターなどでその解説を読むことができます(どなたかコメントなどでリンクをはってくださると助かります)。

私の担当曲の「設定」も、実は以下のように必要以上に考えていましたので、ご参考までに掲載しておきます。


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 《Totus Floreo》の作曲者はPineus Paralleliusであるとされている。しかし、この作曲家に関しては、その作風から12~13世紀頃に活躍したらしいこと、当時のヨーロッパ人としては異例なまでに東洋の音楽理論に精通していたこと以外、その生涯は謎に包まれている。


 モンテヌス写本の記述によると、この作品は、東洋からヨーロッパに伝わったとされるルイザワカ写本(現在は所在不明)に掲載され、当時のヨーロッパでちょっとしたブームになっていたらしい、ある東洋の民謡をもとに作曲されている。

 その民謡は、春、花が咲く情景を描いているとされるが、歌詞に記述された東洋文字が部分的にしか解明されていないため、その詳細は不明、そもそも「東洋」の具体的な国名に関してすら、いまだ明らかになっていない。その歌は、「東洋」で使用されていたと思しき独特な記譜法による楽譜が、ルイザワカ写本に掲載されていたようであるが、この写本が失われた現在、その記譜法に関して知るすべはない。《Totus Floreo》では、当時のヨーロッパの音楽家がその楽譜からネウマ譜への変換を試みた3通りのリアリゼーションが、聖歌のように順番に挿入されるが、最後に現れるリアリゼーションはParallelius自身によるものであり、おそらくこのリアリゼーションが本来のメロディーの形に近いと推察されている。このメロディーは定旋律として、わずかな変形を伴いながらテノール声部に表れる。


 歌詞は、当時のヨーロッパ人の演奏の便宜をはかり、当時よく知られていたと思われる《カルミナ・ブラーナ》(オルフの付曲が有名)からのラテン語のテキストが当てはめられている。

 一方、前述のParallelius自身のリアリゼーションに基づく部分では、彼自身が試みた、その東洋文字の解読作業の成果が表れている。当時のヨーロッパ人が演奏しやすいように、(Paralleliusが想定した)原詞の発音に近いラテン語、あるいはそれに類似した「ラテン語もどき」が楽譜に書き込まれている。彼が解読しきれなかった箇所は前述のカルミナ・ブラーナからの歌詞にある単語などが適宜割り振られているようだ。


 なお、楽譜には2本の曲線を組み合わせた不思議な記号が書き込まれているが、最近の研究で、これは演奏者のジェスチャーを指示しているらしいことが明らかとなった。これは当時の記譜法としては極めて異例であるが、Paralleliusの東洋音楽からの影響の反映、という見方が濃厚だ。


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ついでに楽譜もどうぞ。

画像をクリックすると全ページを収めたPDFが開きます。

なぜ、このような偽名になったかは、勘の良い方ならすぐおわかりかと思います。


totus floreo.jpgのサムネール画像

一番上の写真は、開演前のステージの様子、なぜか橋本さんがトロンボーンを持っていますが、モーツァルトの《レクイエム》の〈キリエ〉のフーガを必死で練習していました。。


9月のリサイタルで一段落着くはずだったのが、突如凄まじいスケジュールが襲いかかり、ここまで更新が滞ってしまいました。すみません。

近々の本番のご案内です。

来週24日には、テューバの橋本晋哉氏とのユニット、低音デュオのライヴがあります。

あまりにも力作ぞろいで、演奏者が根をあげそうになっている委嘱作3作、前回の松平頼暁氏への委嘱作の再演、昨年ボローニャで発見され、一部で話題になっているモンテヌス写本からの5作品など、盛り沢山な内容でお届けします。
残席僅かとなってきましたので、お早めにご予約を。

低音デュオ4th live 

11/24(木)19時開演 門仲天井ホール

松平頼暁: Rotation I (2010)
難波研: Silent moon (2011、委嘱初演)
山根明季子: Dots Collection No. 12 (2011、委嘱初演)
木下正道: 双子素数 (2011、委嘱初演)
低音デュオ編: 《モンテヌス写本》より
 「Astra polorum」「Volui obviam」「Summa Monténuss」
 「Totus floreo」「Phytons, le mervilleus serpent」

杉山洋一:チューバソロのため「ファンファーレ」(2011、初演)←追加決定!

出演:松平敬(声)、橋本晋哉(テューバ、セルパン)

入場料:2500円(ご予約)、3000円(当日)(もんてん会員はそれぞれ500円引き)
ご予約、お問い合わせ: teionduo@gmail.com

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時系列が逆になりますが、今週末19日、ショーロクラブの武満ソングばかりを演奏するコンサートに出演します。私の出番は2曲のみですが(うち1曲はCDに未収録の曲です)、ショーロクラブの皆さんはもちろん、他の歌手の皆さんもうっとりするような歌を聴かせてくれるはずです。

『武満徹ソングブック・コンサート』

日時 : 2011年11月19日 (土)
会場 : めぐろパーシモンホール・大ホール
開演時間 : 17:00 

【 出演 】
◇歌 アン・サリー / 沢 知恵 / おおたか静流 / おおはた雄一 / 松平 敬 / 松田美緒 / tamamix
◇演奏 ショーロクラブ ( 笹子重治 Guitar / 秋岡欧 Bandolim / 沢田穣治 Contrabass )

詳細は以下のリンクをご覧ください。

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昨日のリサイタル、お陰さまで多くのお客様を迎え、無事終了しました。

有馬純寿さんの力を借り、ほぼ全編にわたって10チャンネルのマルチチャンネルを駆使した作品をお届けしましたが、客席ではどのように聞こえていたのでしょう。

当日のリハの写真を早速送ってもらいましたので、いくつか紹介します(撮影:石塚潤一さま)。

ステージ上のテーブルの上にはMac2台と、様々な機材が。
作品によっては、コンピュータを操作しながらの演奏もこなさなくてはなりませんでした。
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こちらは、ルシエの《子守唄》、ダミーヘッドマイクをつけた助演者(まだ国立音大在学中ながら、すでに大作曲家の片鱗を感じさせる山本哲也くん)のまわりで無声音を即興的に演奏、彼の聞いている音の動きが、客席横のスピーカーから聴こえる仕掛けの作品です。
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こちらは森田泰之進氏の《うたかたながし》の中の1シーン。
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ステージの全景です。
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今回の演奏会の陰の主役、有馬純寿氏(エレクトロニクス)。この方には足を向けて眠れません。
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壁面に8チャンネルのスピーカーが組み込まれている杉並公会堂の音響システムの割には、開演ベルのメロディーのセンスがいまいちだと思っていたこともあり、今回、自作の開演ベル(作曲は本番日の前日)を使用しました。

当日、ご来場できなかった方々のために、以下にリンクをはっておきます。


お陰さまで、15日のリサイタルの前売券の受付は終了しました。
当日券は、本番日18時より、受付にて若干数(5枚程度)を発売いたします。

混雑が予想されますので、お早めのご来場をお薦めします。


以前より告知しております15日の私のリサイタル残席がごくわずかとなっています。
当日券も若干数のみ出す予定ですが、前売分は数日中に受付終了となる可能性も高いです。
ご興味をお持ちの方はお早めにこちらまでご予約下さい。
前売分受付終了しました。若干数(5枚程度)当日券を出す予定です。

曲順、確定していますのでお知らせしておきます。


ルシエ:子守唄
シェルシ:WO MA
志田笙子:なぜ?(初演)

(休憩)

森田泰之進:うたかたながし
シュトックハウゼン:シュピラール
ケージ:《ソング・ブックス》より


マルチ・チャンネルを駆使した作品がほとんどですので(有馬さんの献身的な協力に感謝!)、良い環境でお聴きになりたい方はお早めのご来場をお薦めします。

ちなみに、以下の写真はシュトックハウゼンの《シュピラール》で私が操作するMacの画面です。同時に2台操作するのはなかなか大変ですが、いまやかなり慣れてしましました。
右のMacのディスプレイの下の方に見えているのが、楽譜です。

右のMacは擬似短波ラジオ(これも有馬氏作)、左のMacは声の変調用に使用します。

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こちらの準備も気が遠くなりそうなのですが、その直前にこんなライヴに出演します。

《John Zorn's COBRA 東京せんがわ作戦 神田佳子部隊》
(有馬純寿(computer)、大石将紀(sax)、神田佳子(perc)、木ノ脇道元(fl)、坂本弘道(vc)、佐藤允彦(p)、しばてつ(ピアニカ)、田中悠美子(義太夫、太棹三味線)、中村仁美(篳篥)、橋本晋哉(tuba)、藤原清登(b)、松平敬(br)、本田珠也(ds)、巻上公一(prompter))

9月11日(日)20時START せんがわ劇場

ずっと前から気になっていたジョン・ゾーンの《コブラ》遂にデビューです。
あの複雑なルールを覚えるのが大変なのですが、初回のリハの感触では、面白い仕上がりになりそうです。

詳細はこちらをご覧ください。
こちらも残席僅かとなっているのでご注意下さい。

昨年の双子座三重奏団のライヴ動画をアップしましたので紹介します。いずれもその時のライヴのために書き下ろして頂いた新曲です。


伊左治直:竜の湯温泉郷への郷愁



新垣隆:インヴェンション あるいは 倒置法 III



中川俊郎:Xmas Song of Birds




演奏:
双子座三重奏団
 曽我部清典(トランペット)
 中川俊郎(ピアノ)
 松平敬(バリトン)

2010年12月5日恵比寿・アートカフェフレンズにて

独唱3チラシ.jpgのサムネール画像
(チラシ画像をクリックすると裏面もみられます)

2011年9月15日(木)19:00開演
杉並公会堂 小ホール

出演:
松平 敬(声)
有馬純寿(エレクトロニクス)

曲目:
A.ルシエ:子守唄
G.シェルシ:WO MA
志田笙子:なぜ?(委嘱初演)
森田泰之進:うたかたながし(独声vol.1委嘱作品)
K.シュトックハウゼン:SPIRAL
J.ケージ:《ソング・ブックス》より

入場料:3000円(当日3500円)、学生2000円(当日2500円)
前売分、終了しました。当日券若干枚数販売します。


無伴奏声楽曲を追求するシリーズ「独声(どくしょう)」、今回はエレクトロニクス、という目に見えない共演者がテーマとなっています。この分野の第一人者、有馬純寿さんに全面的にご協力いただき、マルチチャンネルも駆使した立体的な表現を追求したいと考えています。

ルシエと志田さんの新曲以外は、少なくとも1度は演奏した作品ですが、エレクトロニクス機材のセッティングの面で、演奏者に多くが委ねられているシュトックハウゼン《シュピラール》とケージ《ソング・ブックス》は、演奏を繰り返すたび、少しずつ「ヴァージョン・アップ」を行っています。今回は「メジャー・アップデート」といってもよい内容だと自負していますのでそちらもお楽しみに。

ただ新作をどんどん初演していくだけではなく、再演を繰り返すたびに演奏の質を洗練させていくことが重要だと考えています。
まだまだ様々な問題点、課題を抱えていますが、よい演奏となるよう日夜、格闘中です。

ちなみに、本演奏会は、サントリー音楽財団の推薦コンサートとなっております。
詳細はこちらのページをご覧ください。
10組20名様にチケットプレゼントへの応募方法もこのページに掲載されています。
競争率は低いと思いますが(汗)、確実なご入場をご希望される場合は私まで直接ご予約頂ければと思います。

多くの皆様のご来場をお待ちしております。

先日の高松での演奏、2000人入る大ホールでの松平頼暁氏の《Rotation I》は多くの人にとってインパクトがあったようです。客席が寒くなったらどうしよう、という一抹の不安もありましたが、結果的に好評で安心しました。
ほとんどの人からはじめにでてきた感想が「おもしろい!」という言葉でした。まずは、そこで興味を持ってもらえないと、その先につながらないので、これは嬉しい反応でした。

主催のよんでん文化振興財団の皆様、ホールまで足を運んでくださった多くの皆様、ありがとうございます。

ちなみに、同じ高松では、すぐ姉妹作の《Rotation II》も演奏されるとのこと、同日演奏ではないですが、両作が近い日程で演奏されるのは東京でも大阪でもなく、高松が初、この作品に関しては世界最先端ということになります。

アヴァンギャルドという言葉の意味もよく知らなかった高校時代、たまたま乗っていたバスの車窓から突如見えてきた岡本太郎氏の「太陽の塔」は、私にとってある種の啓示となりました。
単に変なかたちの彫刻を作るというのならともかく、その異様な造形センスが巨大な塔となって、唐突に私の目の前に現れてきた、というシチュエーションは私にとっては完璧すぎるものでした。
口ポカ状態の小学生もいた、という目撃談も聞きましたが、今回の演奏が、未知の世界への扉となればいいな、と思います。


さて、来週は「夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」と題したイベントに出演します。

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通常の演奏会やライヴではなく、シュトックハウゼンのさまざまな音源をとにかく聴きまくる、というイベントです。
一般では入手がしにくいStockhausen-VerlagのCDの中から、初期から晩年にいたる様々な作品の音源を紹介したいと思います。

限られた時間ではありますが、たくさんの音源に触れていただきたいので、一部の作品をのぞき10〜15分の抜粋とし、曲数をふやしたいと考えています。

以下に上演予定曲目(抜粋)をいくつか紹介しておきます。

《モメンテ》(1998年版)
《短波》(大阪万博でのライヴ録音)
《来るべき時のために》より〈渡り鳥〉
《シリウス》の電子音楽
《ピアノ曲XVI》(全曲)
KLANG13時間目《宇宙の脈動》(全曲)
etc.


逆に、多くの人が聴いているであろう《少年の歌》《ヘリコプター弦楽四重奏曲》《グルッペン》などは、選曲の初期段階で除外してあります。ご参考まで。


「夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」

選曲・ゲスト:松平敬
2011/07/17(日)
18:00-22:30
料金:1500円(ノー・ドリンク)

お問い合わせ: dmitryshostakovich@gmail.com
Twitter: @mk_sekibang

最近、告知のみの更新ですみません。。

さて、橋本晋哉氏のテューバと私のバリトンによるユニット、低音デュオの初めての地方公演です。

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よんでん文化振興財団奨学生による
第16回ふるさとコンサート

平成23年7月8日(金)18:30開演
アルファあなぶきホール 大ホール(香川県県民ホール グランドホール)
入場無料(ただし、入場整理券が必要)

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低音デュオで演奏するのは以下の作品です。

湯浅譲二:はしれちょうとっきゅう(橋本晋哉編曲)
松平頼暁:Rotation I

2曲のみ、15分ほどの出演時間ですが、他の出演者と比べると(きっと)浮きまくりの、低音デュオならではの世界観が炸裂する予定です。

私が高校時代まで過ごした愛媛で感じていたことは、地方公演だと、名曲コンサート的な選曲がほとんどで、なんだか聴衆がなめられているなぁ、という生ぬるい雰囲気でした(例外は、立ち会うことができたのが奇跡的だったリヒテルの宇和島公演、そこに妥協はありませんでした)。

ということで、昨年初演したばかりの新作を引っさげて、四国の音楽界にちょっとした刺激を与えることができれば、と思い、こうした選曲になりました。

お近くにお住まいの方で、入場整理券が欲しい方は、私までこっそりご連絡下さい。

これまでも何度か共演させていただいているバッハ協会の演奏会に出演します。
今回のカンタータ、地味ですが、ソロも合唱もさりげなく変態的なフレーズが散りばめられていて、循環呼吸をしなければ物理的に演奏不可能と思われる曲などもあります。

バッハ協会管弦楽団・合唱団定期公演
J.S.バッハ:
チェンバロ協奏曲 二短調 BWV1052 
カンタータ「人々汝らを除名すべし」BWV44 
カンタータ「信じて洗礼を受くる者は」BWV37
モテット「御霊は汝らの弱きを助け」BWV226

ソプラノ:駒井ゆり子 武田裕子  
アルト:磯地美樹
テノール:鏡貴之 川瀬太基
バス:初鹿野剛 松平敬  
指揮,チェンバロ:山田康弘

2011/6/11(土)14:00 東京若枝教会(ひばりが丘)
自由席¥4,000 当日券¥5,000  
チケット申込:東京文化会館チケットサービス 03-5815-5452


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間近に迫った演奏会のお知らせです。


墨田ぶらり下町音楽祭
2011年5月15日(日)14:00- 15:00- 16:00- 17:00-

会場:
十間橋ふれあい会館(受付)
スパイスカフェ(バグパイプブース)
黒崎竹信堂(バロック音楽ブース)
天眞庵(オペラブース)
押上文花町内会倉庫(現代音楽ブース)
あさひ幼稚園ホール(リコーダーブース)
(各会場とも押上駅徒歩約15分)

出演:
愛甲雅美、浅井愛、近藤治夫、鈴木奈津子、長久真実子、畑内浩、
廣海史帆、松平敬、山根孝司、渡辺佳代子、パティオ・イカウイイ

入場料:3000円(1日通し券)



スカイツリーのすぐ近くにある6箇所の会場で、4回の本番が同時に行われ、ご自分の好きな会場に好きな順番で聴くスタイルになっています。

昨年は現代音楽ブースでの演奏でしたが(今年はクラリネットの山根孝司さんが担当)、今年はオペラブースに鞍替えしての出演、ソプラノの愛甲雅美さんとピアノの鈴木奈津子さんと共演します。

私が歌う予定の曲は以下のとおりです。

武満徹《三月の歌》(松平敬編曲)
古関裕而《白鳥の歌》
越谷達之助《初恋》
滝廉太郎《花》
チャイコフスキー《ただ憧れを知る者のみが》
モーツァルト 歌劇《ドン・ジョヴァンニ》《魔笛》より
シューベルト《セレナーデ》(《白鳥の歌》より)
ワーグナー 歌劇《タンホイザー》より《夕星の歌》


アクセス、チケット入手方法など、詳しくは音楽祭の公式サイトをご覧下さい。

皆様のお越しお待ちしております。

昨日の、私のソロ・ライヴ「独声vol.2」は、お陰さまで無事に終わりました。
多くのお客様にご来場いただき、感謝しております。

今回は少し軽めの内容と思って企画したはずだったのが、結果的に、委嘱新作を始め、前回以上にヘビーな内容となってしまいました。

体力的にもギリギリの内容でしたが、作曲して下さった皆さんが楽譜に込めた熱い想いを受け、自分の音楽も一歩前進できたような気がします。

次回公演は9月15日、杉並公会堂小ホールへ場所を写し、有馬純寿さんの音響の助けも受けてより壮大な内容を目指しますので、お楽しみに。

現時点で決まっている曲目は以下のとおりです。

シュトックハウゼン:シュピラール(声と短波ラジオ)
ケージ:「ソング・ブックス」より(声+エレクトロニクス)
森田泰之進:うたかたながし(声+テープ、独声vol.1委嘱作品)
志田笙子:委嘱新作

(実現するかどうかは分かりませんが、この他にもアッと驚く企画も計画中です)

18日のライヴの曲目解説、最終回です。

前半と後半のそれぞれ最後に演奏する作品は、どちらも特殊唱法を排し、メロディーとリズムの展開のみで勝負した、直球の無伴奏声楽曲の力作となっています。

前半最後のライマンの《Entsorgt 廃棄物処理されて》は、核廃棄物に関する社会的なテキストの選択に現代という時代を感じさせますが、音楽の身振りにはベルクの《ヴォツェック》などの影響が強く感じられ、さらに言えばドイツリートの伝統すら透けてみえます。
無伴奏の独唱で最大限の表現を目指すべく、常にジグザグと激しく跳躍するメロディーが広い音域を駆け巡り、歌い手の自由な呼吸の隙を与えない複雑なリズム記譜も相まって、声楽的には極めて高度なテクニックが必要とされます。

本番で歌ってみようと決心するまでに5年以上の月日を要しましたが、音楽が体に馴染んでくると、複雑なリズムからしなやかな音楽の流れを表現できるようになってきました。

リズムの複雑さでは、演奏会最後に披露する木下正道さんの《石をつむ II》も負けていません。記譜上のテンポは固定されていますが、16分音符の3, 4, 5, 7つ分など様々な音価がセクションごとの基本テンポのように扱われ、さらにその音価をもとにした3連符、7連符などが頻出するため、常に作品のテンポが揺れ動いているように聴こえる効果を生みます。

しばしば急速に上下する装飾音が現れるものの、同音の繰り返しによる音形が作品のほとんどを支配しているので、このテンポの揺らぎをいかに繊細に表現するかが演奏の肝となります。
そこから派生する、ポルタメントを伴う音形は、日本的な情緒を連想させますが、安易な東洋趣味に陥ることはありません。

実直な彼の人柄を表すような作品ですが、そこに込められた音楽的強度を最大限に引き出せれば、と思います。

以下は、作曲者自身による解説文です。
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「石をつむ II」は、宮沢賢治の二つの短歌に基づいて作曲されました。

対岸に
人、石をつむ
人、石を
積めどさびしき
水銀の川

すべりゆく
水銀の川
そらしろく
つゆ来んけはひ
鳥にもしるし

 二十絃箏と箏歌のために昨年作曲した「 I 」と、この「 II 」は全く同じ歌詞を用いています。メロディなどはかなり違いますが、ある特定の言葉にとりわけ拘ったり、または時に切り刻まれつつ増殖したり、前後があやふやになってもいくような、言うなればリニアに意味を伝えるようなやり方をなるべく排除した歌詞の扱い方を「 I 」と同じくここでも考えました。意味するものとはまた違った言葉の背景というか、それが指し示す、歴史/記憶の遠い彼方、おそらく気配でしか察することの出来ない極めて奥深くに隠されたものを、演奏者の身体性を媒介にして垣間見たいというのが作曲上の目論見です。松平敬さんという、グレゴリオ聖歌から最新の作品まで、圧倒的に幅広いレパートリーと豊富かつ深い知見と経験を内包する頭脳と身体によって、この作品が顕になることを、嬉しく誇りに思っております。
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演奏も最終的な仕上げに入ってきて改めて全体を俯瞰してみると、前回以上にヴァラエティに富んだ内容になったと自負しています。
若干の飛び道具を使うものの、基本的に一人の声でも様々な可能性があることが体感できると思います。

まだ若干の座席がありますので、ご予約はお早めにどうぞ。

18日に迫ったソロ・ライヴの解説、さらに続きます。

山根明季子さんの《水玉コレクションNo.02》は任意の楽器を歌いながら歌う作品ですが、タイトルが暗示するとおり、声のパートも楽器のパートも、演奏する一音一音が水玉になぞらえられています。水玉が次々と表れては消えてゆく様が、短い音の連なりで表現されていますが、作曲にあたって引用された歌詞はすべてパ行に置き換えられているので、結果的に何を言っているのかは分からなくなってしまっています。この水玉状に異化された言葉がポリリズムなどによって器楽的に処理されたり、パ行に置き換えられても残存している、もとのテキストの日本語のイントネーションが音楽素材として利用されたり、限られた素材から多彩な音模様が描かれています。

以下、作曲者自身による解説です。

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 《Dots Collection (水玉コレクション) 》というタイトルは、例えばパルス的音像から印象付けられる丸い絵柄を描き出したものをコレクト (収集) することを追求していることから由来し、2作目となる No.02 は、2007年に大正琴を伴うパフォーマンスにより初演、以後テューバとピアノ&ピアニカのデュオで再演されるなど楽譜解釈の自由度が比較的高い作品です。
 この作品では、特に"言葉"を扱っていて、性や死を扱った哲学的言論や、人間の奥底に潜む闇を描く言葉、それら放送が憚られる語彙に「ピー」を入れる、つまり「ぱ行」でフィルターをかけていく (子音を全て P に変更) ことで「ぱぴぷぺぽ...」と抽象化して、ドット柄としてそのまま標本化していきます。原文が日本語であるためイントネーションなどがそのまま音楽的な要素として浮き出てきます。今回は松平氏のバリトン (ただし全てファルセットの指示) とiPad+ iPhoneによる電子音での演奏ということで、テクノロジカルな、歪められた言葉の残骸による音模様が立ち現れるでしょう。
・テキスト引用:『BAD TASTE あるいはマイノリティの聖域 vol.1』(東京三世社 1996) 『危ない1号第2巻』(データハウス 1996)
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今回のライヴのための委嘱作品である山本哲也さんの《perhpas vairation?》は、まだ現役の音大生である若い彼ならではの歌詞の選択がまず目をひくでしょう。

こんちには みさなん おんげき ですか? わしたは げんき です。
この ぶんょしう は いりぎす の ケブンッリジ だがいく の けゅきんう の けっか
にんんげ は もじ を にしんき する とき その さしいょ と さいご の もさじえ あいてっれば
じばんゅん は めくちちゃゃ でも ちんゃと よめる という けゅきんう に もづいとて
わざと もじの じんばゅん を いかれえて あまりす。
どでうす? ちんゃと よゃちめう でしょ?
ちんゃと よためら はのんう よしろく

2ちゃんねるなどで話題になったこのテキストが歌詞になっていますが、これを特殊唱法や演劇的なアクションでさらに異化する、という発想で作曲されています。

以下、作曲者自身による解説です。

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 いわゆる「2ちゃんねるのコピペ」をテキストとして用いて、曲タイトルもテキストの仕組みをもって決定しました。
コンサートでの声楽曲の聴き方には3つのパターンがあります。テキストを見ながら聴くか、テキストは見ないでステージを注視して聴くか、はたまた目を瞑って聴くか。また、そのいずれかを選択するかによって脳の情報の受け取り方も変わるので、どの情報を集中してインプットするかを聴衆自身が選択することになると思います。
 前半ではテキストを文字ごとに分解し、そこに唱法や音名、動作を当て、元テキストを聴覚上さらに異化しました。簡単にいうと洒落、ちょっと知的にいうと江戸の判じ絵のような感じです。これらは密接にリンクしているのですが、テキストか演奏者の動作かは、どちらかしか見ることが出来ません。よって、「冒頭の1分間」はテキスト情報を予備するためにあります。
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山根さん、山本さんともに、川島素晴さんの優秀な門下生ですが、川島氏の声のための一連の《インヴェンション》のシリーズからの影響も感じられます。
私自身もこのシリーズの何作かを演奏していることもあり(IIIは私の初めてのリサイタルのための委嘱作でした)、そのDNAを引き継ぐ、より若い世代のお二人の作品を演奏することには感慨深いものがあります。

お陰さまで、かなりの予約を頂いております。
確実なご入場のためには、お早めのご予約をお薦めします。
(続く)


18日に迫ったソロ・ライヴの解説の続きです。

20世紀以降の声楽曲でしばしばテーマになるのが「ことば」の扱いです。

今回の演奏曲の中でもひときわ凝っているのがカーゲルの《バベルへの塔》です。
人類が様々な言語を話す起源についての、旧約聖書のバベルの塔の物語を歌詞とし、その18ヶ国語のヴァージョンにそれぞれ異なるメロディーをつけるという、歌詞の内容と作曲法をリンクさせるというカーゲルらしいひねりが秀逸です。
それぞれのメロディーは言語によって雰囲気が異なるのは、言葉と同様、メロディーもさまざまな国の音楽に「翻訳」されるかのようです。基本的に同じ歌詞を使っているので、それぞれのメロディー全体の構造にも類縁関係がみられますが、そこから浮かび上がる各国語ヴァージョンごとの差異と、その言語、国に対して持っているであろうカーゲルの「偏見」が興味深いです。

さまざまな言語をならべたカーゲル作品のあとに続くのは、蛙語による草野心平の「ごびらっふの独白」です。蛙語の「原文」のあとにご丁寧に「日本語訳」がのっているのも心にくいですが、それがなければ、単なる無意味な音素の羅列にすぎないものを「詩」として成立させてしまったところに、この詩の革新性があります。
蛙の鳴き声にインスパイアされたであろう、その音の響きを、音楽として楽しんで頂ければ、と思います。

そして、こうした試みは同時期にヨーロッパで盛んに行われていた音響詩の試みともリンクします。前回に引き続き、今回もとりあげるシュヴィッターズは、この分野の第一人者ですが、前回演奏したUrsonateの陰に隠れがちな小規模な、しかし興味深い作品を2編演奏します。
Obervogelsangはそのタイトルから想像されるとおり、鳥の鳴き声を連想させますが、もちろんこれは草野心平の「蛙語」とリンクさせています。「The real disuda of nightmare」(disudaというのはシュヴィッターズの造語で意味不明、したがってこのタイトルも意味不明)は、タイトルが暗示する不気味な雰囲気を、様々な子音のつらなりで表現した音響詩、戦後の前衛的な声楽曲の領域にかなり接近した内容になっています。

前回の記事でも紹介したケージの「8 Whiskus」は、そもそも意味性の剥奪された抽象性の高いテキストをさらにケージが再構成したテキストを歌詞としていて、意味のある単語、意味のない音素の無意図的な混在物が不可思議な叙情を生み出す様が興味深いですが、そのケージへのオマージュであるジャクソン・マック・ロウの「ジョン・ケージ のための/による 音素の踊り」はJohn Cageの名前を音素に分解した「j, o, k, a」をランダムに並べ、詩として構成したものです。バラバラにされたケージの名前による音素のコラージュ感を強調するために、生演奏をリアルタイムに電子変調させる予定です。

来週に迫った私の無伴奏ライヴ「独声vol.2」のプログラミングに関して、何度かに分けて解説していきたいと思います。

今回は、プログラムの前半、後半のそれぞれの冒頭にグレゴリオ聖歌を置きました。
無伴奏の単旋律の声楽曲というと、音楽史的にはなんといってもグレゴリオ聖歌が重要ですが、その後、ポリフォニックな方向へと発展していった西洋クラシック音楽ではこのスタイルは、わずかな例外をのぞき顧みられることはありませんでした。

再び、このスタイルの作品が目立ってくるのは20世紀後半においてです。ケージ《アリア》、ベリオ《セクエンツァIII》など、無伴奏声楽独唱曲の名曲がこの時期多く見られるようになりましたが、その遠く時代をへだてた作品を並置してみよう、というのが今回のプログラムのひとつの柱となっています。

グレゴリオ聖歌は、本来独唱曲ではありませんが、楽譜に一切変更を加えず、独唱曲として演奏することが可能で、宗教的な文脈から切り離すことにより、そのメロディーの面白さを新しい形で提示できればと思います。

さらに、単旋律の無伴奏声楽曲、という以外の側面でもグレゴリオ聖歌と、他の現代声楽曲がリンクするように目論みました。

ケージの《8 Whiskus》は、旋法的なメロディーという側面でグレゴリオ聖歌とつながります。タイトルが暗示するとおり、俳句を思わせる8曲の短い旋律からなるこの作品は、エオリア旋法(=イ短調の自然短音階)の構成音のみで作られています。曲ごとにリズム要素を限定したり、沈黙の使い方にケージらしさが現れていますが、遠い昔のグレゴリオ聖歌とつなげて演奏しても、ほとんど違和感のない作品です。

今回のライヴのために書き下ろして頂いた石渡玲玲さんの《many winters》も、その旋法的な性格からグレゴリオ聖歌との近親性を感じます。ゆったりとしたメロディーとナンシー・ウッドの歌詞を語るように歌う部分が交代する作品、とくに後者の部分はグレゴリオ聖歌によく出てくる詩篇唱を思わせます。中心音とそれをとりまくいくつかの音がセクションごとに決められていますが、セクションごとにその音の選択が微妙に異なっていることで、シンプルな中に微妙な色合いの変化が表現されています。

以下、作曲者による解説です。

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たくさんの冬、
最初の雪が降ってきて
夏と過ごして疲れた大地をおおいつくした、
すべての時のはじまり以来、
たくさんの冬を私は生きてきた

 ナンシー・ウッドによるテキストは、彼女とアメリカ、ニューメキシコ州のインディアンとの交流からうまれたもので、彼等の死生観や宗教観が色濃く示されています。短いシアター・ピースのようなものとして2010年秋に作曲、このような機会を与えて下さった松平敬さんに感謝申し上げます。
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グレゴリオ聖歌は、一見単純なようでいて、様々なスタイルのものがあり、今回選んだ《スターバト・マーテル》と《テ・デウム》はそれぞれ構造が異なっています。
《スターバト・マーテル》は短いメロディーがA-A-B-B-C-C-...というように次々と新しいメロディーが表れていきます。それは、旋法の限られた音の組み合わせの中から出来る限りの多様性を引き出そうとするかのようです。
《テ・デウム》は、逆に数種類の特徴的なモチーフが何度も繰り返され、それが独特の高揚感を生み出します。比較的高い音域で展開されていたメロディーが、後半で突然低音域で演奏される厳かなメロディーに置換させられたり、と単旋律という単純な構造の中での工夫が心にくいです。

カーゲルの《バベルへの塔》は、旧約聖書を題材とし、旋法的なメロディーに基づいて作曲されている点でグレゴリオ聖歌との関連性がありますが、その旋法的構造はかなり自由な逸脱も許容し、得も言われぬ「いかがわしさ」が演出される結果となります。この作品に関しては、「言葉」の扱いも重要なポイントとなるのですが、それはまた次回に。

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松平敬:独声(どくしょう) vol.2
2011年2月18日(金)19:00~ 
公園通りクラシックス

出演:
松平敬(声)

演奏予定曲目:

グレゴリオ聖歌:Stabat mater
John Cage: 8 Whiskus 
Mauricio Kagel: バベルへの塔
  英語、フランス語、スペイン語
  トルコ語、イタリア語、日本語
草野心平:ごびらっふの独白
Kurt Schwitters: Obervogelsang
Kurt Schwitters: The real disuda of the nightmare
Aribert Reimann: Entsorgt

グレゴリオ聖歌:Te Deum
石渡玲玲:many winters(委嘱初演)
山根明季子:水玉コレクションNo.02
Jackson Mac Low: Phoneme Dance for/from John Cage
山本哲也:perhpas vairation?(委嘱初演)
木下正道:石をつむ II(委嘱初演)

入場料:ご予約2500円、当日3000円

ご予約はgemini3@me.com(松平)まで。


昨年6月に行った無伴奏ライヴの第2弾です。
前回と比べると、今回はメロディック路線(?)かもしれません。

カーゲルの「バベルへの塔」は、旧約聖書のバベルの塔の下りにつけた18ヶ国語による18パターンのメロディーから演奏者が自由に組み合わせる作品で、カーゲルがそれぞれの言語、文化に対してどんなイメージ(偏見)をもっているかがメロディーに反映しているところが聴きどころです。
今回で3度目の演奏となりますが、前2回に演奏したヴァージョンから半数を入れ替えた形での演奏になります。

「ごびらっふの独白」は「蛙語」による詩ですが、ほぼ同時期に書かれたシュヴィッターズの音響詩と組み合わせてみました。

それぞれ全く傾向の異なる3曲の新作も、他のプログラムと何らかの要素がリンクするように構成をしてみました。多くの皆さまのご来場をお待ちしております。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

双子座2012チラシtogo.jpg

中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
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