あまりにも有名すぎるジョン・ケージの問題作《4分33秒》を映像でリアリゼーションしてみました。

3つの楽章は異なる色で視覚的に表現し、楽章ごとの時間の設定は1952年の初演時のものを流用しました。

この作品は、演奏者が意図的に音を発しないことが重要なので、いくつかのリアリゼーションで見られる、演奏時の環境音を録音し、それを映像化することは避けました(動画にサウンドを含める時点で、「意図的」な音になってしまうので)。
ということで本編は、完全に無音、逆に本編の前後のクレジットの部分には(意図的なサウンドとしての)水の音を入れることによって、一種の額縁のような役割を与えました。

ということで、この動画を再生することで、《4分33秒》の演奏の「記録」ではなく、「リアルタイム」の実演が、この動画を観ている(聴いている)方のパソコン上で行われていることになります。

ちなみに、色で3つの楽章を表現するアイデアは、10年近く前に京都で演奏したときにすでに使っています。そして、映像のアイデア上、フルスクリーン・モードでの視聴を推奨します。


長く引き伸ばされた音、純正音程というラ・モンテ・ヤングのエッセンスのつまった彼の初期作品「コンポジション1960 #7」をリアリゼーションしてみました。

HとFisの完全5度による和音と「長い時間のばすこと」という短いインストラクションのみの作品ですが、サイン波で好きなだけ伸ばし、同時にその波形が投影されるMaxのパッチを作ったのが、上の動画です。

10秒くらい見たら、続きは全部同じだということが分かるかと思いますが、ずっと聴いていると意識がアチラ側に行ってしまいますね。

集中して鑑賞するもよし、サティの「家具の音楽」よろしく、お部屋のインテリアとして垂れ流すもよし、というところでしょうか。


ピアノ曲XVIII《水曜日のフォルメル》(2004)では、シンセサイザーのためのXVからXVIIの3作とはまた違ったアプローチが取られます。

シュトックハウゼンが《光の水曜日》の作曲の基本構造として用いた4層構造の《光の水曜日のためのSuperformel》そのものを、シンセサイザーのための作品として演奏する、という作品で、主要な3層の音域を置換しながら、このフォルメルが3度繰り返されます。

この作品は、基本的に同一の楽譜(テンポはこちらが2倍速い)による打楽器三重奏版の《水曜日のフォルメル》と兄弟関係にあります。高音域の声部を金属、中音域の声部を木、低音域の声部を皮の打楽器を用いて、演奏者が自由に楽器を選択しなくてはなりませんが、《ピアノ曲XVIII》では、それに対応して、金属、木、皮に似せた電子的な音色をプログラミングすることを求められています。
ピアノ曲XII〜XIVでは、フォルメルに含まれる、様々なノイズ的要素を内部奏法などで解釈していましたが、ここでは、シンセサイザーのプログラミングの変更によって解釈することになり、音色の選択も奏者に完全に委ねられています。
複数の音色を多層的に重ね、さらに各層バラバラのタイミングでその音色も変更しなくてはならず、ポリフォニー内での(ピッチベンド的)グリッサンドや微分音の演奏も求められることから、奏者にシンセサイザーのプログラミングの知識が必要となることはいうまでもありません。
また、この作品での長い持続音の音色の美しさそのものを味わう傾向は、晩年のシュトックハウゼン作品の重要な特徴でもあります。

《ピアノ曲XIX》(2001/03)は《光の日曜日》の終演後、ロビーなどで再生される5台のシンセサイザーによる電子音楽《日曜日の別れ》の別ヴァージョンです。
このヴァージョンでの楽譜はまだ出版されておらず、初演もされていないので詳細は違う部分があるかもしれませんが、作品表での取り上げ方から推察するに、《日曜日の別れ》を一人のシンセ奏者が、残りの4声部を収めたテープと共演する、という演奏形態であると思われます。
《日曜日の別れ》は《光の日曜日》の最終場面である《至高=時 HOCH-ZEITEN》の別ヴァージョンでもあります。この作品はまず5群のコーラスのための版が作られ、合唱団が歌う5ヶ国語の歌詞の言葉の響きを5群のオーケストレーションに「翻訳」する形で、オーケストラのための版が作曲されました。《日曜日の別れ》はコーラス版を5台のシンセで演奏する版ですが、同様にコーラスの歌詞を、シンセサイザーのプログラミングに「翻訳」することが求められます。様々なパターンのグリッサンドで埋め尽くされた楽譜は、当然ながら通常の鍵盤楽器作品とは全く異なる世界を生み出します。

ピアノ曲のXVII〜XIXに共通した特徴は、ピアノ曲としての版と、基本的に同じ楽譜に基づく打楽器のための版が存在することです。
シンセサイザーは機種の選定やプログラミング、打楽器は楽器の選定や奏法によって多種多様な音色を生み出せる、という点で共通していますが、音色のキャラクターは全く異なっているので、両者の版を聴き比べると、非常に興味深い発見があります。
ピアノ曲XIXの打楽器版にあたる《光線 STRAHLEN》(2002)は、ヴィブラフォン奏者とテープ(9パートのヴィブラフォン演奏の多重録音)のために作曲されていますが、エレクトロニクスを使って、本来ただ減衰するだけのヴィブラフォンの音に(連続したピッチ変化による)グリッサンドをかけるという離れ業が聴きどころです。

ちなみに、《LICHT》と関連のある8曲のピアノ曲の内、前半の3曲が伝統的なピアノ、残りの5曲がシンセサイザーと、同じ鍵盤楽器ながら異なる楽器のために作曲されているのには、(恐らく当初からの計画でなかったと思われますが)それなりの根拠があります。伝統的なピアノのために作曲されたXIIからXIVはそれぞれ《木曜日》《土曜日》《月曜日》に含まれる作品ですが、この3つは《LICHT》の3人の主要キャラクターの内の一人が主要な役割を果たし、残りの4作は二人、または三人のキャラクターの様々な関わり合いがテーマとなっているので、それが根拠となっていると思われます。

《LICHT》の次なる連作《KLANG》には鍵盤楽器を使った作品が2つあり、「ピアノ曲」シリーズの続編とも解釈ができます。
1時間目:《昇天 HIMMELFAHRT》(2004/05)は補助的な役割の二人の歌手を伴うものの、実質的にはオルガン、またはシンセ奏者のための作品といえます。2声のポリフォニーというシンプルな構造ながら、30分以上の演奏時間のほとんどで、鍵盤楽器奏者の左右の手は、異なるテンポで演奏しなくてはならない、という超難曲です。24種類の音色を使い分けなくてはならないところは、後期ピアノ曲と相通ずるところがあります。
3時間目:《自然の持続時間 NATÜRLICHE DAUERN》(2005/06)は《ピアノ曲XIV》以来の伝統的なピアノのための独奏曲、しかも、それ自体が24の作品から構成される演奏時間3時間超の大作です。
多彩なシンセサイザーの音色変化を捨て、再び伝統的なピアノの響きを追求したという点も注目すべきポイントでしょう(リンやインディアン・ベルをピアノの音色と融合させる興味深い試みもありますが、そうした例外をのぞいて、内部奏法もほぼ皆無です)。
もっとも特徴的なのが冒頭の数曲に集中的に見られる、長い減衰音です。この減衰の時間を非メトロノーム的な持続として利用していますが、同時に、一見単調な音響現象に隠れた微細かつ豊かな表情に注意深く聴き入ることを、奏者、聴き手ともに求めているのが、晩年のシュトックハウゼンならではです。音楽の大事な部分は鍵盤の上、あるいはピアニストの指ではなく、楽器の内部で起こっています(そのことに気づかなければ、この作品は単なるガマン大会以上のものとはなりません)。
こうした側面は、ピアノ曲X主要部(冒頭のにぎやかな部分は構造的には序奏部にすぎません)の長い減衰音や休止にすでに表れていますが、この作品ではそうした側面が極限まで拡大されたといえます。

最後に、意外に知られていないことかもしれませんが、シュトックハウゼンが作曲を本格的にこころざす前は、ピアノが彼にとってもっとも身近な楽器であったことを付け加えておきましょう。幼少時からピアノの手ほどきを受けていましたが、終戦直後ケルンへとやってきた若きシュトックハウゼンは、レストランやカフェでピアノを弾いたり、手品師アドリオンのパフォーマンスの伴奏として即興演奏をしたりして生計を立てていたのです。

個人的な備忘録ですが、参考になることもあるかと思い、ここに書いておきます。

「後期」というのは非常にあいまいな表現ですが、シュトックハウゼンはピアノ曲のI〜XIを1952〜1961年に作曲、続くXIIは1979/83年の作曲と、XIとXIIの間にほとんど20年の断絶があるので、XII以降を「後期」と呼ぶこととします。

全部で19曲作られたシュトックハウゼンのピアノ曲(KLAVIERSTÜCK)は、大きく3つのグループに分けられます。

すなわち

1.I〜XI(1952-61)
2.XII〜XIV(1979-84)
3.XV〜XIX(1991-2003)

2,3のグループは1と作曲年が離れているだけではなく、作曲技法、楽器の扱いの上でも大きな違いがあります。

作曲法の面では、1が群による作曲法、2,3がフォルメル技法を採用していて、2,3は巨大なオペラ連作《光 LICHT》の関係作品として作曲されています。

XII: 木曜日、XIII: 土曜日、XIV: 月曜日、
XV: 火曜日、XVI,XVII: 金曜日、XVIII: 水曜日、XIX: 日曜日

楽器法では、1,2は伝統的なグランド・ピアノを使用していますが、2では様々な内部奏法などでピアノの音色の拡大が目論まれています。3は(電子的に音色を拡張されたピアノとしての)シンセサイザーが使用されています。
(ということで、最近時々目にする「鍵盤曲」「クラヴィア曲」などの奇妙な訳語を使用する必要性はなく、単に「ピアノ曲」という表記でよいと考えます。作曲家サイドの公式な英文タイトルも「PIANO PIECE」です)

つまり、このシリーズの後に行くに従ってピアノの音色が拡張されるような方向性があるということですが、それは2のグループで突然表面化したわけではなく、1の中にもすでにその傾向があります。VIIにおけるハーモニクスの探求、Xでの細かくコントロールされたクラスター、クラスター・グリッサンドによるノイズ領域への音色の拡大などが、挙げられます。

2におけるの内部奏法の多用は、ピアノの音色の拡大を意図していますが、これには作曲上の必然性もあります。

《LICHT》の作曲素材の源となるSuperformelはこのオペラの3人の主要キャラクターであるミヒャエル、エーファ、ルツィファーを象徴する3声のメロディーから構成されますが、このメロディーには通常の楽音の部分(それぞれ11、12、13音のセリーから導出されている)に、様々なノイズ的な楽想(有名な、数字を数えるイヴェントもこの一つ)が挿入されています。
この部分を、様々な楽器の特殊奏法でリアライズすることになるのですが(そこで生じる解釈の多様性も作曲上のキモ)、ピアノ曲のXII〜XIVでは、それが内部奏法を含む種々の奏法へと置き換えられている、ということです。

最も特徴的なのが3のグループ(XV〜XIX)での様々なアイデアです。
このグループでは、XII〜XIVで試みたピアノの音色の拡大を、楽器自体をシンセサイザーに置き換える、ということで大きくその方向性を変えます。
シンセサイザーの重要な特徴は、音色を自在にプログラミングできる点にありますが、シュトックハウゼンはその点を演奏者の創意に委ね、その他様々な要素を演奏者の選択に任せる作曲法を取りました(但し、楽曲の基本的な構造自体は確定されている)。

XV〈シンセ狂〉では、131種類の音色のプログラミングが求められ、基本的にきっちりと記譜されている楽譜の随所に即興演奏のためのスペースが設けられています(即興演奏の持続は確定、演奏内容は完全に不定)。
生演奏の背後で8チャンネルの電子音楽が流れている、というのもそれまでの作品になかった特徴です。

XVIとXVIIも電子音楽との共演ですが、単なる音楽的背景として機能していたXVのそれに対して、こちらではより積極的な役割を果たします。
XVIは、男女二人の声の変調で作られたテープ音楽(その音響の奇妙さにかかわらず、きちんと五線譜で記譜されている)の中から自由に選んだ音にピアノ、シンセサイザーなどでユニゾンで音を重ねる、一種の「音の塗り絵」です(これらは即興的に行うのでなく、事前に演奏者が自分自身のヴァージョンを作成する)。
XVII〈コメット〉は、《光の金曜日》の〈子どもの戦争〉という場面の電子音楽(オペラ内で歌われる児童合唱のパートもここではテープに収録)にコメントを付けるように、小節ごとに指示された和音から選んだ音を、演奏者が自由な順序、タイミングで演奏します(部分的に確定されたフレーズもあり)。

ということで、XVIとXVIIはテープ部分がメインで、生演奏はそれに対する注釈、という色合いが濃いのですが、XVIIに関しては生演奏部分を生かす仕掛けがあります。
演奏者がテープの再生を中断する箇所を2箇所決め、その先のフレーズを40〜60秒、テープなしで演奏、そして、テープの再生を再開し、ソロで演奏したフレーズをもう一度繰り返し、先へ進む、という演奏指示です。
原曲のオペラにはないこうした指示の付加により、生演奏とテープ部分の役割がより明確になる効果があります。

ちなみにXVIに関しては、「高度な演奏技巧は求められず、むしろイマジネーションやユーモアのセンスが必要だ」との注意書きがあったり、XVIIでは、シンセやサンプラーでの音色の選択に関して、数多くのおもちゃのようなサウンドをあらかじめ用意しておくことが求められたりと、従来のピアニストに要求されていたことと全く別種のセンスを引き出そうとする作曲者の意思が感じられます。

(その2につづく)

2月に新国立劇場・中劇場で演奏される松村禎三《沈黙》が、この段階になってオーケストラピットに楽器が入りきらないので、一部の楽器を別室で演奏、中継した音声を会場の演奏とミックスするという、信じがたいニュースが入ってきました。

ソース:

この件に関しては、そういうことをなぜ事前に把握できなかったのかという疑問が残るわけですが、今回は、この件に関しての批判ではなく、別の場所での演奏を中継して演奏する、というスタイルがシュトックハウゼン作品にいくつかあるので、その紹介をしたいと思います。


トランス TRANS (1971)

ステージ上に見えるのは、弦楽器奏者のみ、しかしパーテーションの後ろには管打楽器が隠れています。その音声はスピーカーから聞こえてきます。
中継、というには位置関係が近すぎますが、客席から見えない場所から演奏している、という点では「中継」というジャンルに入れてもいいかと思います。

作品の途中に、トランペット奏者が突然現れてソロを吹く部分がありますが、音だけ聞こえて見えなかった存在が、突然現実世界に現れたような効果をもたらします。


ヘリコプター弦楽四重奏曲 HELIKOPTER-STREICHQUARTETT (1992/93)

《光の水曜日》の第3場面。
4人の弦楽器奏者が4台のヘリコプターに分乗する、という側面ばかりが強調されがちですが、より重要なコンセプトは「中継」演奏にあります。
クリックトラックのみを頼りに、4人がポリフォニーを奏で(お互いに他の奏者の音は聴こえない)、その中継が会場でミックスされてアンサンブルが成就する作品ですが、その4声のポリフォニーの各声部のメロディーが、1〜数個の音符の単位で4つの楽器で受け渡されるように仕組まれている(そして、それが全声部で同時に行われる)ところがポイントです。
(音楽的には、このオペラの基礎となるSuperformelが声部の配置が入れ替わって、異なる移高系と持続で3度繰り返されるだけ)
つまり、その複雑なポリフォニーが、場所的にお互い遠く離れ、お互いの音も物理的に聴けない状態で行われている「場」を中継によって実現させる、というコンセプトです。

わかりやすいのが、ルシファー・フォルメルでよく出てくるeins, zwei と数を数える部分です。それぞれの数字が別の奏者で発音されますが、別のヘリコプターでバラバラに発音されているものが、会場では順番に数字を数えているように聴こえる、その状況を中継されている音声や映像から想像することによって、いま行われていることの面白さが実感されるような仕掛けになっています。


至高=時 HOCH-ZEITEN (2001/02)

《光の日曜日》の最終場面。
基本的に同一の楽譜に基づく、オーケストラと合唱のための2つのヴァージョンが、2つの別の会場で同期して演奏されます。
それぞれの演奏は中継されていて、スコア上に指定された7つの場所で、別会場の演奏が、実際の演奏とミックスされます。

オーケストラ版は合唱版よりも18秒先に演奏が開始される指示があるので、両者の演奏がミックスされたときには、生演奏の18秒前、あるいは18秒後の音楽素材(音色だけ異なる)が重なりあう格好となります。

合唱版では、作品の後半、ステージ上手よりトランペット奏者が突如登場、合唱内のソプラノ歌手とデュオを演奏する、神秘的な部分があります。これは、このオペラのテーマであるミヒャエルとエーファの結婚に関連していると同時に、上記《トランス》との関連性も興味深いところです。

ちなみに、《トランス》と《ヘリコプター弦楽四重奏曲》は、どちらも、彼のみた夢から特殊な演奏体系が着想されています。


ステージと別の場所で演奏される音楽が聴こえる先例としては、ベルリオーズやマーラーの交響曲でみられる、遠くからの音が舞台裏で演奏される、というものがありますが、シュトックハウゼンの場合は、「中継」というテクノロジーを使用して、本来は同じ場所に存在しないものを共存させ、一種のポリフォニーを形成する、という点に独自性と現代性があると思います。
この発想は、世界各地の音楽や国歌が一つの音楽を形成する《ヒュムネン》《テレムジーク》など、他の多くの作品にも見つけることができますし、異なる場所だけではなく、異なる時間層が現在と重なりあう(「時間の窓」と彼は表現しています)《ミクロフォニーII》のような例もあります。

あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。

今年も懲りずにアニヴァーサリーの作曲家を調べてましたが、やや地味なラインナップとなっています。

フリードリヒ2世生誕400年とは渋すぎですが、バッハの《音楽の捧げもの》のテーマを400回演奏する人などはきっと誰もいないでしょう。

一番メジャーなのはドビュッシーとケージかと思いますが、それぞれと同じ生年のディーリアス、ナンカロウも捨てがたいです。

スーザ、シュールホフあたりがあまりにも香ばしすぎまたり、メノッティとシュトックハウゼンが同じ没年というのにちょっとした驚きを感じたりと、いろいろ面白い発見もありますが、リストの下の方に行くと、直接面識のある人がちらほら見えてきて、この人とこの人は10歳差なんだ、などと余計な知識まで頭に入ってしまいます。

個人的に好きなのが、没年と生年が同じ人の比較、つまりこの人が死んだ歳に、この人が生まれたんだ、という比較です。
ちなみに私はストラヴィンスキーの生まれ変わりです(笑)


没後500年
ジョヴァンニ・ガブリエリ Giovanni Gablieli 1557-1612
ハンス・レオ・ハスラー Hans Leo Hassler 1562-1612(生誕450年)

生誕400年
フリードリヒ2世 Friedrich II. 1712-1786

生誕150年
クロード・ドビュッシー Claude Debussy 1862-1918
フレデリック・ディーリアス Frederick Delius 1862-1934

生誕100年
ジョン・ケージ John Cage 1912-1992(没後30年)
コンロン・ナンカロウ Conlon Nancarrow 1912-1997(没後15年)
山田一雄 1912-1991

没後100年
ジュール・マスネ Jules Émile Frédéric Massenet 1842-1912

生誕90年
ヤニス・クセナキス Iannis Xenakis 1922-2001
別宮貞雄 1922-
松下眞一 1922-1990

生誕80年
ナム・ジュン・パイク Nam June Paik 1932-2006
ジョン・ウィリアムズ John Williams 1932-
ニコロ・カスティリョーニ Niccolò Castiglioni 1932-1996 
エリアーヌ・ラディーグ Eliane Radigue1932-
ペア・ノアゴー Per Nørgård 1932-
ポーリン・オリヴェロス Pauline Oliveros1932-
ロディオン・シチェドリン Rondion Konstantinovich Schedrin 1932- 
山本直純 1932- 2002
丹波明 1932-
冨田勲 1932-
湯山昭 1932-

没後80年
ジョン・フィリップ・スーザ John Philip Sousa 1854-1932

生誕70年
イングラム・マーシャル Ingram Marshall 1942- 
メレディス・モンク Meredith Monk 1942-
三枝成彰 1942-
三宅榛名 1942- 

没後70年
エルヴィン・シュールホフ Erwin Schulhoff 1894-1942

生誕60年
ピーター・ガーランド Peter Garland 1952- 
オリヴァー・ナッセン Oliver Knussen 1952- 
ヴォルフガング・リーム Wolfgang Rihm 1952-
カイヤ・サーリアホ Kaija Saariaho 1952-
宮澤一人 1952- 
山田泉 1952-1999

没後60年
中山晋平 1887-1952
弘田龍太郎 1892-1952(生誕120年)

生誕50年
鈴木治行 1962-
松下耕 1962- 
和田薫 1962 - 
小栗克裕 1962-

没後50年
ジャック・イベール Jacques Ibert 1890-1962
ハンス・アイスラー Hanns Eisler 1898-1962
アーヴィング・ファイン Irving Fine 1914-1962
フリッツ・クライスラー Fritz Kreisler 1875-1962
下総皖一 1898-1962

生誕40年
川島素晴 1972-
飛田泰三 1972-

没後40年
ハヴァーガル・ブライアン Havergal Brian  1876-1972
マンフレート・グルリット Manfred Gurlitt 1890-1972
ファーディ・グローフェ Ferde Grofé1892-1972 (生誕120年)
シュテファン・ヴォルペ Stefan Wolpe 1902-1972(生誕110年)
ガヴリイル・ポポフ Gavriil Nikolayevich Popov 1904-1972

生誕30年
山根明季子 1982-
小出稚子 1982- 

没後30年
カール・オルフ Carl Orff 1895-1982
エドゥアルド・トゥビン Eduard Tubin 1905-1982 

没後20年
ウィリアム・シューマン William Schuman 1910-1992
アストル・ピアソラ Astor Piazzolla 1921-1992

没後10年
平井康三郎 1910- 2002
原博 1933 -2002

没後5年
ハラルド・ゲンツマー Harald Genzmer 1909-2007
ジャン・カルロ・メノッティ Gian Carlo Menotti 1911-2007
カールハインツ・シュトックハウゼン Karlheinz Stockhausen 1928-2007
松村禎三 1929-2007
江村哲二 1960-2007



特別な2011年を締めくくるにあたり、ふと昨晩思いついて、武満徹の《翼》を多重録音してみました。

自宅での録音ですので色々と細かいキズがありますが、ちょっとした清涼剤になれば嬉しいです。

ということで良いお年を。

やはり、あの震災のことが忘れられない2011年ですが、音楽的には非常に充実した一年となりました。今年は初演作品が多く、数えてみれば13作でした。
ほとんどすべてが委嘱作品ですが、お陰さまでレパートリーも増えてきました。素晴らしい作品を提供してくださった作曲家の皆さんに感謝です。

初演作品:
石渡玲玲:many winters
木下正道:石をつむII
木下正道:双子素数
三枝木宏行:Canticum No.5 夢野久作による情景
志田笙子:なぜ?
田口和行:Astra polorum
難波研:Silent moon
橋本晋哉:Phyton, le mervilleus serpent
細木原豪紀:Gouci Fosso-quivar: Volui obviam.
松平敬:Totus floreo
山根明季子:水玉コレクションNo.12
山本哲也:perhpas vairation?
山本哲也:Summa Monténuss

初演ではありませんが、今年はじめてチャレンジした作品の主なものは以下のとおりです。

山根明季子:水玉コレクションNo.02
ライマン:Entsorgt
ルシエ:子守唄
武満徹:昨日のしみ
ゾーン:コブラ

ライマンの《Entsorgt》の歌詞は核廃棄物の問題点を取り上げたもので、これを震災の1ヶ月前に歌っていたのは不思議な気持ちがします。

ちなみに今年の最多演奏作品は、松平頼暁《Rotation I》(3回)でした。

ショーロクラブの皆さんとの公演では、様々なジャンルの歌い手の皆さんと共演させていただいたり、ずっと昔から興味のあったジョン・ゾーンの《コブラ》の公演に参加し、即興演奏の面白さと難しさを体感したり、と色々なスタイルの音楽を演奏できたのも良い経験でした。


さりげなく録音音源でも重要なものが発売されました。

ひとつは私一人で40回声を重ね録りしたタリスの40声モテット、もうひとつはショーロクラブの《武満徹ソング・ブック》への参加です。
特に後者のレコーディングは、あの地震の3週間後、まだ気持ちも落ち着かない中での収録でしたが、今となっては格別の思いがあります。

タリス・ジャケット.jpgのサムネール画像 

少しでもたくさんの音楽に触れるために、演奏活動や大学の授業などの合間をぬって、出来る限り演奏会も聴きにいきました。
ヘビーな方には足元も及ばない回数しかコンサートを聞いていないのですが、その中から選んだ個人的なベスト3は以下のとおりです。

  • ケルン歌劇場:シュトックハウゼン《光の日曜日》全曲初演(5月1日ほか)
  • サントリー芸術財団サマー・フェスティバル「映像と音楽・室内楽」(8月27日)
  • 音楽の複数次元 ジョン・ケージ『ヴァリエーションズVII』(1月29、30日)

やはり、午後から夜までかけて圧倒的なスケールで演奏された《光の日曜日》が強烈な印象を残しましたが(詳細なレポートはこちら)、個人的に運命を感じたのが、ここで強烈な演出を手がけたラ・フラ・デルス・バウスと来年一緒に仕事をやることになったことです。
しかも、演目は私が現代音楽方面を中心に演奏するきっかけとなったクセナキスの《オレステイア》、サントリーのサマーフェスという話題性も高い企画で光栄に思うと同時にいまから緊張しています。
早いですが、いま出せる情報を以下に貼り付けておきます。

サントリー芸術財団 サマーフェスティバル2012 MUSIC TODAY21
サマーフェスティバル25周年記念特別公演
2012年8月31日(金)
クセナキス:オレステイア
指揮:山田和樹 Br:松平敬 演出:ラ・フラ・デルス・バウス 
東京混声合唱団 東京シンフォニエッタ


数年前からはじめた「レコード芸術」への執筆活動も、ゆっくりとしたペースながら毎月続けています。今年も多くのCDを聴きましたが、その内40枚あまりについて小さな記事を書きました。冨田勲氏にインタビューするという光栄な仕事も思い出深いです。


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先日の『松平頼暁80歳の肖像』多くの方にご来場いただきありがとうございました。
柄にもなく緊張してしまった4拍5連満載の《It's gonna be a hardcore!》も無事に終了、今回で4回目となる《Rotation I》も、より完成度が上がってきたのではないかと思います。
上の写真は、演奏会最後の出演者全員によるカーテンコールですが、中央にいるのは80歳にしていまだパワーみなぎる松平頼暁先生、歳を重ねても音楽に対する新鮮な気持ちを失わない姿勢を見習いたいものです。


さて、4拍5連の次は4台ピアノとの共演です。
数年前にも演奏したストラヴィンスキーの《結婚》をまた演奏します。
頼暁作品のとてつもなく複雑なポリリズムから比べると、ストラヴィンスキーの変拍子なぞ子どもの遊びのようなものですが、20世紀の古典的名曲の割には演奏機会の少ない(とはいえそれなりに日本でも演奏はされているともいえます)作品ですので、興味のある方は是非お越しください。
私は歌いませんが、シェーンベルクの合唱作品の傑作『地には平和を』も聴きどころだと思いますので、こちらも要チェックです。

東京工業大学混声合唱団コール・クライネス第46回演奏会
2011.12.27(火)19:00開演(開場18:30)
すみだトリフォニーホール 大ホール

三善晃『地球へのバラード』より
マルタン『ミサ』より「クレド」
シェーンベルク『地には平和を』
ストラヴィンスキー『結婚』

指揮:大谷研二

ソプラノ:岩下晶子 アルト:北條加奈
テノール:志田雄啓 バス:松平敬
ピアノ:山部陽子、岩本晃子、伊藤友香、櫻井郁里
打楽器:永曽重光、阿部剛、小松玲子、長屋綾乃、畑中暢行、和田光世
合唱:東京工業大学混声合唱団コール・クライネス

入場料
全席指定 当日券 1,000円 前売り 900円

詳細はこちら


合唱といえば、私は全く関係ありませんが、明日23日の成蹊大学混声合唱団の演奏会も必聴です。1971年に作曲され、作曲直後の初演以降、先月までの30年間(!)再演の機会がなかった湯浅譲二の合唱曲の傑作《アタランス》が、同じ合唱団によって、再度演奏されます。
《アタランス》は言葉になる前の声そのもののうめきのようなものをテーマとし、様々な特殊唱法に埋め尽くされ、合唱ならではの人数感を生かした音響のうねりが様々に提示される名作です。
再演機会が最近までなかったのは、演奏がとても大変ということもありますが、私が先月聴いた成蹊大学混声合唱団(指揮:西川竜太)の演奏は、市販されている東京混声合唱団の録音を軽く超える圧倒的なもので、作曲者ご本人もその演奏を絶賛していました。
特殊唱法が多いだけに、発声法に変なしがらみのないアマチュアの人の方がうまく適性を示したのかもしれません。
次の再演まで何十年待たされるのか分かりませんので、未聴の方は是非ともどうぞ。


成蹊大学混声合唱団<創団50周年記念>第47回定期演奏会

2011年12月23日(金) 開演;19:00(開場;18:30)

国立オリンピック記念青少年総合センター
カルチャー棟大ホール
小田急線・参宮橋駅徒歩7分
入場料:無料


松平頼暁 (b.1931)「Prelude」(2011 委嘱新作 初演) 
湯浅譲二 (b.1929)「アタランス」 (1971) 
         「息」(2004) 
         「歌 A song」(2009 委嘱再演)
指揮:西川竜太 

北川昇 (b.1983) 「まだ見ぬあなたへ」
指揮:細田詩織 ピアノ:前田裕佳 


遂に、恐怖の4拍5連に埋め尽くされた、松平頼暁氏の《It's gonna be a hardcore!》明日が本番となりました(演奏会の詳細は、前の記事をどうぞ)。

いまさらですが、4拍5連を演奏するメトロノームのパッチを作ってみましたので、動画を紹介します。
このパッチは右側の比率を変えるだけで3:7とか6:11とか、どんな複雑な連符も任意のテンポで演奏させることができます。

これを聴いて思ったのが、じっさいはこのポリリズムがさらに3連符などで細分化されるので、4:5だけ聴くと意外にシンプルに聞こえて少し悔しい気がします。

それはともかくメトロノームとお友達状態で練習を重ねたので、今や《大きな古時計》の3番のような気持ちですが、晴れ舞台を見たい方は、どうぞ明日オペラシティ・リサイタルホールへお越しください。
(前売扱いは本日23:59受付分までです。お早めに!)


ちなみに、もう一曲演奏する《ローテーション I》にはさりげなく7:8のリズムなどもありますので、リズム・マニアのかたは是非ともチェックを。


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この楽譜は、今必死で練習している松平頼暁氏の《It's gonna be a hardcore!》の楽譜の一部を書きだしたものです(クリックで拡大)。
上がバリトン、下がピアノのリズム・パターンです。

ただでさえ、4拍5連音符を正確に演奏するのは簡単ではないのに、ひとつのリズム・パターン("It's gonna be a hardcore!"という歌詞のまとまりがひとつのパターン)が5連4分音符6つ分なので、このパターンを繰り返していくと、フレーズの頭が4/4拍子とだんだんずれてくることになります。冒頭ではこのフレーズの頭の音で歌と同時に手拍子も演奏するので(×印が手拍子)、そのずれが聴覚的にも強調されます。この手拍子は、曲が進むに連れて、だんだん叩く場所が増えてくるので、演奏していると、どんどん頭が混乱してきます。
さらにいじわるなのが、この5連符に2種類の3連符が入れ子になっていることです。特に2拍3連は、5連符の中で正確に演奏するのはものすごく大変です。

(我こそはと思わんリズム・フェチの皆さんは、上の楽譜を練習してみてはいかがでしょう?)

そして、究極の嫌がらせとしか思えないのが、途中で挿入される一連のセリフです。
この直前でピアノと同時に演奏をストップするのですが、どうせ複雑なリズムだから適当にやっていても分からない、などとなめてかかっていると、ここで演奏のズレがバレてしまうという仕掛け、曲の始めから最後までひたすらこのリズムパターンを繰り返さなくてはならないのは、気が滅入りそうなほどに大変ですが、このポリリズムがぴったりと決まったらかなり気持ちいい音楽になるはずです。

この曲を演奏するのは、以下の演奏会、80歳を迎えてもなお前衛の道を突き進む松平頼暁氏の作品ばかりを集めた演奏会です。

私は、この曲に加え、テューバの橋本晋哉氏とのユニット、低音デュオの委嘱作品になる《Rotation I》も演奏します。
声とテューバというビミョーな編成から、予想のつかない音響が次々と表れるとても面白い作品です。

他の出演者の豪華な顔ぶれも魅力的、是非ともご来場頂ければと思います。

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「松平頼暁-80歳の肖像-」
12月20日(火)19:00~@東京オペラシティリサイタルホール 

プログラム:
シミュレーション (1974-75) [橋本晋哉/tub]
セレブレーション (1980) [河合拓始/pf]
イッツ・ゴナ・ビー・ア・ハードコア! (1980/2005) [松平敬/bar、藤田朗子/pf]
レプレースメント (1987) [溝入敬三/cb]
連星 (1990) [中村和枝/pf、河合拓始/pf]
モルフォジェネシスII, III (1992) [中村和枝/pf]
井上郷子のための名簿 (1997) [井上郷子/pf]
ローテーションI (2010) [低音デュオ/bar, tub]
(当日の演奏順は未定です)

*演奏会の前後、休憩時間にロビーにて「朝の音楽」(1970) [有馬純寿/音響]

チケットは前売一般3000円、前売学生1500円、当日3500円
ローソンチケット 0570-000-407(オペレーター対応) http://l-tike.com/
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999 
「松平頼曉80 歳記念演奏会実行委員会」tel:080 5496 6854( 石塚)、email:concert1220@gmail.com 

ご予約は、本記事へのコメント、私のメルアド una_voce[at]me.com ([at]をアットマークに変えて下さい)へのメールでも受け付けています。

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木曜日の低音デュオ・ライヴ、お陰さまで無事に終了しました。

ご来場の皆様、心より感謝申し上げます。


重量級の委嘱作3作に加えて、モンテヌス写本から5曲が演奏されましたが、その正体が演奏後に明かされました。作品を提供していただいた若手作曲家の皆さんに敬意を表し、以下にその作者をお知らせします。


Bichemeus: Summa Monténuss(モンテヌスの主)→山本哲也

Pineus Parallelius: Totus floreo(花咲き乱れ)→松平敬

Machaut/Liberpons d'ageous: 

   Phyton, le mervilleus serpent(不可思議の蛇フィトン)→橋本晋哉

作者不詳:Astra polorum(天上の星)→田口和行

Gouci Fosso-quivar: Volui obviam.→細木原豪紀


《Volui obviam.》がなぜか、大きな話題を呼びましたが、プログラムに掲載したものよりもより鮮明な「ファクシミリ画像」をこちらから見ることができます(禁断のあの3文字も確認可能。。)。


それぞれ、大変こったネタ、設定を考えてもらいましたが、各氏のツイッターなどでその解説を読むことができます(どなたかコメントなどでリンクをはってくださると助かります)。

私の担当曲の「設定」も、実は以下のように必要以上に考えていましたので、ご参考までに掲載しておきます。


---


 《Totus Floreo》の作曲者はPineus Paralleliusであるとされている。しかし、この作曲家に関しては、その作風から12~13世紀頃に活躍したらしいこと、当時のヨーロッパ人としては異例なまでに東洋の音楽理論に精通していたこと以外、その生涯は謎に包まれている。


 モンテヌス写本の記述によると、この作品は、東洋からヨーロッパに伝わったとされるルイザワカ写本(現在は所在不明)に掲載され、当時のヨーロッパでちょっとしたブームになっていたらしい、ある東洋の民謡をもとに作曲されている。

 その民謡は、春、花が咲く情景を描いているとされるが、歌詞に記述された東洋文字が部分的にしか解明されていないため、その詳細は不明、そもそも「東洋」の具体的な国名に関してすら、いまだ明らかになっていない。その歌は、「東洋」で使用されていたと思しき独特な記譜法による楽譜が、ルイザワカ写本に掲載されていたようであるが、この写本が失われた現在、その記譜法に関して知るすべはない。《Totus Floreo》では、当時のヨーロッパの音楽家がその楽譜からネウマ譜への変換を試みた3通りのリアリゼーションが、聖歌のように順番に挿入されるが、最後に現れるリアリゼーションはParallelius自身によるものであり、おそらくこのリアリゼーションが本来のメロディーの形に近いと推察されている。このメロディーは定旋律として、わずかな変形を伴いながらテノール声部に表れる。


 歌詞は、当時のヨーロッパ人の演奏の便宜をはかり、当時よく知られていたと思われる《カルミナ・ブラーナ》(オルフの付曲が有名)からのラテン語のテキストが当てはめられている。

 一方、前述のParallelius自身のリアリゼーションに基づく部分では、彼自身が試みた、その東洋文字の解読作業の成果が表れている。当時のヨーロッパ人が演奏しやすいように、(Paralleliusが想定した)原詞の発音に近いラテン語、あるいはそれに類似した「ラテン語もどき」が楽譜に書き込まれている。彼が解読しきれなかった箇所は前述のカルミナ・ブラーナからの歌詞にある単語などが適宜割り振られているようだ。


 なお、楽譜には2本の曲線を組み合わせた不思議な記号が書き込まれているが、最近の研究で、これは演奏者のジェスチャーを指示しているらしいことが明らかとなった。これは当時の記譜法としては極めて異例であるが、Paralleliusの東洋音楽からの影響の反映、という見方が濃厚だ。


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ついでに楽譜もどうぞ。

画像をクリックすると全ページを収めたPDFが開きます。

なぜ、このような偽名になったかは、勘の良い方ならすぐおわかりかと思います。


totus floreo.jpgのサムネール画像

一番上の写真は、開演前のステージの様子、なぜか橋本さんがトロンボーンを持っていますが、モーツァルトの《レクイエム》の〈キリエ〉のフーガを必死で練習していました。。


9月のリサイタルで一段落着くはずだったのが、突如凄まじいスケジュールが襲いかかり、ここまで更新が滞ってしまいました。すみません。

近々の本番のご案内です。

来週24日には、テューバの橋本晋哉氏とのユニット、低音デュオのライヴがあります。

あまりにも力作ぞろいで、演奏者が根をあげそうになっている委嘱作3作、前回の松平頼暁氏への委嘱作の再演、昨年ボローニャで発見され、一部で話題になっているモンテヌス写本からの5作品など、盛り沢山な内容でお届けします。
残席僅かとなってきましたので、お早めにご予約を。

低音デュオ4th live 

11/24(木)19時開演 門仲天井ホール

松平頼暁: Rotation I (2010)
難波研: Silent moon (2011、委嘱初演)
山根明季子: Dots Collection No. 12 (2011、委嘱初演)
木下正道: 双子素数 (2011、委嘱初演)
低音デュオ編: 《モンテヌス写本》より
 「Astra polorum」「Volui obviam」「Summa Monténuss」
 「Totus floreo」「Phytons, le mervilleus serpent」

杉山洋一:チューバソロのため「ファンファーレ」(2011、初演)←追加決定!

出演:松平敬(声)、橋本晋哉(テューバ、セルパン)

入場料:2500円(ご予約)、3000円(当日)(もんてん会員はそれぞれ500円引き)
ご予約、お問い合わせ: teionduo@gmail.com

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時系列が逆になりますが、今週末19日、ショーロクラブの武満ソングばかりを演奏するコンサートに出演します。私の出番は2曲のみですが(うち1曲はCDに未収録の曲です)、ショーロクラブの皆さんはもちろん、他の歌手の皆さんもうっとりするような歌を聴かせてくれるはずです。

『武満徹ソングブック・コンサート』

日時 : 2011年11月19日 (土)
会場 : めぐろパーシモンホール・大ホール
開演時間 : 17:00 

【 出演 】
◇歌 アン・サリー / 沢 知恵 / おおたか静流 / おおはた雄一 / 松平 敬 / 松田美緒 / tamamix
◇演奏 ショーロクラブ ( 笹子重治 Guitar / 秋岡欧 Bandolim / 沢田穣治 Contrabass )

詳細は以下のリンクをご覧ください。

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昨日のリサイタル、お陰さまで多くのお客様を迎え、無事終了しました。

有馬純寿さんの力を借り、ほぼ全編にわたって10チャンネルのマルチチャンネルを駆使した作品をお届けしましたが、客席ではどのように聞こえていたのでしょう。

当日のリハの写真を早速送ってもらいましたので、いくつか紹介します(撮影:石塚潤一さま)。

ステージ上のテーブルの上にはMac2台と、様々な機材が。
作品によっては、コンピュータを操作しながらの演奏もこなさなくてはなりませんでした。
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こちらは、ルシエの《子守唄》、ダミーヘッドマイクをつけた助演者(まだ国立音大在学中ながら、すでに大作曲家の片鱗を感じさせる山本哲也くん)のまわりで無声音を即興的に演奏、彼の聞いている音の動きが、客席横のスピーカーから聴こえる仕掛けの作品です。
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こちらは森田泰之進氏の《うたかたながし》の中の1シーン。
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ステージの全景です。
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今回の演奏会の陰の主役、有馬純寿氏(エレクトロニクス)。この方には足を向けて眠れません。
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壁面に8チャンネルのスピーカーが組み込まれている杉並公会堂の音響システムの割には、開演ベルのメロディーのセンスがいまいちだと思っていたこともあり、今回、自作の開演ベル(作曲は本番日の前日)を使用しました。

当日、ご来場できなかった方々のために、以下にリンクをはっておきます。


シュトックハウゼンは、「録音」というメディアを自身の作品の理想的な姿を記録する重要なメディアと考えていて、自身の監修した録音をすべて自分の出版社、シュトックハウゼン出版(Stockhausen-Verlag)で管理していたことはよく知られています(1980年頃以前のドイツ・グラモフォンから出ていた音源もすべて買い取り、自身のレーベルから再発売しています)。

レーベルの都合によって廃盤にされたり、リリースのペースを決められたりすることなく、自由に発売することが可能となり、100枚近くのアルバムが常に入手可能という、作曲家本人、ファンの双方に理想的な環境があるにもかかわらず、シュトックハウゼンの作品のごく一部しか認知されていない理由は、その流通形態にあります。

基本的に出版社から直接通販する前提で販売されているので、一般の店舗にはほとんどこのレーベルのCDが置いてあることはありません。あったとしても、一枚6000円というボッタクリといわれても仕方のない値付けがされているのですが、これは、上記の事情で卸価格が存在しないことが原因で、シュトックハウゼン出版がぼろ儲けをしているわけではありません。

安く手に入れるために、直接通販しようとする場合は、メールで直接注文(10年ほど前まではファックスでした)、料金は国際送金で支払い、というスタイルになります。
中学生程度の英語力でオーダーのメールも出せるのですが、そこが第一のネック、そして決してお手軽とはいえない国際送金の書類書き(一度書き方を覚えればそれほど大変ではないですがでもやっぱり面倒)と割高な手数料(1件2500円)がかなり敷居の高い印象を与え、結局ほとんどの人にとってシュトックハウゼンのCDは遠い存在のまま、そして、一般の店舗で手に入りやすい、ビミョーな演奏のアルバムばかりが聴かれる、という作曲者にとっても聴き手にとっても不幸な状況が続いていました。

せめてクレジットカードで決済できれば、ということは私も以前から、関係者にずっと話をしていたのですが、それが実現する手応えはほとんどありませんでした。


しかし、突然朗報がやってきたのです!


ここはシュトックハウゼンのCDのオンライン・ショップ、アマゾンなどと同じ感覚で必要なものをカートに入れペイパル決済で購入できます。
全タイトル試聴可、というのも嬉しいのではないでしょうか。

似たようなサイトがあるよ、とおっしゃる方がいるかもしれません。しかし、そこのサイトは非公式なものなので、手数料もそれなりに取られて、お世辞にもお得とはいえないものでした。送金、オーダーなどの面倒なことを代行してもらえるくらいのメリットです。

しかし、このサイトはシュトックハウゼン出版の公式のショップですから、値段もほぼ定価で、一枚ものだと23ユーロ(約2400円)という価格が基本になっています。

ただし、日本からオーダーする人は注意してください。

このショップで購入したものは基本的に船便での発送となります。したがってオーダーから商品到着まで2ヶ月ほどかかるということになります。

ではエアメールで送って欲しい場合はどうすればよいか?
サイトの下部に出版社のメールアドレスがありますので(どこのメルアドでもおそらく同じ人から返信が来るでしょう)、ショップで購入後、メールでエアメールで送って欲しい旨伝える必要があります。すると先方からシュトックハウゼン出版のペイパルアカウントに◯◯ユーロ送金してください、というメールが届くので、そこに支払う、という段取りになります。

ちょっと面倒なのですが、これは結局、ショップは使わずにはじめからメールで注文(エアメールで支払いたい旨も伝えておく)すれば話が早い、ということになります。

従って、以前の方式から送金方法のみ変わった、ということになりますが、この違いこそがもっとも重要です。

そして、もうひとつ重要なのが、シュトックハウゼン出版がペイパルのアカウントを取った、ということです。
ショップサイトこそありませんが、ここからでているすべてのもの(Text-CD、楽譜、オルゴールなど)は、同じようにメールで注文、ペイパルで決済、という方法で購入することができます。

いままでは先方にお金が届くまで1週間弱、商品の発送におなじく1週間弱の計2週間弱の日数がかかっていたのが、送金が一瞬になったことで、オーダーから1週間弱で商品の入手ができることになりました。

シュトックハウゼン愛好家にとっては画期的なこのニュース、これを機に、より多くの人がシュトックハウゼンの音楽に触れることを願います。


ショーロクラブの新譜『武満徹ソングブック』で私が歌で参加した「見えないことも」の動画(といっても実質的に音声だけですが)がYouTubeにアップされました。

このCDは私の15日のリサイタル会場でも販売予定です。

このアルバムのメンバーでのライヴも11月に予定されていますので、こちらもお楽しみに。



お陰さまで、15日のリサイタルの前売券の受付は終了しました。
当日券は、本番日18時より、受付にて若干数(5枚程度)を発売いたします。

混雑が予想されますので、お早めのご来場をお薦めします。


以前より告知しております15日の私のリサイタル残席がごくわずかとなっています。
当日券も若干数のみ出す予定ですが、前売分は数日中に受付終了となる可能性も高いです。
ご興味をお持ちの方はお早めにこちらまでご予約下さい。
前売分受付終了しました。若干数(5枚程度)当日券を出す予定です。

曲順、確定していますのでお知らせしておきます。


ルシエ:子守唄
シェルシ:WO MA
志田笙子:なぜ?(初演)

(休憩)

森田泰之進:うたかたながし
シュトックハウゼン:シュピラール
ケージ:《ソング・ブックス》より


マルチ・チャンネルを駆使した作品がほとんどですので(有馬さんの献身的な協力に感謝!)、良い環境でお聴きになりたい方はお早めのご来場をお薦めします。

ちなみに、以下の写真はシュトックハウゼンの《シュピラール》で私が操作するMacの画面です。同時に2台操作するのはなかなか大変ですが、いまやかなり慣れてしましました。
右のMacのディスプレイの下の方に見えているのが、楽譜です。

右のMacは擬似短波ラジオ(これも有馬氏作)、左のMacは声の変調用に使用します。

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こちらの準備も気が遠くなりそうなのですが、その直前にこんなライヴに出演します。

《John Zorn's COBRA 東京せんがわ作戦 神田佳子部隊》
(有馬純寿(computer)、大石将紀(sax)、神田佳子(perc)、木ノ脇道元(fl)、坂本弘道(vc)、佐藤允彦(p)、しばてつ(ピアニカ)、田中悠美子(義太夫、太棹三味線)、中村仁美(篳篥)、橋本晋哉(tuba)、藤原清登(b)、松平敬(br)、本田珠也(ds)、巻上公一(prompter))

9月11日(日)20時START せんがわ劇場

ずっと前から気になっていたジョン・ゾーンの《コブラ》遂にデビューです。
あの複雑なルールを覚えるのが大変なのですが、初回のリハの感触では、面白い仕上がりになりそうです。

詳細はこちらをご覧ください。
こちらも残席僅かとなっているのでご注意下さい。

昨年の双子座三重奏団のライヴ動画をアップしましたので紹介します。いずれもその時のライヴのために書き下ろして頂いた新曲です。


伊左治直:竜の湯温泉郷への郷愁



新垣隆:インヴェンション あるいは 倒置法 III



中川俊郎:Xmas Song of Birds




演奏:
双子座三重奏団
 曽我部清典(トランペット)
 中川俊郎(ピアノ)
 松平敬(バリトン)

2010年12月5日恵比寿・アートカフェフレンズにて

こちらのブログの情報によると、門仲天井ホールが来年9月末に営業終了するかもしれない、とのことです。ホールの所有、運営団体の意向ということなのですが、小さいながらも、いや小さいからこそ濃密な、このスペースがなくなってしまうとしたら、それはとても悲しいことです。

私自身、あるときは演奏家として、また別の時には一聴衆としてこのホールを利用していました。ホール支配人の黒崎さんの、ものづくりに携わる人を応援しようとする心意気から、このホールに愛着を持っている人も少なくないと思います。

小さな楽屋スペースの壁には、このホールでの過去の公演の様子をおさめた写真がところせましと貼られていますが、そこからも多くの人のこのホールへの愛情が伝わってきます。

リンク先に、詳しい事情、存続を求める署名の送り方などが書いてありますので、聴衆であれ出演者であれ、このホールに関わりのある方は署名にご協力頂ければ嬉しいです。

あらためて元記事のリンクをはっておきます。
門仲天井ホール、存続を願う署名のお願い、です。

ちなみに、以下の写真は、昨年門仲天井ホールでの演奏の模様です。

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おしらせ

双子座三重奏団うるう日ライヴ
2012年2月29日19:00-
門仲天井ホール

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中川俊郎:バッハーズ・アロウ
森田泰之進:こうふくのしま
鈴木治行:蛇行
山本哲也:スライドホイッスル三重奏曲
ケージ:ラジオ・ミュージック
ほか

出演:
曽我部清典(トランペット)
中川俊郎(ピアノ)
松平敬(声)

コンサート詳細はこちらまで

■タリス:40声のモテット
(一人の歌手による多重録音)

ご試聴、ご購入は以下まで
iTunes
e-onkyo music
OTOTOY

■松平敬 1stアルバム
《MONO=POLI》

 マショーからケージまでの声楽アンサンブル作品を、多重録音によってすべて一人の声のみで演奏したアルバム。
 16声部のリゲティ《ルクス・エテルナ》も収録。

ENZO Recordings
EZCD-10006
平成22年度文化庁芸術祭
レコード部門優秀賞受賞作品

文化庁芸術祭シンボルマーク

プロモーション・ヴィデオ

ご購入は以下まで:
HMV ONLINE
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