・HIMMELS-TÜR(2005) for a percussionist and a little girl
・24 TÜRIN(2006) for door, rin and speaker
打楽器奏者:Stuart Gerber
サウンド・プロジェクション、TÜRINのリアリゼーション:Karlheinz Stockhausen
録音:2006年
「HIMMELS-TÜR 天国への扉」は打楽器奏者が舞台中央に設置された木で出来たドアを数種類のバチで様々な方法で叩き続けるパフォーマンス的な要素の強い作品。
曲の後半でこのドアが開き、打楽器奏者はドアの反対側へ歩いていく。しばらくするとドラやシンバルの長い残響が混じり合う音楽が始まり、サイレンが鳴り始め舞台客席にいた少女がドアのところに歩いて行き、彼女もドアの向こう側へ消えて行く。
この作品のために特別に作られたドアは左右とも6種類の素材から出来ていて、叩く場所を変えると音色が変わる仕掛になっている。奏者の靴音なども交え、限られた音素材から多くの音色を弾き出すアイデアははるか以前に作曲された「ミクロフォニーI」を思い出させるが、その作品とは違い、ここでは電子的な変調は一切行われていない。
CDではパフォーマンス的な視覚要素は当然排除されるのであるが、聴覚に集中出来る分、むしろ実演に接するよりも微細な音響の変化に注意を向けることができる。
TÜRINはTür(=ドア)とRin(=仏具のお鈴)を組み合わせた造語。HIMMELS-TÜRのためのドアを叩く音をサンプリングし、音高を変え、さらに同じピッチのリンの音を組み合わせたサウンドでKLANGの基礎となる24音のセリーを極めてゆっくりと演奏する作品。
これらのサウンドは特殊なリヴァーヴのセッティングにより、残響音が凍りついたように極端に長く伸びるようなエフェクトが施され、この超現実的な残響音が重なっていく過程も興味深い。
また、それぞれのサウンドの途中でシュトックハウゼンが24の「高貴な単語」を淡々と語っていく。
