CD17.1 来たるべき時のために(仮 - α2)

FÜR KOMMENDE ZEITEN(1968-1970)
VERKÜRZUNG(縮小)
WACH(目覚め)
ANHALT
VORAHNUNG
INNERHALB
WELLEN(波)

演奏:ヴァイマール直感音楽アンサンブル
  ピアノ、ハーモニウム:Michael von Hintzenstern
  チェロ:Matthias von Hintzenstern
  トランペット:Daniel Hoffman、シンセサイザー:Hans Tutschku
サウンド・プロジェクション:Karlheinz Stockhausen
録音:2005年

この作品は「7つの日より」に続く2作目の直感音楽作品集です。

30年以上前に作曲した直感音楽を今録音してどのようになるのか興味津々でしたが、この曲集の残りも聞きたくなるような非常に美しい仕上がりでびっくりしました。
演奏は「ヴァイマール直感音楽アンサンブル」というピアノ(ハーモニウム)、トランペット、チェロ、シンセサイザーの4人の奏者で構成されたアンサンブルです。シュトックハウゼンとこのアンサンブルは常にコラボレーションをしている訳ではなくて、「細く長い」コンタクトが今回の録音につながったようですが、一聴してシュトックハウゼンの音、と分かる作曲者への共感の高い演奏で、上記のような一件音色が限定されているように感じられる編成での演奏とは思えないほどのサウンドのヴァリエーションの豊かさ、テクスチュアの豊富さに大いに驚きました。

数行のテキストのみが「楽譜」となっているのですが、実はその短いテキストの中に音楽の方向性が巧みに示唆されているので、演奏に際しては、いかにその作曲家の意図を汲み取り、クリシェに陥ることなく演奏していくか、ということが重要なポイントとなります。さらにアンサンブルの中ではお互いの演奏を注意深く聴き合って全体のバランスを保つことも重要ですが、当然この演奏ではそうした基礎的な(しかしハードルが高い)ことはクリアーしています。

心の深層に潜む何ものかを音像化したような内省的なサウンドが支配的ですが、細かい音色やテクスチュアの揺らぎを極めて優秀な録音のお陰で存分に楽しむことが出来ます。

ちなみに、意図的なのかどうか分かりませんけど各曲の演奏時間がどれも判を押したように10分前後に収まっています。